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「将来伸びる子ども」を育てる家庭教育 – 大学教授が考える重要なポイント

18歳、大学生になった時点で人間性はほぼ完成している

大学教員として日々感じていますが、18歳で大学で学生さんに出会った時点で、人としての基本はもう、ほぼ完成されています。
そこから自身の努力で勉強したり社会で学んだりして、社会人として世に巣立っていきます。
その学びの原動力は、まさに人間性。学ぶ気があるかどうかは、学生次第。
そう考えると大学教員ができることはあまり多くないと思うこの頃です。
もっと小さい時から主体性を学んで欲しいと感じることがあまりにも多く、子どものアントレプレナーシップ教育に切実な関心を持つようになりました。
今日はその立場からお話しさせていただきます。

1. 伸びる学生ってどんな子?

大学ではいろんなタイプの学生と出会いますが、「自分で考え、学びを進められる」学生が特に成長を見せます。こうした学生は、幼い頃から好奇心や挑戦心を育まれ、失敗を恐れない姿勢を家庭教育で学んでいるとの経験的知見を持っています。実は、この成長には心理学的な裏付けもあります。

学術的根拠:心理学者ライアンとデシの「自己決定理論」では、子どもが自ら選んで学ぶ「自己主導性」が重要とされています。この力は、内側からのモチベーションを育て、長期的な成長に繋がります(Deci & Ryan, 2012; Ryan & Deci, 2000)。

伸びる学生の3つの特徴

• 好奇心旺盛で、自分からさまざまな分野に興味を持つ
• 失敗を恐れずにチャレンジできる
• 目標を持って進んでいける

こんな学生さんは大学4年間をかけがえない時間にして社会に出られるなと感じています。これは大学で成長するための基礎体力でもあります。

2. 家庭教育で大切なこと

家庭でのちょっとした関わり方で、子どもが大きく伸びるきっかけを作れることを、経験的に発見してきました。親御さんが日常生活の中でできる工夫には、次のようなものがあります。

学術的根拠:心理学の研究によれば、日常の出来事について親が「なぜそう思う?」などの質問を投げかけることで、子どもの批判的思考と好奇心が育まれると言われています(Vygotsky, 1978)。

家庭教育のポイント

好奇心を引き出す会話:何気ない会話の中で、子どもが考える機会を提供してみてください。「どう思う?」「なんでだろう?」と問いかけて、自分なりの答えを出すサポートをしましょう。

自立を促す経験:日々の小さなこと(例えば家の手伝い)で責任を任せると、自立心が育まれます。失敗しても、解決方法を一緒に探すことで経験になります。

失敗しても次に進める姿勢:失敗は成長の一歩と捉えたいですね。「次どうする?」と声をかけると、チャレンジ精神が育ちます。

3. 未来で活躍できる人材とは?

これからの時代、活躍できる人材には「柔軟な思考力」「異文化理解力」「協働する力」が必要です。これは、社会学や経済学の分野でも重要視されています。
世界的な教育学者トニー・ワグナーも、「グローバル化が進む世界では、複雑な問題解決力や協働する力が重要」と再三指摘しています。
こうした力は、幼い頃からの社会性や好奇心から生まれると言われています。

柔軟な思考力:異なる視点を理解し、解決策を考える力。
異文化理解力:多様な人々と協力できる力。
協働する力:チームとして目標を達成する力。

このように、日常生活の小さな取り組みが、子どもの未来を支える力となりえます。毎日少しの工夫を重ねて、は将来社会に羽ばたく翼を育てて差し上げてください。

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