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女性社外取締役は必要なのか①

法政大学でアントレプレナーシップの教員をしております姜理惠(カンリエ)です。
今日は、女性の社外取締役について、お話ししたいと思います。
かくいう私も、ある上場企業で社外取締役をしてもう3年目になります。
普段、社外取締役として考えていることも交えて、少し書いてみようと思います。

女性の社外取締役が増えている現状

有名なタレントさんやアナウンサーの方などが、有名企業の社外取締役に着任したなんていうニュースを時々見聞きします。
上場企業では、2021年にコーポレートガバナンス・コードが改定され、多様性の確保や企業の持続可能な成長を促進する観点から、取締役会におけるジェンダーバランスの改善が求められるようになったのが、最近こうしたニュースをよく聞く最も大きな理由の1つではないかと考えます。

内閣府男女共同参画局ウェブサイトによると、2022年、日本の上場企業における女性取締役の割合は約10%だそうです。2012年から2022年の10年間で5.8倍に増えたとはいえ、人口の半分は女性なんだからまだまだですよね。

女性社外取締役に期待されていることって何なんだろう

男性だけの取締役会って今時どうなのっていう問題意識はもう共有されていると思いますが、そうは言っても企業は営利目的の組織です。前述のガバナンスコードの問題はさておき、実際、利益に直結するという観点から企業が女性社外取締役に期待しているのは、「多様な視点の提供」でしょう。
いうまでもなく取締役会は、経営判断や戦略策定の意思決定機関です。その意思決定が男性だけで行われること自体、リスクです。
本来であれば社内の女性取締役がその場にいるべきですが、ご存知の通り日本企業ではまだ下から上がってくる女性役員はごく少数。
そこで、手っ取り早く?でもないと思いますが、社外取締役というポジションで女性が参画することが、経営の質を向上させると期待されているのだと私は理解しています。

このあと、続けて女性社会取締役の学術的意義や、私自身の経験もお話ししてみようと思っています。

姜 理惠 法政大学デザイン工学部教授

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