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印岐志呂神社と蝶 24.08.23

本日母を送った帰りに、久しぶりに行ってみようと草津市の印岐志呂神社へ行ってきました。
ここは近所に芦浦観音寺という、戦国時代から江戸時代初期にかけて権勢をふるった、琵琶湖水運を司る湖上奉行の代官所となったお寺があり、かつて栄華を誇った地でもありました。
印岐志呂神社は、奈良の大神神社を分祀されたと伝わる長い歴史があり、芦浦観音寺の権勢の影響を大いに受けた、当時の建築様式を今に残す神社でもあります。
近くにはかつて琵琶湖と東山道をつないでいたメインストリート志那街道があり、この神社も幾度も戦乱に巻き込まれました。対岸には比叡山があり、高師直が京都に向かう際、立ち向かった比叡山の僧兵千人を一夜で打ち負かしたと言われる伝説が残り、それを弔うために近隣の住民が築いた「一夜伏塚」という小さな墳丘が残されています。
こちらが詳しいです。

本殿
分かりにくいですが城壁然とした石垣が築かれています。これは芦浦観音寺にみられる石垣に酷似しており、同時期に整備されたもののようです。

今は田んぼと閑静な住宅地の中にある神社ですが、かつてよりかなり狭くなったとはいえ今もよく手入れされた森が広がり、たくさんの生き物が暮らしています。
私の祖母が奈良県三輪(現在の桜井市)出身で、この神社にはご縁を感じていますが、森の中にある奥御前社にもご縁を感じお参りするようにしています。

森の奥にある奥御前社。祭神は別雷命。上賀茂神社に祀られている神様です。大神神社を分祀する前からあったと思われます。

はじめてこの神社に来た時、そもそもが結構な土砂降りだったのですが、奥御前社に進もうとしたら滝のような大雨になり、滝行をしながらかのようなお参りになりました。これは歓迎されてないのかなと思いましたが、大雨になるのもまた歓迎ということもあるようで。
別雷命は「雷を分ける力のある神」で雨もつかさどると言われているので、そういう意味でも歓迎だったのではないかと思うようにしています。そして私は雨女でもあるのでそういう意味でも。

余談ですが、この別雷命というのは山城地方にだけ伝わる神様のようで、その生誕の物語はまるでイエス・キリストのようだと私は思いました。
お能で「賀茂」というものがありますが、それがこの別雷命を扱ったもので、上賀茂神社でシテである別雷命を演じた能楽師には雷が落ちるといわれているそうです。

で、本日行ってきたのですが、大きな森があることもあり蝶やトンボ、セミなど沢山の虫がいます。
本日も車を止めたらいきなりキアゲハが飛んできて、本殿をお参りしているとモンキチョウが飛んでいました。
奥御前社に行こうと森を進むと、別雷命の祠の近くには鷺のコロニーがあり鳴き声が聞こえてきて白い羽もたくさん落ちています。
このコロニーはかなり大きく、様々な種類の鷺が共同で暮らしているようです。鳴き声も結構大きく糞もあるので、近所の民家から苦情が出ないかなと心配になります。

そして祠につくと、やはりモンキチョウとキアゲハが飛んでいました。
小高い場所にある祠を見上げると(ちなみにこの神社には複数の古墳があり、この祠も古墳の上にあると思われます)祠の前をキアゲハが飛んでおり、私が階段を上ろうとするとどこかへ行ってしまいました。
お参りして、来た時とは別ルートの散策路を帰ろうとすると、モンキチョウがやけに多く、進むとものすごい数が地面に止まっており、私が行くと一気に飛び去りました。あんな数を見たのは初めてで正直びびりました。
そのあともツマグロヒョウモンと思われる茶色い蝶、神様トンボやセミなど、たくさんの虫に見送られて森を抜けました。

そして駐車場に行き、車に乗り込むと、門のあたりにやはりキアゲハが飛んでいるのが見えて、それを見ていると黒いアゲハ蝶がまっすぐに私の車の方に向かってくるのが見えました。黒いアゲハの種類は確定できないのですが、フロントガラスのあたり、赤い模様を確認できるくらい近くまで飛んできて、しばらくするとくるっと引き返して神社の方へ戻っていきました。
黒い蝶は神社の神様の化身と言われているそうで、最後にあいさつに来てくださったのだろうかと思うと胸がいっぱいになりました。
あと黄色い蝶も歓迎の印と言われているそうです。
とてもありがたいし、行って良かったなあととても清々しい気分になりました。

ちなみに毎回こんなに蝶がいることはありません。
なので今回は特別だったのではないかと思っています。
また近いうちに行こうと思います。

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