実りの秋が来る。何かが実っているはずのファイターズ。中島卓也の押し出しフォアボールから考えた。
133試合目 F×H 1対3 札幌ドーム
今年、幾度も繰り返された光景が、また再生される。
先発有原航平、先頭バッター、フォアボールから2アウト満塁、バッテリーエラーで失点(石川亮、清水優心、宇佐美真吾 誰と組んでも起こってしまった)
ホークス先発、武田翔太も全く不安定で、えっちらおっちら4回裏同じく2アウト満塁、中島卓也が必死の粘り、押し出しの1点を得る。しかしながら有原は、次の回に失点…試合の流れはホークスに渡ったまま。以降ファイターズは、9回裏、田中賢介2アウトからのヒットまで無安打…。
なんでかのお。
なんでかわかんないけどのお。
これが今年のファイターズなんだよなって、認めるしかないんだよね。きっと。
わたしは、今シーズンが始まる前に、今年の一番星は、中島卓也だと言った。選手会長として、内野の要として、FA権を取得する年齢として、大好きな先輩田中賢介を送り出す立場として、中島くんは、今年に賭けているなと感じていたし、キャンプからオープン戦、仕上がりも十分だった。
実際、開幕当初は絶好調で、チームをひっぱっていたが、故障もあり、途中から試合に出たり出なかったりで不調になってしまった。ゲームコントロールをする立場の選手は、本来多少の無理があっても試合に出続け、流れを読まなければならないのに卓也の勝負勘、試合勘を維持することは、かなり難しかったのではないだろうか。
それでも、今シーズン、弛むことなくファイターズの野球を表現しようとし続けたのも、中島卓也だったと、わたしは思う。
今日も2アウト満塁、対戦成績8打数8三振の嘉弥真投手から。明らかに意図してフォアボールをもぎ取った。
打つことは捨てて、1点取ることを考え、実行する。
そうやって、一人一人の選手が、出来ることを出来る限り。その場の展開を読み、必要であるべきことなし、次に繋げて、勝利を拾い上げていく。
お金もなく、選手も少なく、実は弱小ローカル球団でしかない北海道日本ハムファイターズが、それでも常勝チーム、Aクラスを続けられてきた理由の一つだ。
東京にいた頃の負けに慣れていたファイターズと、北海道に来て勝つことの味と意味を知ったファイターズ。その二つを実感している現役選手は、もう田中賢介と鶴岡慎也だけになった。
中島卓也は、田中賢介の直系の弟子と言っていい。選手会長を受け継ぎ、二遊間も受け継いできた。声高にチームを鼓舞したり、ああだこうだと言葉にしたりは、できないけれど。
明日を見失ってしまいそうに、薄暗くなってしまったファイターズの道を照らすのは。中島卓也のように、自分で考え、一つ一つ行動していくことだけ、なんじゃないのかなって。
今日の試合を見てて、思いました。
玉井くん、本当に玉のように輝き続ける。
ファイターズ 60勝68敗5分 5位
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