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「9番目の音を探して」大江千里著 夢を夢で終わらせない生き方!
何かに挑戦するときに、年齢は関係ない。
いつからだって、強い思いがあれば夢は叶う。
言葉だけじゃない。
実際に行動を起こし実践した大江千里さんの言葉には重みがある。
発売は2015年。
その前のkindleで、彼が連載していたころからずっと読み続けていた。
内容を知っていても、いや知っているからこそ手元に置いておきたいと、
単行本となり迷わず購入。
じわじわ売れているようで、重版を繰り返している。
「9番目の音を探して~47歳からのニューヨークジャズ留学」大江千里 著
大江千里さんは、次々とヒット曲を生み出し、ポップス界を牽引してきたミュージシャン。その彼の自伝となっている。
第1線で活躍していた彼は、47歳のとき突然それまでの活躍に終止符をうち、日本を離れる。
5年になるか10年になるか分からないと言い残して。
事務所を辞め、入っていたスケジュールをキャンセルし、ファンクラブまで解散して。
海外へ行く芸能人は多く知っているけれども、帰れる場所を残している人がほとんどではないだろうか。
せめてファンクラブくらい残してもいいのではないのだろうか。
だが、彼は「帰れる場所をつくらない」という強い意志のもと
ニューヨークへ旅立ち、jazzのニュースクール大学へと入学する。
日本での演奏経験やキャリアもあることから、ある程度「自分は出来る」と思っていた学校初日。自分の半分も生きていない若者たち(同級生)から
全然jazzが出来ていないと言われ、無視されることもあり、学校へ行くのが苦痛だった日々が綴られている。
仲間に追いつきたいという思いから必死に練習しても、更に追い打ちをかけるように腕を痛めピアノが弾けなくなり焦る日々。年齢的な体の変調も出てくる。
そんな辛く厳しい環境の中を、どうやって気持ちを切り替えて、夢を叶えていったのか。
カッコ悪いことも
上手くいかないことも
赤裸々に。
当時、彼のブログをずっと追っていた私は、ピアノが弾けない時期に数ヶ月アップされない日々があったことを知っているからこそ、よほどのツラさだったはずだと感じていた。
でも読んでいてなぜか爽やか。
それはきっと彼の持つ明るさを忘れずに、常に前を向いている姿が彼独特の詩的でかつテンポのよい文体で書かれているからだろう。
さすが長く作詞をしているだけあって読んでいると、思わず書き留めたくなるような素敵な言葉にたくさん出会える。
他にもニュースクールでの授業の様子や多国籍の学生たちのとりまく環境も
とても興味深く書かれていて、日本では知ることのできない文化についても知ることが出来る。
4年半の学生生活ののち、自らのレーベルを立ち上げた。(その苦労や不安も綴ってある)
現在はジャズピアニストとして活躍されていて、自ら作曲したjazzアルバムをつくり、二ューヨークを拠点に毎月jazzライブを行い、CDを手売りし、精力的にツアーを行い、確実に活動の場を広げている。
夢を夢で終わらせず、47歳から出発した大江千里さん。
就活するにあたり、未来への岐路に立っていた娘にも勧めた本。
何度も涙して、
何度も力をもらえる。
最後のページの恩師やお父さんとのシーンはとても感動的だ。
格好いい年のとり方をしたい人にお勧めの一冊。
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▼4月に閉じたサイトに載せていた記事です。これは捨てられず💦迷った末、ここへ残すことにしました。加筆修正しています。
この続編となるのがnoteで連載していたこちらの本です。こちらは日常のエッセイ色強め。読んで楽しい本です。