2024年8月27日
昨日のこと。
ぴっとりと暑さがまとわりつく灼熱の夕方。
外に出た瞬間、汗が吹き出して頭が朦朧とする。
ヒィヒィと自転車を漕いで息子を保育園に迎えに行く。
一刻も早くクーラーの効いた涼しい家に帰りたい。
夕飯作りも控えている。
息子の遊びの相手をしながら、諸々の家事を済ませるための体力も残しておかなくてはならない。
しかし、息子はそんな母親の気持ちなど知らない。
灼熱の暑さの中、一目散に砂場へとかけていく。
「ああ…」
絶望。
お砂で遊ぶ気満々の息子を無理に担いで自転車のシートに押し込むと、泣いて暴れて注目を浴び、心も体も余計に疲弊することがわかっているので、「じゃあ」と仕方なく息子の要求を飲む。
「長い針が9になるまでならいいよ、それまでたっぷり遊んでね」
と、さも懐の深い母親を装いつつ、
「ママが行くよって言ったら行くからね!」
と、念押しする声の語気は荒くなり、知らず知らず化けの皮が剥がれている。
全て暑さのせい。
心でため息をつきながら息子の遊びを見守っていると、息子のお友達のお母さんがやってきた。
「暑いですね」
うんざりした声で話しかけると、
「でも、風は涼しくなったし、日陰は出てるし、これならまだぜーんぜん良いかなー」
と、朗らかなお母さん。
なんて心の広いお母さん!
たちまち、自分のしんどさにばかり囚われていた自分のことが恥ずかしくなる。
私なんて、一瞬で砂まみれになった息子の洋服の洗濯のことだとか、嫌がる息子を説得してから始まるシャワーの必要性だとか、これから訪れるであろう煩瑣な仕事を想像しては憂鬱になるばかりだったのに。
あ、私、疲れている。
息子の友達のお母さんは、今日たまたま体力が余っていただけだろう。
夕飯作りも終えていると言っていたし、だからこんな太平洋ほどもある広い心で我が子が砂に塗れていくのを見守ることができるのだ。
それなのに、較べても仕方のないことをわざわざ掴まえて「あーだこーだ、なんて私はダメなんだ…」と自分から凹みにかかる。
これって、疲れているからだ…。
7月から始まった殺人的な暑さに体がやられてしまっているからか。
起きている間中延々と続く息子のイヤイヤにうんざりしているからか。
はたまた、締切りのある創作物に全く手をつけられていないからか…。
全部だろうな。
だから、今日は気分を変えるためにコメダ珈琲にやってきた。
家の中には、くたびれ果てた私の分子が空気中に漂い、充満してしまっている。
日常から、逃げ出さなければ。