上原健太、プロ野球人生をかけたマウンドに立つ。うちのフィガロは、生きている。
ファイターズ2020 9/2 64試合目 札幌ドーム F×E 3対5
2015年ドラフト1位で北海道日本ハムファイターズ入団。2016年一軍デビュー。高校野球の名門、甲子園の常連校、広陵高校から東京六大学のこれまた名門明治大学へ。大学日本代表にも選ばれた。まごうことなき日本野球界エリートコースを歩んできた、その名は上原健太。
これまでの歩みについては、去年noteにすでに記してあるので、読んでみてください。上原くん、ドラ1だし、名門出身だし、失礼ながら成績もぱっとしないまま二軍と一軍を行ったり来たり、年上の斉藤佑樹と同じような立ち位置のはずなのに、ゆうちゃんのようには、話題にしてもらえない。見た目は派手なのに地味な。
ていうか、ゆうちゃんの扱いが異常なだけですが。ゆうちゃんが叩かれるようには叩かれないですんできたとも言える。毎年毎年、存在が危ぶまれ、打者転向も促され、それでも投手に拘り続けた昨年も、プロ野球人生賭けていたはずだったが、結局、ぱっとしないままだった。
キャンプからも一向に目立たず、一軍での登板もなく流れてきていた今シーズン。年齢は、まだ26歳とはいえ、結果が全てのプロ野球。やっと巡ってきた札幌ドームでの登板チャンスに懸ける気持ちは、当然、強くあったと思う。
だけど、その「強い気持ち」というやつが、あんまり表に出ないのも上原くんなんだよね。当人は、もちろんそんなつもりはないと思いますが。なんかほんわかしてるというか…沖縄の子全般にある、気の優しさが前に出てしまうというか…。
しかし、さすがに今日の登板は違った。これまでの走者を出すと打たれたくないあまりにフォアボールを連発したり、勝負どころで甘いコースに投げてしまったり、腕が触れずに棒球になったり、していた姿は、どこにもなかった。
追い込んだら真っ直ぐ勝負。ボール先行でもカウントを戻して打ち取る。三振を取れる、力のある投球を見せてくれた。5回無失点。投球数は70だったのでまだ投げられたと思うが、おそらく第二先発で用意していたニック・マルティネスが6回に復帰登板となり、マウンドを降りた。
この時点でファイターズは、3対0で勝っていた。9回表も同じだったが、終わってみたら3対5で負けていた。
クローザー秋吉、前回のイーグルス戦でも3対0から追いつかれたが、この度は逆転までされてしまう大炎上。劇場の幕を上げたら、自ら下げないとならないが、出来なかった。ベンチに下がり目が完全に泳いでいた秋吉亮。どうするのか栗山監督…。
上原くん、基本「持ってない」のかもしれないけどさ。持ってない星の下に生まれた者にしかわからないこともあるよね…あたしも相当持ってない星人だからって何も関係もありませんけども…(ドラ1で入団した時点で十分「持ってる」んだよ。本当は!)
それにしたってなあ。チームにとって大事なゲームを任されて、自分にとってもプロ野球人生を賭けたマウンドに立って、一世一代のピッチングを見せたと言って言い過ぎでない、上原健太だったのに。野球の神様って、何考えてんのかしらね…。
物語は、いつも都合の良いようには描かれないとしても。
わたしはすでに述べていた。
ー甘えるのが嫌だと故郷を一人飛び出した。少年の心の焔は、未だ消えてはいないはずなのだからー
沖縄で暮らした中学生の少年は、未知の広島へ一人向かった。強くなりたいと。本日の登板、マウンドに立つ投手であることを諦めず、粘り続ける、上原健太の強い心と姿が確かにあった。
チャンスは掴んだ。さあ今度こそ、次が大事だよ。いつも次でこけちゃうんだから。集中力を保って頑張ってね! 上原健太よ。
ファイターズ 30勝31敗3分 鷲に追いつくはずだったが、自ら転けた。さあどうするどうする。
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