ベーコンオムレツバーガーのお話
時は2002年。
大学生になった18歳の私は、初めてのアルバイトをするべく仕事を探し始めました。
新しくオープンするスタバやおしゃれなカフェなどの面接を受けましたが、そういうのは倍率がものすごく高いので太刀打ちできず。
やっと受かった渋谷のちょっとおしゃれな居酒屋は、終わる時間が遅すぎると親の反対にあって働けず。
1ヶ月ほど仕事を探したのち、都内のフレッシュネスバーガーで、早朝から大学の授業が始まる時間まで健康的に働くことになりました。
初めての接客業
店員として「いらっしゃいませ」や「ありがとうございました」を言うことも、コーヒーやハンバーガーを席まで運んでテーブルに置くことも、レジで注文を伺うことも、金銭のやり取りをすることも何もかも初めての私。
地声とはなんか違う声で「いらっしゃいませー!」と挨拶をすることがまず難しいし、次に何をしたらいいのか一瞬で判断できずテキパキと動くこともできない。
職場の人は皆年上の大学生やフリーターで、仕事にとても慣れている人たち。
そんな優しく厳しい先輩方に手取り足取り教えてもらい、私は仕事を覚えていったのでした。
初めての調理
フレッシュネスバーガーには、店名にもなっている「フレッシュネスバーガー」という商品があります。
ビーフパティ、ミートソースとマヨネーズ、厚切りトマトが挟まれているバーガー。
そのトマトをカットして仕込むのですが、18歳当時の私は、人生でほぼ包丁を持ったことがない人間だったのです(小学生の時から、学校の調理実習は誰かが作ってるのを見て食べる専門だった…)。
そんな私がトマトを均等な厚さにカットする。
…やってみたら意外とできるじゃん。
どうせ不器用な私には料理なんてできないし。って、なんで今まで包丁を持つことを頑なに拒んでいたんだろう。と思いました。
その他にも当時のフレッシュネス(現在はどうなんでしょう?)は結構調理するものが多く、例えば「ベジタブルスープ」は野菜を細かくカットしてバターで炒めて、フレッシュネス特製の冷凍されたスープの素で煮込んで作っていました。(これがまた独特な風味でおいしい!家じゃ出せない味。)
「バナナケーキ」は材料から全て計量して混ぜ合わせて作る完全なる手作りのパウンドケーキで、作る人によって膨らみ方が違っていました。
お菓子作りはごまかしが効かないですからね…。
何度作っても、ケーキがういろうみたいになっちゃう先輩もいたなぁ。
そして「ベーコンオムレツバーガー」。
挽肉と牛乳入りの卵液を鉄板で焼いて4つ折りにして、ベーコンも鉄板でほどよく焼いて、レタスと共に挟みます。
手作り感あふれる、でもなにげに手間のかかるハンバーガー。
それがとてもおいしくて、しょっちゅうまかないで自分で作って食べていました。
そんな感じで料理とは言えないまでも、初めての調理経験を積むことのできたアルバイト。
接客も楽しくて、無事に地声とはなんか違う声で挨拶することも覚え、忙しい時間帯も要領よくテキパキと働く術を身につけることができました。
土地柄なのか、芸能人も何人か来たなぁ。
上のスタッフのごたごたが多くて1年ちょっとでやめてしまったけれど、料理=私には縁のないこと、の意識を少し変えてくれたお仕事でした。
またベーコンオムレツバーガー食べたいな。
つくばにもあるので、今度行ってみようかな。