Don't think! Feel.愛は現場で起きている|助産師のマインドフルネス
一般社団法人U-me代表・助産師でMBSR講師のリエです。
毎週朝土曜日は、母親アップデートコミュニティのマインドフルネス部で『自分を解き放つセルフ・コンパッション』読書会を開催しています。
今日話題に出たのが「愛」。少し熱く語ってしまったことについて、シェアしたいと思います。
愛って、あってもなくても生きていける、デザートのようなものと思っていませんか?私は、助産師としてマインドフルネス講師として、愛については、ひとこと言っておきたいことがあります。
それは、愛は概念じゃない。あってもなくてもいい、そんな甘っちょろいものではない!ということです。
愛は、人間に生来プログラミングされている、生きるための、生理的に欠かせない事象です。つまり、愛がなければ、人間は発生せず、生まれもせず、育たず、生き続けることもできないということです。
人間の命はセックスで精子と卵子が出会うところから始まります。例外はあるにせよ、セックスは愛の営みです。スキンシップやオーガズムは大量のオキシトシンを分泌させます。オキシトシンは愛情ホルモン・幸せホルモンと呼ばれていて、愛情や幸せ・心地よさを感じたら分泌され、分泌されることでさらに愛情や幸せを感じるように作用します。
この愛情ホルモンオキシトシンは陣痛を起こすホルモンです。これも例外はあるにせよ、陣痛がなければ赤ちゃんは生まれてきません。陣痛がどれだけ大きなエネルギーか、出産した方はわかると思います。子宮の中から3kgの人ひとりを押し出すエネルギー。私は体の中で、かめはめ波が放出されてる位の衝撃波を感じました。オキシトシンってすごいんですよ。ラットにオキシトシンを投与すると、同じゲージ内の他のラットのストレスホルモン値が下がるんです。なので、赤ちゃんは、陣痛を起こす愛情ホルモン・幸せホルモンであるオキシトシンのシャワーを浴びるようにして、分娩のストレスから守られて、生まれてくるのです。
オキシトシンは母乳を出すホルモンでもあります。母乳育児をしていると、赤ちゃんの寝顔をみて「きゅん」とするだけで、蛇口をひねったように母乳が湧き出てくることがありました。これはミルク育児を否定しているわけではなくて、人間は愛をエネルギーとして育つ、体のしくみになっているということです。
恐ろしく悲しい、有名な実験があります。
これらの実験は、人間が愛のあるコミュニケーションがなければ生き続けることができないと示唆しています。これはすなわち、今あなたが生きているのは、誰かに可愛がられ、愛された経験があるということです。たとえ完璧な愛ではなかったとしても、確かにそれがあったから今生きているのです。
現代社会では、愛し合うことを「タイパ・コスパが悪い」「リスクがある」ということで避ける人が増えているということですが、私は声を大にして言いたい。愛はそんな甘っちょろいものではないと。
愛は概念ではない。どこか崇高な世界だけに起こるおとぎ話でもない。いまこの瞬間、現場で、あなたの身体の中で起きています。
男女や母子の愛だけが愛なのでもありません。例えば布団に入って心地よいと感じる時、植物に水やりをする時、美味しいものを食べる時、そこに愛は起きています。
Don't think! Feel.(考えるな!感じろ。)
愛は理解するものではない、感じて、体験するもの。愛の力で、めいいっぱい生きよう!
だから私は「体験する」「感じる」ということをするマインドフルネスを実践し、それを皆さんと分かち合いたいと思うのです。マインドフルネスをしていると、愛の感度が高まり、それが生きる力になっていると感じています。
愛がなければ、人間は発生せず、生まれもせず、育たず、生き続けることもできない。こんなに美しく完璧なプログラムが他にあるでしょうか。私達はそのプログラムに生かされているのです。
昨日はじまった、大阪市子育て支援拠点でのマインドフルネス講座。食べる瞑想や呼吸瞑想をしている間は落ち着かなかった赤ちゃんと、それを気にしながら参加していたお母さんたち。「赤ちゃんに100%注意を向ける」プラクティスで赤ちゃんの頭のてっぺんから爪先まで、ビギナーズマインドで赤ちゃんを観察してみました。驚いたことに、すべての赤ちゃんが落ち着き、最後には多くの赤ちゃんが眠ってしまいました。落ち着いたのは赤ちゃんだけではなく、お母さんたちも。
心が震えました。マインドフルネスが生み育てる人の力になる。そう確信した瞬間でした。
子どもを迎えたい人、生み育てる人、そのサポートをする人、愛を感じたい人。私と一緒にマインドフルネスをしませんか?
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