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バンドが復活すると言う事。を題材に書きたかったのに何故か小説になってしまった
友人のバンドが復活する事が、増えてきた気がする。
先日も20代の時に鎬を削った(と言ってもいいよね?)同世代のバンドが復活を発表した。
とても喜ばしい事だし、そのニュースを耳にした皆んなが本当に幸せそうな顔をしてたのが目に焼きついている。
解散や休止していたバンドが復活する時。
多分想像するに皆んなはこう思うんだろう。
「やれるようになったんだ!良かった!」
「仲直りしたのかな??」
でも実際やっている側の肌感覚からするとそんなシンプルな感じでもない。
そもそも「何故やめるか」に関しては色々あるだろう。
理想と現実の乖離。人間関係。経済的苦境。需要の低下。他にも沢山あると思う。
どっかで聞いた「白鳥は美しいけど 水の下では足をクッソバタバタさせてる」って話がある。
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ここに一羽の白鳥がいる。
仮名をトリッピーとする
もともと泳ぐのが好きだったトリッピーは美しい白鳥に憧れて、音楽シーンっていう巨大な湖に漕ぎ出す。
初めて湖面に浮かんだ瞬間の感動は筆舌に尽くしがたかった。
ある程度浮かび続けていくうちに足の効率良い動かし方とかが身についてくるけど、最初は思いも寄らなかった荷物が乗ってくる。
「期待」とか「プレッシャー」
それが負荷となって足の筋肉が太くなっていくけど、そうすると左足がサボるようになったりして右足が二倍頑張らないといけなくなったりする。
そうなるとバランスが崩れて美しい姿を保てなくなったり。
湖には「最も美しく映えるポイント」がある。
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バックに銀嶺がそびえ立ち、光が注ぐ場所。
そこに浮かび続けるには果てしない負荷がかかる。必然的に強い白鳥だけしかいないポイント。
トリッピーは強く思った。
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「ここに居たい。ここに居続けなければ」
近くにいるストロング白鳥の起こす波のせいで真っ直ぐ浮いてられなくなったりもする。
その波に乗ろうとしてみたり、波の届かないところを探してみたり湖面を迷走する。
「え?ずっとこれフルパワーでバタバタし続けないといけないの?」
トリッピーの脳裏に宿る未来への不安。
一緒に浮かんでいた仲間が次々に岸へ向かっていく。
「もう無理だ!着岸させてくれ! 美しい姿を保ってるうちに着岸させてくれ!」トリッピーは叫ぶ。
いつも近くに浮かんでいた仲間。"鳥バード"はこう言う。「大丈夫だよ!君は美しい!一人にしないで!」
鳥バードは姿こそ美しくないけど、「浮かんでるだけで幸せなんだ」ってタイプだった。
だからヘラヘラしながらずっと周りをウロウロしている変な奴。
そんな奴の言う事に説得力があるか!!
トリッピーは鳥バードの言葉を振り切り背中の荷物を投げ捨てて岸へ向かう。
バンドの止まる理由ってこんな感じの事が多い気がする(暴論)
トリッピーは陸での暮らしを始める。
陸はいいぞ…横になって休めるし、食べ物もたくさんある。
湖の近くに居ると辛かった事を思い出しそうで、なるべく湖から離れて暮らす事にした。
月日が経って、ふと「久々に湖に行ってみようかな」と思った。
岸に着いたトリッピーはトポトポ歩いてる中で色んな人に声をかけられる
「やあ。君の姿はとても美しかったよ。僕は大好きだった。また観たいなあ」
底の浅い湖岸でチャパチャパ遊んでいるまだ小さい鳥達が言う
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「僕は貴方の姿を観て白鳥になろうと思ったんです!また湖に出て欲しいです!」
湖面に居る時には浮かび続ける事に必死で気が付かなかった
「こんな僕を観ていてくれた人がいたんだ」
ふと湖面に目をやる。自分が必死にしがみついて流されないようにしていたポイントを観てみようと。
そこにそびえ立っていた景色は様変わりして、うら寂しいハゲ山がポツンとあった。
「そんなに綺麗でもなかったんだな」
小さな湖岸を見つけた。小さいけど波も少なそうで、木漏れ日が降り注ぐ綺麗な場所。
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トリッピーは恐る恐る足を水に入れてみる。
ああ、やっぱり久々だから上手く浮べないな。
でも、やっぱり楽しいな。
あの時必死に培った筋肉が蘇ってくるのを感じる。
足を着いてはまた漕ぎ出す。そんな事を繰り返していた。そこには楽しさしか無かった。初めて湖に足を入れたあの日と同じ。
トリッピー「そうか、僕はそもそも泳ぐ事自体が好きだったんだ」
「やあ、やっと帰って来たのかい」
そこに居たのは鳥バードだった。
「鳥バード。なんでここに?」
「このポイントは僕が作ったんだ。小さいけど悪くないだろう。 トリッピー」
「なんでそんな事を?」
「トリッピーや他の沢山の…岸に帰っていった仲間たちがまた湖に戻って来たくなった時の為に、都合の良い場所があったら良いと思ってね。」
随分とボロく汚くなった姿の鳥バード。
あの日から、「美しい姿のまま去りたい」と岸へ向かったあの日から。
鳥バードはずっと漕ぎ続けていたんだろう。どんなにしんどくても、みっともなくても。
突然拍手が聞こえた。
岸の周りに沢山の人が集まっていた。
「トリッピー お帰りなさい!また美しい姿を見せてください!!」
鳥バードは言う。
「君が湖を去った後。皆んなが君を忘れないように僕は君の姿を語り継いだよ。 トリッピーは美しく、気高い白鳥だったんだって。
さあ漕ぎ出せよ。皆んなが君を観れる日を待っていた。
この湖は大きな湖にも繋がっている。もし君が望めばどこにでも行けるんだよ」
トリッピーは頷き、ゆっくりと足を動かした。
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この話なに??!!
あと何で俺のカメラロール白鳥の写真だらけなの?!!?
うーん。特定のモデルが居る訳ではないんだけど、周りのバンドが休止から復活するストーリーを上手く例えて表現しようとしたら
物語になってしまった。
白鳥=バンド
湖=音楽シーン
映える場所=流行
ストロング白鳥=ビッグバンド
ってなイメージで書いてはいます。
そんでね。
僕は、願わくばこの物語における 鳥バードのような存在で在りたいと思っているって話。
辞めちゃった仲間に対してずっと思ってる。
いつだっていいし、とりあえず一回だけでもいい。
漕ぎ出そうぜって
いつも思ってはいるよ!
週末はライブです。
活動をしていなかった仲間のバンドが僕達のお祝いの為に集結してくれます。
辞めてしまった仲間が新しい名前と共にステージに帰って来てくれます。
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そして僕と俊輔はこの日41歳になります笑
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お祝いしに来てくださいね。さいたまで待ってます。
by 鳥バード
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