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【マガジン78】『(無料公開)文系向けにBEV, PHEV, HEV, FCEVの違いを解説します』(2021/10/17)
今回は、『文系向けにBEV, PHEV, HEV, FCEVの違いを解説します』というテーマで記事を書いていこうと思います。
現代人は車に興味が薄れ、車が動く技術的メカニズムにも当然興味が無くなっています。
しかし、世界経済を支えている要因の1つに、自動車産業があるのは今も昔も変わりません。
しかも、このマガジンでもずっと取り上げてきていますが、今後は電気自動車の時代です。
今回は、BEV, PHEV, HEV, FCEVだとかの初心者からすると非常に分かりにくいこれらの用語や技術的メカニズムについて、文系でも分かるように解説していきたいと思います。
こういう基礎的な用語を覚えていなければ新聞を読んでも字面を追うだけで全く意味なくなってしまいますから、まずは今回のマガジンで覚えてください。
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ガソリン車
(引用:東京電力「EV DAYS」)
皆さんも1度は車に乗ったことがあるでしょうから、何となく動く仕組みは分かるかと思います。
石油から出来るガソリンを燃やし、その燃焼パワーを推進力にして車は走ります。
ガソリンが燃えたところを見たことが無い人は多いかと思いますが、映画やドラマで車が爆発しているシーンを想像してみてください。
ガソリンは燃えると凄まじい火力です。
そんな高エネルギーの燃料を車に貯めておき、エンジンで燃焼させて車体を動かすのです。
トヨタはエンジン技術が世界一であり、だからこそ世界のトヨタというワケです。
危険であるガソリンを扱うのが世界一上手い会社なんです。
EV=BEV=電気自動車
次はBEV=電気自動車です。
EVとも言われていますが、最近はFCEVやPHEVなどと比較するために、「B」を先頭に付けてBEVと呼ぶことが多いですが、いわゆる電気自動車のことです。
BはバッテリーのBですね。
これはガソリンエンジン車とは違い、ガソリンは車に積みません。
代わりに電池に電気をチャージし、その電気でモーターを動かして車体を進ませます。
(引用:https://mount-west.net/2018/03/19/mini4wd-5/)
ミニ四駆など触ったことがある人はなんとなーく分かるかと思いますが、
BEVはミニ四駆と同じ仕組みで、電池→モーター→タイヤにパワーが伝わり、車を動かします。
電気を直流から交流に変換する必要があったりしますが、この辺は割愛します。
(小学理科で、直列つなぎと並列つなぎを習ったことあると思いますが、厳密にはあの辺の話もBEVでは重要な要素です。)
HV=HEV=ハイブリッド車
(引用:チューリッヒ保険)
ハイブリッド(≒組み合わせ)って聞くと、ガソリンでも電気でもどっちでも動くっぽいイメージですよね。
エンジンのメリットは膨大な爆発力、パワーです。
坂道などはエンジンで駆動し、平坦な道は電気からモーターで走る。
こうすれば燃費が非常に良くなります。
トヨタはこれで世界中のメーカーが追い付けないレベルの燃費を実現しました。
そしてトヨタはハイブリッド車のことをHEVと呼びはじめました。Hybrid Electric Vehicleです。
しかし、
しかしですよ。
HEVは電気自動車ではありません。
HEVはガソリン車です。
なぜなら、走行距離はガソリンの給油量で決まるからです。
ガソリンを燃やして発電し、電池に蓄電させておくという仕組みであり、電気はスマホみたいにチャージ出来ません。
トヨタのプリウスに乗っている人なら分かるかと思いますが、プリウスは充電ステーションに行っても意味がありません。
行くのはガソリンスタンドです。
おい、トヨタ!!!!
ハイブリッド車をHEVと呼ぶ電気自動車詐欺はもうやめろ!!!
PHV=PHEV=プラグインハイブリッド車
(画像引用:京都市HP)
そしてトヨタはついにこんなものを出してきました。
そう、プラグインハイブリッド車です。
ガソリンとEVの良いとこ取りと言っていますが、これもガソリン車です。
結局、走行距離はガソリンの給油量で決まるからです。
確かに、ガソリン車のようにガソリンスタンドで給油も出来ますし、EVのように充電ステーションでも充電できる二刀流なんですが、ガソリンの給油量で走行距離が決まる上、ガソリンの排気ガスがクリーンではありません。
そんな中途半端なことするくらいなら、最初からEVで良いんですよ!!
おい、トヨタ!!
いい加減にEVに全力投球しろ!!!
FCV=FCEV=水素燃料電池車
(引用:チューリッヒ保険HP)
個人的にはいい加減にしてもらいたいのが、この水素燃料電池車です。
日本政府は水素水素と騒いでいるので、これを日本中に走らせたいようです。
この水素燃料電池車の仕組みですが、水の電気分解の逆です。
水に電気を流して水素と酸素に分ける実験、昔やったことがある人は多いと思います。覚えていなくとも、水=H2OってH(水素)とO(酸素)がくっ付いていますから、何となく想像できるはず。
それの逆ということは、
水素と酸素を合体させたら電気と水が出来る、ということ。
これが燃料電池車のポイントです。
水素を溜めておき、空気から酸素を持ってきて、発電を車体の中で行います。
そうして発電した電気でモーターを動かし、車体を動かします。
はい、ここで私の否定的意見を並べておきます。
・結局、電気使うなら最初からEVで良くね?
・そもそも水素はどっから調達するの?水と水素は別だそ
・水素を作るために水の電気分解するなら、その電気でEVで良いじゃん
・水素は爆発しやすい気体で取り扱いが難しい
・水素は高圧タンクに貯めておく必要があり、それも危険な要素
・水素ステーション1台につき4億円の建設費用掛かる
・そもそも世界(欧米中)はみんなEV。誰に売る気?
尚、水素自動車はイーロンマスクに馬鹿にされています。
水素は航空機の燃料であったり、製鉄に使ったり、色々な活用の道があるので、水素自体は馬鹿にしていませんが、水素燃料自動車に関してはナンセンスと笑われているのが現状です。
水素エンジン自動車
トヨタの「ミライ」がこれです。
ガソリンの代わりに水素を燃やし、その燃焼パワーでエンジン駆動させるというものです。
これであればガソリンを単に水素に置き換えただけですし、ガソリンと違って燃やしても二酸化炭素は出ません。
しかし、これも何度も言いますが、わざわざ水素を車を動かす燃料にする意味はあまり無いんです。
水素の1番の魅力はエネルギーではなく、電気の貯蔵手段の1つだからです。
しつこいですが、これを再読ください。
この爆発力を活かすなら、大型トラックや航空機なんですよ。
大型旅客機に重たい電池を何個も載せることは出来ませんから、エンジン駆動で燃料の爆発力で動かすのが妥当です。
但し、航空機も個人乗りの飛行機であれば、電気で飛ばすようになると思います。国内用の自家用ジェットとか、航空タクシーレベルであれば電気でしょうね。
おい、トヨタ!!!
未来にミライはあるのか!?!?
おわりに
この辺を分からずに私のマガジンを読んでも効果は半減するように思いますし、新聞も読解できなかったかもしれません。
今回は、文系でも分かるようにめちゃくちゃざっくり書きましたので、ここから先、トヨタの未来や世界経済の未来予測がしてみたい人は、ご自身で技術的メカニズムを学んでみると良いと思います。
電気の貯蔵手段としての水素の話をしましたが、
水の電気分解にはプラチナの触媒を使うので、プラチナの価格がバイデン政権発足くらいから上昇していると思います。
技術のトレンドを追うことで、投資にも役立つのだと私は確信しています。
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