かいぜる

水のような読み口を目指しています 文字を書く予定でしたが、死ぬまでの記録になりました。 筆名は楝いり紅

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    自己紹介とかそんなやつ

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    楝いり紅として書いた小説

  • 週報:未定

    腐乱死体になるのを防ぐために週一で投稿するものです。マガジン名を募集しています。投稿曜日:未定

最近の記事

「君に振られて最高級に可愛いの」より、「一緒にいた時の方があたし可愛かったなあ」が私は好きです。そして自分の荒れた指先を見てそれを噛み締めています。

    • 家中を綺麗にした。 放置していた段ボールを片付けた。 綺麗になった。 そう思った瞬間死にたくなった。 いまいるこの狭い1Kが私の「家」だと知覚してしまったからだ。 私はこの「家」を借りて生きている。 ここが私の「家」であり、実家はもう私の現在の「家」でないと気がついてしまった。 帰る場所ではなくなってしまったことに気がついた。 私はついこの前まで親にこの棲家の賃料を払ってもらっていた。 私はこの棲家に夜になると戻ってきて、飯を作り、風呂に入り、眠りにつく。 だが、あくまで

      • 【文学フリマ東京38】灰かぶり商會 お品書き【ち-32】

        こんなド夜中にすみません 明日の告知です。 文学フリマ東京38に「灰かぶり商會」の「楝いり紅」として出展いたします。 場所:TRC東京流通センター    (東京モノレール「流通センター」駅 徒歩一分) ブース:ち-32(第二展示場Fホール) 新刊:「四季彩の雨」 価格:800円(通販900円) 総ページ数:50ページ *新刊目次に間違いがございましたので訂正紙を挟んでのお渡しとなります。ご承知ください。 Booth:https://t.co/gJ8WDQ5GPM サンプル

        • 【期間限定公開SS】魔法使いじゃ終われない【文学フリマ38東京】

           私、私ね、あなたにプロポーズされる夢を見たの。  真っ白な窓枠にたなびくレースのカーテン。夏になりかけの皐月の日が差し込む中、伏された長いまつ毛があなたの下瞼に影を作るのを見ていた。跪いて見るあなたのかんばせは聖母様のどんな石膏像よりも麗しくて、私、やっぱり看取られるならあなたがいいな、とか考えていたのだっけ。細い白魚の手に握られている立方体は、なんだかあなたが選びそうにない深いブルーのビロウドだったものだから、変だなあと思ったの。だからずっとその細い指の間(あわい)から見

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          腐乱死体にならないために、週一投稿をしようと思う。

          週一投稿をしようと思う。 今朝、ふと思いついたので言ってみた。 言霊という考え方が好きなので、やりたいと思ったことは口に出すことにしている。今、ここで口に出して公開したら多分やるだろうからあながち間違いではない。 理由は大きく分けて2つ ここ数週間、文学フリマのための原稿に追われ、何日も机に齧り付いていた。結局、小説を書いていて必要な物は原体験である。 人間、0から1は作れない。なにかしらの強烈な感情、思い出、その他諸々。それを引き延ばし、膨らませ、人間は小説を書くのだ

          腐乱死体にならないために、週一投稿をしようと思う。

          愛の讃歌

           私はあの人の歌う愛の讃歌がこの世で一番好きだった。  男性とは到底思えない柔らかくまろい声がため息を吐くように吐き出される。甘い綿飴で焼き焦がされるようなあの歌い方が死ぬほど好きだった。私は時々、あの人の愛の讃歌を思い出してはインターネットで検索をかける。あの甘美な味をもう一度味わいたくて仕方がないから。しかし、今日に至るまでその代替に出会うことができていない。女声とも男声ともどちらにも振り切れず、かつシャンソン、まして愛の熱情を、テンポを激しく揺らさずに歌う人なんていない

          文学フリマ 東京38に出ます

          ブースが決定致しましたのでとりいそぎのご報告です。 文学フリマ東京38に「灰かぶり商會」として出店いたします。 ブースは第二展示場 Fホール、ち-32です。 友人の音子に真珠と共に楝いり紅として短編小説集を執筆いたしました。 「春」「花」「海」をテーマに、無いモノねだりの二人が描く短編小説集という煽りで「四季彩の雨」という本を出します。 私含めた執筆陣のX(旧Twitter)、カタログ情報は以下リンクよりご覧ください 死ぬ前に絶対やると約束していたことの一つです。 間に合っ

          文学フリマ 東京38に出ます

          産みの苦しみ、恥の放出

          書けねえ もう笑ってしまうくらい書けねえ 文学フリマに出す原稿が書けない。 あと二週間ぐらいで掌編3本を出さなければならない。 だが、その書くべき3本ではなく、おまけの1本ばかり構想が組み上がり、全く進んでいない。進捗0%である。 こんなにもオリジナル小説を書くのは難しかっただろうか。 いや、確かにサボりました。サボりましたよ。 ここ数年間コンスタントに小説を書くということをやっていませんからね。 それでも一年に一本ぐらいは長いの書いたし、詩歌に手を伸ばしたり、完全にものを

          産みの苦しみ、恥の放出

          文学フリマに出ることになった

          自己紹介(笑)でも書いた友人との約束が一つ叶いそうである。 叶いそう、というか現実にするべく全てを進めているのは紛れもないこの私なのであるが。 運命の日は5/19(日)。「灰かぶり商會」の屋号を担いでビックサイトに行く。 それまでにちゃんと本を作らねばならない。しかも友人との共同執筆だ。どう足掻いても原稿締め切りは1ヶ月後になる。この世の中で締め切りというものが蕁麻疹が出るほど嫌いな人間としてはたまったもんではない。 書きたいものがないのに、人に読ませられるほどの文章力もない

          文学フリマに出ることになった

          日記 | 君は全方向美少女 24/1/30

          今日は気持ちがとてもくさくさしていた。 憂鬱とか仕事のストレスとか、普段から抱えていたものが、とある原作者の事件によって希死念慮への着火剤へと変化。昨晩激しく燃え上がったのであった。彼女のあの作品はまだ数話ほどしか読んでいないが、本当に面白い作品で繊細な心情の描写が上手い、この内容に勇気づけられる人も多いだろうなと感じていた。完結したらまとめ買いをする予定だった。その未来が奪われてしまったことが信じられなくて塞ぎ込んでいた。 卒論の口頭試問がすぐ近くに迫っており、今日はその準

          日記 | 君は全方向美少女 24/1/30

          初日の出を見たい場所

          一昨年あたりから薄ぼんやりと考え続けている初日の出の理想図がある。 会津若松で海岸をゆっくりと歩きながら水平線から昇る日を見たい。 冷え切った朝の空気の中、マフラーに顔を埋めて、橙を見るのだ。 そうして1時間ぐらいしたら適当に朝ご飯でも食べに行こう。 そう思い続けているが、今の今まで実行には移していない。 朧げにある会津若松での思い出は鶴ヶ城に家族で行ったということ。 なんの機会だったかもう覚えていないが、出かけるというので父の運転する車に揺られ、うたた寝から目覚めたら目の

          初日の出を見たい場所

          お守りとしての自死権利

          スイスでの安楽死ツアー 死のう、死のう、と思うたびにそれが頭をよぎる 日本では安楽死が認められていない。たとえ、実行に移したのが本人だったとしてもそれを手助けした医師が自殺幇助罪に問われる。 しかし、オランダ、ベルギー、スイス、アメリカ合衆国の一部の州などでは医師による自殺幇助は認められている。中でもスイスは、唯一国外からの安楽死志願者を受け入れていることで有名だ。 最近だと「くらんけ」さんが自身の病気を理由にスイスでの安楽死を望み、その権利を得た。もしかしたらニュースなどで

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          自己紹介ってカッコ悪いよね

          自己紹介というものが嫌いだ 自分のためにnoteを書いているのになぜ人に自分を紹介しなければならない。捻くれ者なのでそう思ってしまう。非常に居心地が悪いが仕方ない。 諸事情ゆえ、ある期間まで文章をばら撒くことになった。 ユーザー名:かいぜる 筆名:楝いり紅 本当は筆名に全て直したかったが、これも諸事情ゆえ。適当につけた「かいぜる」というなんとも間抜けな名前を屋号として生きることにした。 現在在籍中のとある大学を次の春に卒業し、就職する予定である。 とりあえず死にたいが、親

          自己紹介ってカッコ悪いよね

          8年間好きだった女に会いにいった

          8年間好きだった女に会いにいった。 場所は横浜。 交通の弁の悪い田舎から呼びつけたので、彼女は私の40分も前に着いていた。 ルミネ一階でぼんやりとスマホを見ている彼女。 声をかけると、いつもと変わらぬ可愛らしい笑顔の綻び。 私が、8年間恋焦がれた彼女である。 しかし、過去のように心臓が踊ることはなかった。 経緯を話そう。 私は女である。 ご縁があって、今は大学で出会った男性とお付き合いをさせていただいている。 いわゆるバイに分類されるのかもしれない人間である。(詳細は長くな

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