時代は巡り、移り変わるー陽ダイカンに会いに出かけて、一目も見られなかった日。ロンロンの勝ち越し2ランに、しびれた日。

64試合目 2019 6/14 F×G  5対4 札幌ドーム

前日の広島カープに続き、気合いの入った巨人ファンが続々と集まってくる札幌ドーム。入場したのは、5時過ぎ。すでにファイターズ の試合前練習も終わろうかというころ。一塁側のC指定席ーバックネット寄りからは、ジャイアンツの選手の姿は一人も見えない。

ノックが終わって出てきたのは、スターティングメンバーのみなさんだけ。

「陽くんは?」

「陽くんがいなああいいっ」

陽ダイカンに会うことを最大の楽しみにしてやってきた交流戦巨人との初戦。わたしの陽くんの姿を見ることは、ついにないままに終わった…。

試合は、有原ーメルセデスの投げ合いから、4回までファイターズ 0−3のビハインド。有原くんは、ヒットを打たれながらも抑えていたが、2アウト2,3 塁のピンチから高めの球をキャッチャーが弾くバッテリーミスで2失点。(録画で確認しましたがサイン違いのミスでした)

隣の隣の席に座るおっちゃんが「キャッチャー何やってんだ!だからダメなんだ。キャッチャー変えろ!!」と野次っている。

「キャッチャーのせいじゃねーよ」

口からつい飛び出してしまった。(もちろんそのおじさんに向かって言ったわけじゃないけど)しまった声がデカすぎた、と思ったときにはもう遅い…。隣の奥さんらしき人が引きつっている…。すんません。すんません。

気まずい空気の中、4回にもさらに1点とられてしまい。窮地に立たされるわたし。(勝手になってるだけ)

しかし、そんなわたしを助けてくれたのも有原国王様であった。以降、8回まで粘りのピッチング。そんな国王の姿に応えるように、6回裏には、前日二回のサヨナラのチャンスを逃した杉谷拳士のタイムリーで2−3に戻し、7回裏は、西川遥輝の(すごく珍しい!)ヘッスラバントヒットから、得点圏打率1割台だが、打点は44という不思議な状態の4番中田翔が、タイムリーで同点。

打席は、ワン・ボーロン。

台湾の大王と台湾のスーパースターが対峙する日。

だったはずなんですよ。今日の試合を含め、巨人とファイターズ の3連戦は。実際台湾からのお客さんも大勢来ていた。なのに原辰徳監督は、陽ダイカンをスタメンどころか代打ですら使わず、守備にもつかせなかった。

もちろん試合に勝つのが一番大事なのですから、右の主戦有原に対して陽が打てる確率は少ないと判断し、最も確率の高い打線を組むのは、正しいことなんでしょう。もしかすれば他の事情もあるのかもしれないし。

でもさあ。ここは札幌ドームなんだしさ。プロ野球は興行でもあり、ファンを喜ばせる演出、ファンサービスだって大事だと思うんだよね。「スター陽ダイカン」に会うのを楽しみしていたファイターズ ファンは、わたしだけじゃないし、わざわざ台湾からやってきたファンならなおさらでしょう。せめて一打席あったって、なんもバチは当たらないのに!

と文句ばかりが募るのは。

新しい台湾スター、ワン・ボーロンの放った打球が高い弧を描き、ジャイアンツファンの集まるライトスタンドの前方に落ちたとき。

3万を超えるスタンドの大歓声ー隣の隣のおっちゃんの姿はすでになく、さらに向こうのおじさんと応援バットでハイタッチして大喜びしながらー

ロンロンすげーーー!!最高!!凄い凄い!!

興奮で感動しながら。

もうとっくの昔に、わたしたちの陽くんは、他のチームに行ったことを知っていながら。心の片隅のどこかでファイターズ の台湾スターは陽くんだけなんだからと思いたがっていた、自分の心が。

時は巻き戻らない。

道は分かれ、違う道を歩いている。

わたしたちの台湾スターは、ワン・ボーロンになったんだ。

それが本当に交差して、誕生した瞬間に立ち会っていたんだなあって思ったら。胸がぎゅっとなった。

試合は、5対4で、ファイターズ の逃げ切り勝ち。

素晴らしいゲームでした。


今日は、陽くん出るといいなあ。こちらの先発は、ちーちゃんだけど。活躍してほしい。お願いします原監督。

ファイターズ 34勝26敗4分  貯金が8になった!













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