林 理永

神奈川・葉山にて、「調律」という名前で施術をしています。

林 理永

神奈川・葉山にて、「調律」という名前で施術をしています。

最近の記事

生命をつかって、うたっている

大好きだったエッセイや小説を、つい最近になってまた読むようになった。 奥底から心を取り出して、記憶を取り出して書く彼女たちの文章は、まさに「生命をつかって書いている」という感じがする。 削って、いるわけではない。 だって、書くことは生命をつかうけれど、またその息吹を再生することでもあるから。 だから、つかってもつかっても、きっと枯れることはなく、そこでまた変容しながら、違う生命として咲いていくようなものだと思う。 客観と主観と、具体と抽象と、芯とゆらぎ。 そんな静かな

    • 素直を出し切った先に

      私は物心がついた時から「お姉ちゃん」だった。 3つ下の妹が生まれ、5つ下の弟が生まれたあたりで、寺の嫁として忙しく働いていたお母さんを助けなければ、と5歳にして姉としての責任を自ら背負いあげたらしい。 実際に、私のお姉ちゃんとしての素質はきっと相当なもので、(妹と弟に言わせれば、相当スパルタだったらしいけれど) 周囲の大人の誰からも「理永に任せておけば大丈夫」と信頼されて、頼りにされた。 私はそれが誇らしくて、自分で自分のことも信頼していくことができたし、幼少期の経験と

      • 行方知れず

        水溜まりを打つ雨が波紋をつくる。 一粒一粒がつくる波紋が、現れては消えていくのを眺めている。 その波紋たちは互いを受け入れながら、自身の正確な輪の形を咲かせ続ける。 日曜日の夕方、さっきまで雷が鳴っていたのに、急にオレンジ色の夕陽が顔を出して、波打つ水面が明るく染まる。 そうだった。私が捉えたかったのは、そういう世界の繊細な働きのことで、私が表したかったのは、その視点に宿る、一人っきりで密かに感じる甘美な思いのことだった。 本当は書きたかったのに、きっと、その言葉の行

        • すべては神事のように。

          紅葉が美しく煌めく、軽井沢の森のなか。 内側から、根本から、概念を覆された。 先日、11月初旬の昼下がりに体感したことが素晴らしすぎて、言葉にするまでに時間がかかってしまった。 私はこれまで、地球の、人間としての本当の楽しみ方を、全くもって理解していなかった...。 ーーー ぽかぽかとした陽気が木々を包む。 凛とした、ほかのどの地域とも違う澄んだ空気が漂う軽井沢で私たちを迎えてくれたのは、「かほりとともに、」を主宰する沙里さん。 初めてお会いしたけれど、とってもキュ

        生命をつかって、うたっている

          女性たちが豊かに生きていくために必要なモノとは?

          前回の記事「新しい滑走路をつくる。」をお読みいただいた方々、ありがとうございました。 女性たちがいまだに受ける理不尽に、どうしても我慢ができなくなって、その感情のままに書いた文章でしたが、多くの方にいいねをいただき、感謝しております。 今日は、そこから先の話を書いていきたいと思います。 そんな理不尽な現実が、実際に、ある。 でも、その現実を嘆いているばかりでは、怒っているばかりでは、何も変わりません。 では、女性たちが本当に豊かに生きていくために必要なモノは何なのか?

          女性たちが豊かに生きていくために必要なモノとは?

          新しい滑走路をつくる。

          変えるべきは何か? 私はいま、とても静かに、だけど猛烈に怒っている。実際に私の大事な友人たちを傷つけた男性たちに対しても、弱者を蔑ろにしたまま、そのまま成長し続けてきた、この社会に対しても。 --- 先日、光栄なことに『SMITHBOOK PROJECT』というプロジェクトで「現代の職人」として取材を受け、それが実際のハードカバーになって、全国の書店で発売された。 その取材は、「私」について深掘りしてくれる、それはそれは素晴らしいものだったのですが(ありがとうございます

          新しい滑走路をつくる。

          数学とかアートとか(ピアノとか)

          『はじめアルゴリズム』という漫画に出会った。 母になってから知り合った、この世界の新鮮さを思い出させてくれる大切な“ママ友”から教えてもらった。 1巻の前半で泣いてしまったのは、 小学1年生の頃の私に戻ったような気がしたから。 ここから世界を捉え直せると確信したから。 『君は数学にとって重要なものが何か分かるか? -情緒だよ。  美しいものを美しいと感じるこころの目。情緒とは「世界」と「自分」の間に通された道のようなものだ。情緒を通して「問い」が開く。」 (『はじめアル

          数学とかアートとか(ピアノとか)

          野性で生きる

          6月9日、ロックの日に、33歳になりました。 ということで、33歳の抱負でも記しておこうかな。 今年の3月に葉山町に越してきてから、日常生活にも、私の気持ちにも、大きな変化が続いております。 まず、イライラが減った。早寝早起きになった。ご飯を食べる量が減った。呼吸が深くなった。ゆったりできるようになった。仕事への執着がなくなった。謎の焦燥感も少しずつ減ってきた。虫が苦手じゃなくなってきた。 これは、自然がすぐそばにあって、思い立ったらすぐに海に行けるから、というのが、そ

          野性で生きる

          “ハハ”プロジェクトって?

          「何してるんですか?」とよく聞かれるので、まず最初に記しておこうかと思います。 私は、2018年8月、「88PROJECT(ハハプロジェクト)」という団体を立ち上げました。8月8日に、立ち上げの表明をしたりしました。 なんだか母代表みたいな名前をつけてしまったな〜と、最近よく思っては、あらま〜、みたいな気分になるのですが、それはさておき。 本当の由来は、私が1988年生まれだからです(笑) 88という数字がなんだかいいなぁと思っていて、 最初に「こんなプロジェクトを立

          “ハハ”プロジェクトって?

          複雑なことを複雑なまま。

          noteの更新をしたいな〜と思いながら、家事や育児や、引っ越しや仕事のあれこれで時が過ぎていくのだけれど、頭のなかは相変わらず忙しいので、それを少しずつ少しずつ、ここに書き留めていきたいな、と思ったので、また更新を始めようと思います。 思えば、私が読んでいる皆さんのnoteの記事があまりにも素晴らしくまとまっていて読みやすいので、それを受けて自分で勝手にハードルを上げてしまっていたのかもしれません。 編集者という職業柄、まとまってもいない、結論もない、素敵な見た目でもない

          複雑なことを複雑なまま。

          「#保育園落ちた」を根本的に解決するにはー子育てもサステナブルに。

          こんにちは。 88PROJECT(ハハプロジェクト)代表の林理永です。 保育園の通知の時期ですね。Twitterでは「#保育園落ちた」のハッシュタグが、毎年恒例のようにトレンド入りしています。そこに書いてあるのは、落ちた方々の絶望の叫び...。 保育園落ちて仕事復帰できない、会社を辞めざるを得ない、政府への怒り、#無償化より全入 ...。 「待機児童」と一括りで言われても、そこには、各家族の生活があり、一人ひとりの人生がある。 本来ポジティブで幸せなはずの子どもを産み

          「#保育園落ちた」を根本的に解決するにはー子育てもサステナブルに。

          「88PROJECT(ハハプロジェクト)」ができるまで

          初めましての投稿をしてから、全く書けずに、2019年1月も半ばに...(笑) 育児しながら色々していると、1日ってこんなに一瞬で過ぎるものだっけ?と、ビックリしますよね。 遅ればせながら、明けましておめでとうございます。 そして、初めまして。 私は 「88PROJECT(ハハプロジェクト)」という、お母さんのための新しい環境づくりをすすめるプロジェクトの代表を務めている、林 理永(はやし りえ)と申します。 88PROJECT(ハハプロジェクト)は、「共同保育/共同教育

          「88PROJECT(ハハプロジェクト)」ができるまで

          はじめまして!

          はじめまして。 「共同保育/共同教育」を軸に、お母さんのための新しい環境づくりを進める「88PROJECT(ハハプロジェクト)」を主催している、林理永と申します。 出産前までは、フリーランスで編集ライターをしていて、雑誌やWEBをはじめ、カタログ広告、書籍やイベントまで、いろんなものを編集してきました。 noteでは、88PROJECTの「実験」の報告を含め、これからの時代の働き方と子育てについてや、日頃考えているテーマについて自由に書いていこうと思っています。 よろ

          はじめまして!