楽語を知る【速度用語①】
今日は基本的な速度標語を覚えましょう。
曲の冒頭にある楽語では、その曲のテンポやスタイル(例えば○○風にとか)、表現に関するものがありますが、そのうちの「テンポ」に関する楽語を取り上げます。
1.速度標語【基本の8種類】
前回書きましたが、一つ一つ覚えるのではなく、まとめて覚えていくのがポイント!
基本の速度標語(イタリア語)は、
8種類!順番も含めて丸暗記です!!
♪♪やってみよう♪♪
下の写真のように、紙に「L L A A M A V P」と縦に書いてみましょう。
これが8種類の速度標語の頭文字、テンポは「遅~速」の順になっています。
頭文字の続きを埋めて、8つの速度標語を全て書いてみましょう。
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できましたか?
正解は、下写真。
スペルが書けたら、それを見ながら発音してみましょう。
Lento レント
Largo ラルゴ
Adagio アダージョ
Andante アンダンテ (「歩くような速さで」とよく入試には出る)
Moderato モデラート
Allegro アレグロ
Vivace ヴィヴァーチェ
Presto プレスト
いつもこの基本の8種類が全て出てくること、書けること!
これが覚えられて、もう一歩覚えられそうだという人は、
上の写真を参考に、ドイツ語とフランス語の速度標語も一緒に覚えてしまいましょう。
最近は音大入試でも、独語、仏語の楽語が出題されることがあります。
またロマン派以降は、作曲家の自国語での表記もしばしばみられます。
何種類もあるのですが、まずはよく使う(またはよく出題される)ものだけ覚えましょう。「遅い」「中くらい」「速い」グループに分けて、イタリア語と照らし合わせて覚えます。
書いてみると、スペルも似ていることが多いから覚えやすいかも!
2.付加語
速度標語に加えて、意味を強めたり弱めたりする「付加語」を覚えましょう。
これも、たくさんあるようでいて、まず意味を強める「プラス」グループと、意味を弱める「マイナス」グループと、その他で3グループに分けてしまい、その中でまとめて覚えていけると良いと思います。
対義語だったり、対で覚えられるものは、同時に覚えること。
例:molto vivace きわめて速く
piu lento より遅く(より+に遅く→より遅く)
Allegro ma non troppo 速く、しかしはなはだしくなく
3.接尾語
イタリア語の基本速度標語の語尾に「-ssimo」(きわめて)や「-etto」や「-ino」(やや)をつけて意味を強めたり弱めたりすることもできます。
これらの接尾語は、それぞれの速度標語に何でもつけていいわけではなく、それぞれにふさわしいものがあるので確認しておきましょう。
(下の写真参照。「Andantino」だけが「-ino」を用いますね。)
ここでも、スペルを見て発音する、ということが覚える一番の近道だと思います。
例:presttissimo きわめて速く(prestoより速い)
adagietto やや遅く(adagioより遅い)