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ベスパ、楽しい乗り物

お盆以降、ベスパGTS300super sportsに乗る機会が増えてきて、ある程度の距離もこなして「乗り換えて本当に良かった!」
と感じている。
(僕的には大きな金額を払っているので失敗だったら悲しすぎる。)

まだ評価をするには早すぎるけれど、「良い」と思うところ、気が付いた事、がいくらかある。

何年か経て自分の感じ方が変わってきた時のために、今の感想を備忘録として書いておこうと思う。

良い点
・総じて静か
・思っていたよりも塗装が丈夫
・全く必要としていなかったキーレスが便利
・車体剛性が高い
・軽量コンパクトだけど安定している
・よく曲がる
・ブレーキ性能が高い気がする

気が付いた点
・遠心クラッチが繋がるタイミングが意外に遅い気がする
・サスはもっと重い体重を想定している?
・ブレーキダストが多い
・車速によって燃費が激変する
・熱容量が小さいのか?
・メットインはホカホカ(でも外せる) 等。

これらを1つずつ書いていくと超長文になりそうなので、読んで字のごとくの事はわざわざ書かず、重複しそうな点は織り交ぜて書きたい。

まず良い点から。

◎僕は現状、バイク乗車中は、カーナビやインカム、オーディオといった文明の利器のお世話にならずにいる。
地図は記憶。お喋りは停まった時。(基本、1人なのでしゃべる相手がいない、とも。)オーディオは鼻歌。といった具合だ。
バイクで走っている時はエンジンと駆動部から聞こえる音に集中している。というのも、最近までGL400というファン0人説を誇る旧いバイクに乗っていたせいでバイクが発する音に過敏になっている節がある。でも、不調の露見は音から、というのが経験上間違いないので、その音に気が付かなくなるようなデバイスは、できるだけ使わないようにしている。そして聞こえてくる音が健全であればストレスがない。
ベスパは普通のバイクと違ってエンジンがシート下にあってバイク全体が静か。今はまだ新しい事もあって、正しく清らかな音と鼓動を伝えてくれる。基本が静かなだけに異音を発すればすぐに気が付きそうだ。

◎先日、台風がくるというので奥さんに命じられてベスパを移動していた時に木の柱にボディーを擦った。
「ぅぎゃー!(心の声)」と慌てて確認したけど、ちっとも痕跡が無い。すでに夕暮れ時だったので、翌日、日の当たる明るい場所で様々な角度から確認(潔癖モード)したが、傷は見られなかった。意外と強いんだね。

◎アンチハイテク、というつもりは毛頭無いけれど、最近の機器は特に必要と感じないし期待も無い、というのが僕のスタンスだった。バイクのキーレスに関しても「手が届く範囲にあるんだからキーを使えばいいでしょうが!」と、武田鉄矢風に思っていた。だけど実際に使うと便利だw。ポケットにキーレスがあればボタンを押すだけ、スイッチを押す・回すだけでアレコレ開閉、エンジンon・offができる。
スバラシイね。

◎あとは走りに関して。
車体は非常にカッチリしているが足が柔らかい。今まで乗ったバイクのどれにも似ていない。
過去に所有した主なバイクは
エリミネーター400(昔のやつ)
ZX-10(これも昔のやつ)
DT200WR
ZZ-R1100
ZX-7R
XR250  等。他にもKSRやTLR、バイアルスといった小排気量車やXF650というマニアなスズキ車に乗っていた頃もあった。最近のバイクが無いのは金銭的な余裕が無いからだ(涙)。
オフ車は車体も足も柔らかかった。レプリカやツアラーはどんなスピードでも破綻しないけれど、車重のせいか車体から感じられるものは少なかったように思う。

ベスパは丈夫な缶の上に乗ってるみたいで軽く硬い印象。足はフワッとしているがストロークは少ない?(実際のストローク量は不明)。それでいて頼りない感じはなく、直進安定性がある。コーナーが不安ということもない。タイヤが小さいおかげで旋回性が良く、曲がりきれないかも?という不安がない。
ブレーキは良く効く。サスペンションとの相性も良く、コーナーで握りながら寝かせていってもタチの強さを感じることがない。これも小径のおかげかな。ただ、調子にのっているとコケるだろう。

高速は100キロは余裕で120キロは一生懸命な様子。120キロで走り続けるバイクではないかなぁ。まあ、大抵のバイクは風圧がきつくて120キロ巡航は疲れるからそういうものかな。

気がついたこと。
◎遠心クラッチが繋がるタイミングが分からないので、低速走行はギクシャクする。Uターンもリアブレーキを引き摺りながらじゃないと怖い。慣れの問題か。

◎サスペンションはリアのプリロードのみ調整可能(4段階)。プリロードが最もかかっていない、一番沈む状態で乗っているけど、外乱に対してフロントが影響を受けやすい気がする。僕の体重が約60キロなので、70~75キロくらいあればキャスターが寝て安定するのかもしれん。とはいえ恐怖を感じるレベルではないので許容範囲。

◎一時期のベンツやワーゲンのようにブレーキダストが多めに出る。特にリヤ。パッドを換えたいが、自分の乗り方のせいか?

◎メーター内の燃費計がどれくらい信用できるのかわからないけど、60~80キロ位で走ると40km/L以上の数値が表示される。一方、120キロ出しているときは20~30km/Lになる。そこまで細かく燃費を気にしていないので具体的な数字を覚えていないが、遠くへ行く時はスピード控えめが求められる仕様。

◎エンジン&ラジエーター周りが狭いので放熱性が良くないようで、よく冷却ファンが回る。エンジン直上のメットイン内も熱くなる。水を張って落し蓋を置けば肉まんが蒸せると思う。夏が暑すぎるから仕方がない。
メットインのバケツみたいな部分はヒョイっと持ち上げるだけで外せるので、家に帰ったら外してシートオープン状態でエンジンを冷ましている。
それができるだけで精神衛生的にとても良い。

以上。

書いていて思ったけど、GTS300はとっても扱いやすいだけに最初のバイクには向かないかも。GTSに比べたら他のどんなバイクも難しいと思う。イージーなバイクで「自分はイケる」と勘違いすると次のバイクに乗り換えた時に難しいと感じたり、怖いと思う事が多いかもしれない。

ま、そんな事は杞憂で、多くのバイク乗りにとってスクーターは2輪であってもバイクではない。バイクに憧れて2輪の免許を取る人が、一番最初に選ぶ車両がベスパである訳がない。

昔だったら松田優作やオードリー・ヘップバーンによって「ベスパに憧れて」というケースがあったと思うけど、オートマになってからのベスパは映画やメディアで見ることもないし、街でもほとんど見かけない。それは少し寂しいけど、人と被りにくいのは良いところでもある、と感じている。