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音作り道深く険しく

僕はバンドをやっている。

バンドは音を出すので、出す音を作る作業が大変だ。

ギター アンプ シールド エフェクター

アレやコレや替えたりしながら「カッコいい音」を探す


何が厄介だって、メチャクチャかっこいい音が出来たと思っても、バンドで鳴らしてみたらなんか違ったりする。

他のメンバーが出す音と相性が悪かったりする。一からやり直しである。

色々と擦り合わせをして、ようやくバンド全体でカッコいい音が出来た!って事もある。


スタジオではバッチリだったのにライブハウスで鳴らすと微妙だ??って事もある


何なら、リハではバッチリ!最高!って感じなのに本番で微妙だって事もある。

一からやり直しである。

演奏する力加減が本番でテンション上がって力んでるのか。だったら自分で解決出来る。でも違う。


お客さんが入って、空間の密度が変化した
結果だったりする。

これがお客さんの入る人数でも違うし、冬か夏かでも違うし、なんから湿度とかでも変わる。

まあ音は空気の振動なので、同じ場所だとしても
状況変われば同じ音が響く訳がない。


それも踏まえたうえで、なんならバンドの中を飛び越えてPA(音響担当)の力も借りて、音を作る。

お!この音は最高じゃないか?って音が出来る。


そしたら「なんか皆んな同じような音してない??」ってなる。

皆んな良い音へのプロセスを踏んで、薄らと「このジャンルならこう」みたいな良い音の共通意識みたいな物もあるから当然の結果だと思う。


でもバンドマンは頭がイカれてるので、「自分達にしか出せない良い音」を求める。


一からやり直しである。






恐ろしい話ではあるが、コレを20年以上やってる。

同じ処をグルグル巡ってるだけじゃないかと言われたら全く否定出来ないし、前進してるかどうかも主観によるからぶっちゃけわからない。

こっちの「良い音の感覚」にもブームだったり変遷がある。

観る側にこの逡巡がどれだけ作用してるかは知らないし、多分だけど自己満足の世界に限りなく近いと思う。


機材のツマミを弄るだけだけじゃなく、木の板とか布とか終いには石のブロックとかまで使って良い音を作ろうとしてる。



じゃあなんで、やるのかって言われたら 多分コレが楽しいからなんだと思う。

もう既にここから変わってるけど、先月時点の機材レシピ




こないだインスタでLUNA SEAのSUGIZOがステージに出る前の時分を流していた。


プロのヘアメイクさん達がスプレーやらクシやらを持ってSUGIZOの周りをグルグルして、髪を整えていた。


「いや、ライブ始まって頭一発振ったら終了だろ」

と思ってしまうのだが


つまりこういう事なんだろうなと思った。

僕は美容の事は解らないからこう感じるけど、ヨソから観たバンドマンのサウンドメイクも同じようなものだろう。

あのクシ持ってる人にも目指すべき到達点があって、それが例え一瞬だとしても一人にしか伝わらなかったとしても目指さずにはいられないんだろうと思う。


僕は美容室でカットが終わった後美容師さんが

「セットしますね?」って言うと


「いや、帰って風呂入って寝るだけなんで」

とか 

「いや、自分で再現できないんで」

とか言って断ろうとしてしまう。

例え美容室を出た瞬間に帽子を被るんだとしても、この人は手を抜かずにセットしてくれるんだろう。


次からはちゃんとお願いしようと思った。





ちなみに「曲が」とか「フレーズが」とかとは別に「音がカッコいい」って思った原体験はコレかもしれない。高一だったかな。

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riddletkhr
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