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「猫は生きている」ーファイターズは、野球やってるー諸々に夏の夜は、過ぎていった

ファイターズ2020 8/18  51試合目  札幌ドーム F×E  9対4

おうちの猫、みーちゃんの猫風邪がなかなかなおらず、そのうち鼻の上、眉間のところが腫れてしまって動物病院で処方してもらっていたけど、一進一退。良くも悪くもならない状態がしばらく続き、先週から右目の涙が止まらなくなり、鼻水も右側からしか出ず、どうやら鼻腔に腫瘍の疑いが出てきた。

かかりつけの先生のところでは腫瘍の検査はできないので、北大動物病院に紹介してもらえるが検査代は10万円くらいはかかるという。我が家の経済的には、大金も大金で、どうしたらいいのか迷っていると、もともと野良猫というか捨て猫で迷っていた、みーちゃんを保護した方たちが、検査代を払いましょうと申し出がある。そんな大金、とんでもない!と断るものの、これもご縁だからと。

検査してもしも癌だったら、そのあとの放射線治療や抗がん剤治療は、どちらにせよ高額過ぎて対応するのは無理だと思うけど、それでもいいのでしょうか? できる限りのことをしてあげればいいんだと言ってもらって検査を受けることにした。

先生に申し込みの電話をかけてもらったその夜、みーちゃんはとうとう鼻血を出した。鼻血は腫瘍の症状で、一気に絶望的な気持ちになる。全く眠れないまま。同じく息がしずらくてよく眠れないみーちゃんと一夜を過ごす。朝、一番に検査の予約を取る。お盆あけでもあり病院の予約はいっぱいで検査日は10日後。それまで持つのだろうか…。

どんな日であれ、野球の試合は始まる。

ファイターズは、札幌に戻って楽天イーグルスと最後の同一カード六連戦戦う。先発は上沢直之、相手は一度も打ったことのない弓削投手。

でも、今年のファイターズは、ちょっと違うんだぜ。苦手のホークス和田毅様だって、オリックスのアルバースだって、一度はいつもどおりやられたが、次には打ち返している(わたしの叱咤が効いたのか?)ならば弓削っちだって打てるはずだ!

スコアラーの指導が行き届いたのか、単に弓削っちの調子が悪いだけなのか。どっちもか。初回から苦手投手を攻略するファイターズ。4回ですでに7対1。マウンドのうわっちは1回表こそ球数を食ったが、その後はビシバシ抑えて7回1失点。バッテリーは、戻ってきた清水優心。どんな感じかの優心に、幸か不幸かスローイングの機会はなかった(よね?)

よーしよーし。と喜んでいたところで。みーちゃんの様子がおかしい。ふらふらーっと倒れて、動けないみたいな。どうも息が変だ。おかしい。怖くなって時間外だが動物病院の先生に電話する。歩いて5分の病院で診てくれる。レントゲンでは心臓も肺も大丈夫だが、鼻は左側が完全に詰まってしまって、息をするのが大変なのだと。鼻をひっかきまくるのでつけさせていたエリザベスカラー(猫の首につけて顔をさわれないようにする)が何かの具合で喉にひっかかったらしい。良かれと思ってしたことがみーちゃんを苦しめてしまった。激しく落ち込む…。家に帰ると蘇ったみーちゃんは、ご飯を食べて、押し入れの段ボールに入ってしまった。

はっと気がつくと。ファイターズは、あのまま勝ってはいたけれど、8回表に3点取られている。確か病院に出かける前マウンドに上がっていたのは、金子弌大、ちーちゃんだったはず。

#金子チヒロを優勝させる会ー  発起人たるわたしが、席を外したばっかりに。ちーちゃんに嫌な思いをさせてしまったではないか…。

「お母さんのそういう思い込みの強さってすごいよね」

娘が言う。褒めているのではない。もちろんちーちゃんが抑えるのも打たれるのも、わたしのせいではない。だけど抑えて欲しい、金子チヒロに活躍して欲しい!と願っているのは、わたしなんだから。すべてはこちらの都合に決まっている。

試合は、ファイターズが9対4で勝った。2位イーグルスとの差を1.5ゲーム、首位ホークスとを3ゲーム差に縮める。いよいよパ・リーグは大混戦になってきた。六連戦の大事な初戦を取ったのは、大変に大きな意味を持つはず。それにしても上沢直之は、ボールの質も高い上に、勝負根性の際立つことよ。エースの風格。あれだけの大怪我をして、ここまで成長できるものなのか。多くの故障で悩んでいるだろう選手たちに希望を与える、うわっちの姿。

みーちゃんは、段ボールの中で眠っている。心配で今日も眠れないわたしだけれど。みーちゃんの命は、みーちゃんのもの。わたしがどうにかできるわけじゃない。わたしには、わたしにできることしか、できない。

猫は、ただ生きている。

そして、いつもわたしに教えてくれる。人も同じなんだよと。


追記ー「猫は生きている」と書いたら、遠くから記憶が蘇る。「猫は生きている」って何だっけ? 検索してみると、早乙女勝元さんの絵本『猫は生きている』を発見。間違いなく子どもの時に、読まされている。東京大空襲で人は残らず焼け死に猫は生き残るーそのメッセージは、今読めば、きっともっと普遍的な意味を持つ。


ファイターズ 25勝24敗2分 








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