日本独自の製品や規格・サービスは消えて行くのか? iモードの終了を聞いて思った事
iモードも以前はお世話になりましたが、いよいよ終焉の時が近付いて来ているみたいです。
①FOMAとiモード、あと2年で終了へ
NTTドコモは3Gの携帯電話サービスだったFOMAとその前の2G(mova)時代から続いていたiモードを2026/3/31をもって終了させる予定ですが、先日改めて告知が行われ、同時に特設サイトも開設されました。
1999年にサービスを開始したiモードは2000年以降、iモードメールの爆発的普及によって一気に利用者が拡大し、さらに対応した携帯電話を用いる事によって、何処でもオンラインサービスが受けられる事から、国内でのネット環境を大きく塗り替えたサービスとなりました。
その後movaとして親しまれて来た2Gから3Gへ移り変わってからもiモードは進化を続けて来ましたが、2009年にスマホ時代の幕を開けたiPhone3Gが発売され、さらに2010年にはスマホの利用が前提となる4Gの携帯電話サービスも始まりました。
その結果iモードは4Gへの移行に合わせて一気に衰退し、3Gの携帯電話サービスと共にその役目を終える事になりました。
ここまでiモードの経緯について簡潔に説明致しましたが、iモードが利用できた3Gは国内でも国際標準規格(NTTドコモはW-CDMA方式を採用)を採用していたのに対して、iモードは海外ではあまり広まらず、国内でのサービス提供がメインとなっていました。
加えて国内で流通していた携帯電話は海外で広く流通している携帯電話と仕様が大きく異なり、サービスを含めてガラパゴス的な方向へ進んだ事から、次第に「ガラケー」と呼ばれるようになってしまったのは皆さんご存知の通りかと思います。
②消えて行く日本独自の規格やサービス
さらに実はかつて世界屈指の技術大国だった日本では、これまで様々な新製品やサービスが次々と世に出たものの、海外発の新製品やサービスに押されて衰退、もしくは国内のみはある程度普及したものの結局消えてしまった物が数多く存在致します。
例えばiPadや音楽のダウンロードが普及する前はミニディスク(MD)が広まっていましたし、前述した3G携帯電話サービスの後期で広まったワンセグも4G対応のスマホへ受け継がれましたが、現在はほぼ対応機種のリリースは無くなっています。
またこちらは日本独自の製品や規格・サービスでは無いかもしれませんが、特定の規格やサービスを全世界で統一しようという動きも見られるようになって来ました。
特にゲーム業界ではそのような流れが顕著となって来ており、海外展開を見据えたソフトのマルチ販売が加速する一方で、その流れに対応できないゲームハードやサービスはどんどん無くなりつつあります。
他にもかつては様々な種類が有ったメモリーカードも次第にSD/microSDへまとめられるようになり、同じく様々な形状が存在していた接続端子も近い将来USB TYPE-Cへ統一されるでしょう。
③今も広く使われているあのカードも…。
このように国際標準にならなかった日本独自の製品や規格・サービスは利用していたユーザーの減少やコスト面などの問題によって今後も撤退・縮小が続くと思われますが、それでもしばらくは安泰だと思われた物が有りました。
それはSuicaやPASMOなど交通系ICカードを中心に国内で広く使われているFelicaで、現在は鉄道などの公共交通機関への乗車に限らず、電子マネーとしても幅広く使われています。
iPhoneもわざわざFelicaに対応させるなど特に大都市圏では最早生活必需品となった存在ですが、近年は関連サービスの終了が相次いでいる上に、Apple社の方針次第ではFelicaを取り巻く環境が大きく変わってしまう可能性も出て来ました。
さらに最近はキャッスレス決済の普及に加えて全国各地で導入された独自の交通系ICカードもシステムの老朽化が進んでおり、一部の地域では独自のICカードを止めて全国相互利用が可能な交通系ICカードへ切り替える所も出て来ましたし、その一方でQRコードを使った新しい乗車サービスも台頭しつつあります。
しかもSuicaやPASMOなどの交通系ICカードは初期導入費用がかなり高いので、今後はあまり大きくは広がらず、改札機などを更新するタイミングでよりコストが安い新しい乗車サービスへシフトする可能性も十分考えられそうです。
日本独自の規格・サービスとしては最後の砦になりそうなFelicaでしたが、こちらも少しずつ終焉の時が近付いているような気が致しますね🤔。