【本】『あなたのための短歌集』の会をしました
私はときどき同じ学習支援をしているボランティアの方と、お勧めの本を持ち寄る読書会をしていて、前回、木下龍也『あなたのための短歌集』をKさんが紹介してくださいました。収録の作品をいくつか紹介してくれて、それについてもっと話したくなったので、この歌集を好きだという同じボランティア仲間のSさんも含め、3人でこの歌集について話す会を開催しました。
木下龍也『あなたのための短歌集』は、依頼者からメールで届くお題をもとに、木下さんが依頼者のためにつくった短歌を集めた短歌集です。
好きな3首を選んできて、選んだ歌を中心に話す流れにしました。選ぶのはワクワクしながらも大変でした~。当日は、私とKさんが1首かぶったので、8首の短歌について話しました。すっごく楽しかった~。KさんSさんありがとう!
この日話した8首のうち、3首について書き留めておきます。
選んだのはKさんです。「口ずさんだら気持ちいい」とのことで、あーほんとだ~と思いました。「鶏肉が一番好きだ」とも。スーパーでは部位ごとに売られていて、もともと鶏だったことは思い出さない。Kさんは歌集をたくさん持っていて、選んだ歌に絡めてほかにもいろいろと短歌を紹介してくれました。
「またにわとりになる」って不思議だなあと思います。私は死んだら在りし日の会いたい姿で会いたい人に会えると思っていますが、そういうのってよく考えると不思議ですよね。
選んだのはSさんです。この歌とWBCの最中に出会い、モニターの中の試合を手に汗握りつつ見ていたことを思い出すとのこと。「自分の人生を肯定してくれる短歌」というお題から、この歌が生まれたことに胸が高鳴ります。漫画を読み終わった後の熱さと「救う」「主人公」が呼応して、これはエモいです。創作物に対するリスペクトも感じる。
別の時にSさんが、自分の仕事を「誰かの何かに光を当ててそれが在ることを知らせる仕事」とたしかそんな感じのことを言っていたことを思い出し、なんとなくお題を送った方と繋がる気がしています。もちろんいい歌だと思いましたが、実は私には眩し過ぎて選べなかった歌なんですよね。Sさんの話が聞けて良かったな。
表紙カバーに作中のどれか一首が載る、ナナロク社の素敵装丁ですが、私はこの一首に飛びつきました。
お題を送った方が高校の美術の先生で、デッサンの静かな時間や鉛筆が紙を滑る音、窓から差し込む光、石膏像の陰影が思い浮かびます。
私は「先生」は先に生まれた者と思っていますが、先生は後から生まれた者に陰を、見えにくいものを見つめるための時間を、与えることが出来る人のことを言うのではないかと思いました。一番ドキドキした歌なので、この歌を選びました。KさんとSさんに話を聞いてもらえて、話が聞けて本当に良かったです!
こういう遊びを一緒に楽しんでくれるトモダチがいるというのはいいものですね!
もしよろしければ、補足もよろしくどうぞ!