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いちばんのコーヒー/冬の目標

今朝は秋らしい、いい天気だった。
先週行った飯田の町から見た山々はまだ紅葉していなかったが、ここ数日の朝夕の気温の下がり方からすると今週末には秋本番を迎えるだろう。というか、もう初冬か。

冷え込みが厳しい季節になるとコーヒーが一層美味しく感じられるようになる。僕の独断で申し訳ないが、コーヒーの本質はホットコーヒーに宿っていると思う。

誤解を招くといけないので予め断っておくが、アイスコーヒーが邪道だと言っている訳ではない。アイスコーヒーにはそれ相応の領分がある。それがコーヒーの本質云々というところではない、というだけのことだ。

なぜホットコーヒーなのか、を説明する方が良いかもしれない。

◎まず豆の銘柄。
ホットコーヒーでは浅煎り~深煎りまで多種多様な豆を使うことができる。(浅煎りの豆でアイスコーヒーは酸っぱくて美味しくない。もしかするとそれが好きな人もいるかもしれないけど、基本は深煎り。)

◎香り
単純な物理としてホットコーヒーは香りが立ちのぼりやすい。湯気にのって運ばれる香りはコーヒー好きを魅了する。

◎器具
コーヒーを淹れるための器具にはかなりいろんな種類がある。ケトルやドリッパー、ミル、エアロプレスなど拘りだしたら止まらない?
※実はそんなことはなくて、自分の理想がハッキリしていれば選ぶべき器具は自ずと決まってくる。道具をいろいろ集めてしまうのは、味で判断していなくて道具の見た目や雰囲気に酔っているだけ、とも言える。
まあでも選ぶ器具によって味が変わるのは一目瞭然で、そこにも面白さがある。アイスコーヒーにも何種類かの淹れ方があるが、そこまで繊細ではない。

アイスコーヒーの面白さは『いい加減』なところにもあって、麦茶用のパックに挽いた豆を淹れて一晩水に浸けておくとまずまずの水出しコーヒーができる。しかしホットコーヒーには流派はあっても邪道はない。

と、挙げていくと面倒くさくなりそうなので話を移したい。

自分の店を営んでいると、近隣の同業者とも話す機会がある。友達といえるほど親しく交流する仲ではないが、共通の話を理解できるので愚痴を言ったり聞いたりする。カフェを生業とする者も自分の店が休みの日は他人の店でコーヒーを嗜む。

そういう時にみんな口を揃えて言うことは
「やっぱり人に淹れてもらうのが一番」
ということ。
自分がどんなに拘って上手にやっても、やっぱり人に淹れてもらうものには敵わない。
そこがコーヒーの良さなんじゃないかな、と思う。

コーヒーには正解がない。
そこにあるのは『好み』であって、上も下もない。
淹れてもらったコーヒーを愉しむこと、それがコーヒーの作法なのだと思う。

もちろん淹れてくれるのは誰でもいい訳ではなく、真心のある人じゃないといけない。
そして真心のある人がいたとしても
僕「コーヒーが飲みたいな」
妻「自分で淹れて。ついでに私の分も。」
僕「・・・」

という場合も往々にしてある。

いちばんのコーヒーは何処にでもあるのだけれど、意外と叶いにくいものだったりする。



数年前からパーコレーターの存在が気になっている。
僕には登山趣味が高じて木こりになった友人がいる。
その友人が「アウトドアで美味しくコーヒーを淹れる方法って何がいちばん良いですかね?」と聞くので、その時は「美味しく淹れるなら家で淹れるのと一緒だよ。でもパーコレーターが身軽で良さそうじゃない?」と答えた。
自分が使ったことのないモノなので自信をもってお勧めできなかったのだが、このパーコレーターというやつで狙った通り美味しいコーヒーが淹れられたら気分が良いだろうな。という気持ちはずっと胸にある。
大昔に人からもらったスノーピークのバーナーを持っているので、それとカップと豆とミルと(必要なものが沢山だな…)他に必要なものがあればパーコレーターのなかに入れて持ち運べそうな気がする。それをベスパのメットインに入れて、何処か人の来ないような景色の良い所まで行ってコーヒーを淹れてみたい。
それを何度かやってみて、上手にできるようになったら
「ほら、こうやってやると良いよ。」
と言って改めて友人にお勧めする。
それがこの冬の目標。

キャプテンスタッグのパーコレーター
透明のつまみから見えるコーヒーの色で状態を判断するらしい
夜はどうするんだ?



キーコーヒーの丁寧な説明
https://www.keycoffee.co.jp/shallwedrip/enjoycoffee/about-percolator/


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