文春野球コラムに代打で登場!顛末記3
エピソード3 原稿できた!
この度のオンラインコラムに参加させてもらって、一番驚いたのは、原稿の締め切りと公開日まで三日間しかないことだった。
え?そんなんでできるんですか?もしもわたしの原稿が全面NGだったらどーなるんですか? 『半分、青い』のスズメちゃんみたいに先生が代原書いてくれるんですかあ・・・。
もう記憶が定かでないけれど、16年前もパソコンで書いてはいた。打ち出した紙の原稿を編集部に送っていたと思う。競馬雑誌で20回、競馬マンガの紹介を週刊で連載をしてたときは、毎週水曜日が締め切りで、日曜日が発売だったような気がスル。あのときはメールで送ってたのかな・・・。郵便じゃないよな・・・ファックスかな・・でもマンガのコマのカット指定とかしてたよなあ・・・ああもうまったく思い出せない・・。
それくらい昔のことから、ただいま現在のオンライン最前線にいきなりぶち込まれて、実際、わたしは何もわからなかった。
いや正確に言う。何もわかってないことが、わかってなかった。
えのきど監督には、わからないことがあったらなんでも聞いてね、すぐ対応するから。と言われていたけど、そもそも「わからないこと」がわかってないのだから聞くこともできなかった。
頭の中は、とにかく指定された日までに原稿を書くこと、えのきど監督からオッケーが出たら、編集部に送って、仮組ー校正が来たら、修正して、送り返す、ということだけでいっぱいだった。
レジの仕事は週に3日間、締め切りは月末で、余裕はあるはずだった。でも状況が変わって、店の前に出来たカフェのお弁当や惣菜の手伝いをすることになった。6年間弁当屋で働いていたので仕事内容は全然オッケーでも早朝から働き慣れない環境で疲れてしまい、なかなか集中することができない。
それでもなんとか仕上げた1本ーロドリゲスの話ーを、「これでどうかな」と試しに娘たちに読んでもらった。しかしながら、さすがわたしの育てた娘たちである。情け容赦なくコテンパンにダメだしを食らった。家族っていいもんですね・・・・。
それでいこうかなと目論んだ原稿は、藻屑となって消えていった。どうしたらいいんだろう。もう締め切りは目の前だ。疲れただの言っていられない。仕事から帰って、ファイターズの試合を見て、見られなかった日は録画を見て、考えを巡らす。
6月24日の月曜日、前日の楽天戦、負け試合を見てから、それまで書こうとして、どうもうまくはめられなかった話をもう一度書き始めた。
えのきどさんに「2018年のファイターズを書いてください」と言われたときから、ぼんやりと考えていた。栗山監督のやりたい「誰もがキラキラ輝く野球」「誰よりも野球を楽しんでいるチーム」を目指しているのが、今年のファイターズだよなって。
タイトルは先に決まっていた。『風に向かって胸を張れ』
向かい風なのだから、負け試合から始まるっておかしくないよな。書き始めるとするする書けて、淀むことなく、ラストの一行にたどり着いていた。
できた・・。できたよね・・・これはできてるはず・・・。
自分の周りにキラキラした星が出て、天使が踊っていた。
翌日の火曜日は、夜8時までレジ。帰ってから夜半まで原稿を見直し、えのきどさんと約束していた水曜日は、早朝から働いて午後、もう一回見直して、送信した。よく頑張ったんじゃないか?おれ?
ドキドキして心臓が。(高血圧の薬飲んでるけど)血圧が上がりすぎじゃないかと、心配になるくらい。ドキドキしていた。
つづく 多分次で終わり