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バンドマンが アンプのロマンを語る話
バンドマンは アンプが好きだ。
すまん 今日はK-popのポの字もないnoteです。
バンドマンでない人にはどう説明したらいいだろうか。
ギタリストやベーシストの後ろにあるタンスみたいなアレの話をしてる。
今日はアレについて思うさま書いていきたい。
僕が「はじめてアレを意識した瞬間」を思い返してみる。
中学生の時に「ギターやってみたいなー」て迂闊に口走ったらクラスメイトのお姉ちゃんが
LUNA SEAの当時の全ディスコグラフィーと映像作品を頼んでもいないのに貸してくれた事にさかのぼる。
その中にあった「lunatic tokyo 」というVHSに!!
VHSに!!
収録されたというライブ映像作品を崇尋少年はその後多分200回以上観ることになるんだけど、そこで初めて「アンプ」っていうものを認識した記憶がある。
これ…なに…
当時はまさかギターからアンプ→アンプから音が出てるなんて概念が存在すらしないので、「メンバーの後ろにあるなんか固そうなインテリア」くらいにしか思っていなかった。
でもなんだか、その形状や佇まいに惹かれるものがあると感じたのは事実。
しかもメンバーによって形状が違うのが熱かった。
あ、こっちの人は縦長なんだー
こっちの人にはやたらめったらあるな…
みたいなね。
それがエレキギターの「ギュワーン」て音を出す装置で、インテリアでは無いって事を何となく認識した。
少し後に、また別の先輩から借りたVHSに!収録された映像を観た。
「AIR JAM 98」だ。
この映像も多分100回くらい繰り返し観たが、そこである事に気がついた。
真っ赤に日焼けして生命力の塊のような横山健さんの後ろに、あの儚くて美しくて今にも消えそうなLUNA SEAのINORANと同じアンプがあることに。
えっそれアリなの?
当時の僕には本当にビックリだった。
LUNA SEAのメンバーがそれぞれ「自分専用ギター」的なやつを使っているって事は何となく知識として持っていて、その流れでゆうとアンプもそんな感じかと思っていた。
だから僕はこのアンプをINORAN専用…というか
V系アンプ
みたいに認識していた。
そう。メサブギーのレクチファイアをだ。
それが、ハイスタのギターの後ろにあるって事は…これはあれか…コレはV系アンプではないしもしかしたら…
店で売ってるのか!!!
これも雑な認識で、プロが使っているようなアンプは、楽器屋さんには置いてなくて、なんかその筋の職人みたいな人が山奥で作ってるイメージだった。
「ふむ…そなた横山健というのか…Hi-STANDARDか…よかろう…このアンプを其方が使うことを許そう…この…伝説のメサブギーをな…」みたいなイメージだったんだ。マジで。
すぐに駅前の楽器屋さん…春日部駅前の昭和楽器に行った。
確かメサブギーは置いてなかったんだ。でも当時の僕からすれば「SUGIZOの後ろにあるアレ」であるMarshallのアンプの現物がそこにあって、本当に大興奮した記憶がある。
値段を観て意気消沈したのも覚えている。
駅前に売ってるのに…絶対買えないじゃん…
そこから僕は ギター雑誌でギターは勿論アンプの写真を観ては「どんな音がするんだろう?どんな人が使ってるんだろう?」と授業中に妄想したり
放課後ともなれば昭和楽器の店頭で流してる洋楽バンドのライブ映像を
閉店までひたすら観続けて結果何も買わない
という本当に昭和の子供みたいな生活に没頭していた。
高校に進み、バンドを組みライブハウスに出演する様になった僕は衝撃を受ける。
ソフトケースに入れたギター担いで電車で鼻水垂らしながらライブハウスに向かっていた高校生の僕の眼前に。
対バンのお兄さん達が、えっちらおっちら車から重そうにアンプを下ろしているその絵面を観てしまったからだ。
この人たちは…「アンプ待ちし者たち」なんだ…
その前に車で来てる事にびっくりしろよって話だけどね。
当時は1999年くらい。Hi-STANDARDの隆盛もあったのだろうか。そんねお兄さん達の使ってるアンプは8割型メサブギーだった!笑
当時の写真。僕はライブハウスの備え付けのMarshallだけど。横に対バンのお兄さん達が持ち込んだであろうメサブギーが見えますね。↓
僕もいつか…「アンプ待ちし者になるんだ…」とそんな野望を抱いていました。
結局その数年後 19歳の時に初のアンプを先輩から安く買って手に入れるんだけどね笑
確かPEAVEYのウルトラなんとかってアンプ。
やー、本当にいい気分だった。
えっちらおっちら自分の手で運んだそれだけで
自分のアンプってのが後ろに控えてるおかげで
他のバンドより良い音が出てる気がしたもんなー笑
バンドマンなら解ってくれるかなー
それから20年くらい。その時の好みに応じてアンプも3台か4台変わったけど。
いま全くそんな気持ちねえもんなー。
結局良い音なんて腕ですよ。腕…
弘法筆を選ばんのですよ…
いま、令和の世の中ではどうなのかってゆうと、
ドーン!
アンプ 普通にステージに無かったりするのよ笑
写真はFALL OUT BOYです。
それはもう「無くても余裕で大丈夫」な音響システムが立派にあるって事だし、
むしろステージにアンプがドーンとある事で出来なかった事があったのかもしれないし、
理由はわかんないけど、少しだけ寂しい気持ちになったりもします。
重いし、高いし、あったところでお客さんにわかりやすく伝わるような劇的な効果ってのは無いのかもしれないけどね。
僕もスペースとか時間的な関係で「あ、ライブハウスの備え付けのやつでやりまーす」って時も全然あるけど笑
でもステージに所狭しとアンプが並んでる絵はやっぱワクワクするし
対バンのライブ見て「あ、このギターとあのアンプの組み合わせでこんな音出るんだ?!」みたいな刺激や学びが何度もあったし、それが可視化出来なくなる時代が来るのは、やっぱり寂しいよー
昭和楽器にも、もうギターアンプは全く置いてない。
でも初めて背中からあの「ギュワーン!!」に内蔵揺らされた感覚って僕は忘れないし、忘れたくないし。振り返ったそこに居るアンプが「相棒」に見えてたんだよなって話。
相棒は言い過ぎたかな…相棒はどっちかっつーとギターかな…
うーん…ポケモン?スタンド?
今日はそんな バンドマンしか楽しくなさそうな話でした。
そういやこないだ初めて
official髭男dismのライブ観たけどアンプめっちゃあったな。いいぞもっとやれっておもった。
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