【起業日記④】オンラインショップの開設。好調なスタートから、急転落(2012)
前回のお話はこちら。
2011年11月、大量発注した布おむつを売るため、帰国と同時にホームページ作りの勉強を始めました。「はじめてのホームページ開設」という本を片手に、自力でサイトを作り上げたのが2012年1月。決済機能も追加し、布おむつのオンラインショップ「エストランセ」がオープンしました。
オンラインショップを開設しても、布おむつを探している人の目に止まらないことには買ってもらえません。ここから独学でSEOを学び、サイトのコンテンツを更新しながら「布おむつ」で検索した時に4位に表示されるまでになりました。
いきなり、売れた!
サイト開設から1ヶ月を経た2012年2月。ついに布おむつが売れました。東京在住のお母さんで、なんと3万円も買ってくださいました。今思うと、どこからどう見ても素人が作った怪しさ満載のサイト。よく買ってくれたなと思います(笑)。
そこから売り上げはゆっくりと、でも確実に増えていきました。布おむつに関する記事を書き続け、SEOで検索順位をあげる。この繰り返しで月の売り上げは5万、10万、20万と右肩上がりで伸びていきました。
検索順位1位から圏外への転落
布おむつの順調な売れ行きに気が大きくなった私は、新しい施策に乗り出しました。それは「被リンクを買う」ということです。
当時、SEOの世界では「順位をあげるには被リンクが重要」というのが通説でした。要は、どこかのサイトからリンクを貼られている(=被リンクを獲得している)サイトは信用度が高いと判断され、順位が上がりやすくなるということです。そしてこの通説通り、世の中には被リンクを売ってくれるサービスが出回っていました。
被リンクを大量に購入することでサイトの信頼性が上がり、順位はさらに上昇する。そう判断した私は被リンクの大量購入に乗り出しました。結果、布おむつのSEOで念願の1位を獲得することができました。
しかし、売り上げがさらに伸びると喜んだのもつかの間、Googleのアップデートというまさかの事態が訪れました。被リンク購入という本質的ではない施策の横行をストップするためにGoogleが検索のアルゴリズムを変えたのです。
被リンクを大量購入していたエストランセは、このアルゴリズム変更により瞬く間に検索圏外へと転落しました。検索1位から圏外へ。これは銀座の一等地から地球の裏側の国に出店場所を変更するほどのインパクトでした。
エストランセ.comとの決別
どんなに頑張って記事を更新しても順位は一向に回復しませんでした。被リンクを買うという行為は当時、大手企業も積極的に行っていた施策ですが、本質的にユーザーファーストの施策ではありません。ラクをしてサイトの評価をあげようとしたツケが回ってきたのだと猛省しました。そして大量にされた被リンクは外しきれず、エストランセ.comは捨てるしかないという決断に至りました。
結局、エストランセ.jpというドメインを新しく買い、サイトを一から作り直すことにしました。そしてさらに残念なことに、苦労して構築したエストランセ.comというサイトはその後見知らぬ誰かに買われてしまいました。
この経験から私が学んだことは二つ。
①ズルをしてはいけない
②ドメインは捨ててはいけない
捨てたことで他の人に買い取られてしまったエストランセ.comはもう戻りません。エストランセ.jpとして、ズルをせず愚直にやり直すしかありませんでした。
次回へ続く。