Winter Morning
長野のお寺で録音された、"Temple Recordings" ニューアルバムレコーディングライブ配信を記念して、今週は毎日、収録曲にちなんだ物語を綴っていきます。
配信は12/6まで、チケット発売中→ https://eplus.jp/riefu-st/
イギリス・サリー州の可愛らしい田舎町。木々の蕾が、毎日少しずつ、確実に変化していく季節を物語る。冬になると粉砂糖のように野原に霜がおりて、すっかり葉っぱが落ちた枝がグレーの空に伸びていく。
こんな寒い朝は、車のヘッドライトも、寝ぼけ眼のままガレージから出てきたように、まだ薄暗い道路を照らす。
16世紀から全く変わらない小さな町の、石畳の通りに、築500年の家に住む。1月の誕生日は、電車でロンドンまで行き、サマーセット・ハウスの屋外スケートリンクに行く。スケート好きとしてロンドンのあらゆるスケートリンクを試してみたが、雰囲気も氷の質も、ここが一番だ。
季節の変化に敏感なのは草木だけでない。冬の澄んだ空に、コマドリのさえずりが響く。オレンジ色の胸をした、小さな丸いコマドリがとまる梅の木には、もう蕾が咲き始めている。
… ある冬の日常を切り取った一曲。
Winter morning
chestnut tree, reaching fingertips
To the foggy sky
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