ブロードウェイミュージカル NEWSIES 〜を観て

震えた。全身に鳥肌が立った。とっても良質なエンタメを摂取した気持ちで溢れている。観ることができて良かった本当に。

私の中でミュージカルのイメージは間違いなく大きく変わった。某有名劇団の作品は見たことがあったが、突然歌い出し何事も無かったかのように演技に戻るあの感じに、何とも言えぬむず痒さを覚えてしまうタイプだった。

この作品は違った。ストーリーの中に楽曲が馴染み、その楽曲たちもインパクト大でひとつひとつが終わるごとに割れんばかりの拍手を送りたくなるものだった。何よりみんな歌が上手い。めちゃくちゃ上手い。凄い。

主演の京本大我さん、貴方には主演でなければ違和感があるほどのオーラと歌唱力がありますね。普段の活動では忘れているけれどやはり外に出るとガタイがいい。そして高音と低音の良いとこ取りのような独特で伸びやかな声質。グループのときとは種類の違う歌声と存在感。あんなに自然に役に入り込んだ余裕のある演技ができるなんて。私はまだまだ貴方の一面しか知らなかったんだねという感じ。きょもちゃんの実力をみくびっていたよ。トップクラスのミュージカル俳優、実績と評判通りだったんだね。大袈裟に聞こえるかもしれないけれど、正直圧倒された。これから見る目が変わってしまう(笑)それくらい素晴らしかった。

語らずには居られないのが加藤清史郎くん。言わずと知れたこども店長。もはやそんな過去の肩書きで呼ぶのは失礼がすぎる、と思うほどに圧巻の演技と歌声だった。個人的には彼の声が一番心に響いて引き込まれた。話すときとはまた違う声質で真っ直ぐに耳から入り心まで届く太い線のような。もっと聞きたい、そんな気持ちにしてくれる歌声だった。元々の声を聞く限り、きっととても努力をして得たものなのだと思う。無論みんな努力はしているのだけれど、とびきり、人一倍。私はそう感じた。

ひとつひとつ語ったらキリがないから絞るけれど、広大くんもマツケンさんも全員が素晴らしかった。作品として非常にクオリティが高く、あっという間の3時間だった。時節柄の影響による昨年の中止を受け、1年半越しの公演。このカンパニーで幕を上げられたこと、今舞台の上で表現できることが嬉しくて楽しくて幸せで仕方がない、そんな思いが伝わってきた。飾りすぎた言葉に聞こえるかもしれないけれど、本当にそう感じた。だからこそこうして熱い文章を書く手が止まらない。

ひとつだけ欲を言えば、キスシーンは1回でよかったのではないだろうか(笑)回数を重ねることによって、1回の重みが減ってしまった気がする。まるでディズニーの世界から飛び出てきたような、美しいプリンセスとプリンスに見える素敵な描写だったが、しそうでしない状況を何度か見せ、最後についに…の方が見てる方の満足感も高まりそうな気がする。友人も、たまたま後ろを歩いていた人たちも同じことを言っていたので笑ってしまった。

何はともあれ、ひとりでも多くの人に見て欲しい。好きな人が出てるから、ディズニーが好きだから、ミュージカルが観たいから、なんでもいい、どんな理由であれ作品として受け取りに行けばきっと、予想以上の衝撃と感動を得られることに違いない。こんな風に熱く感想を語り人に勧めたくなるほどいい演劇を観れたことに感謝だし、この作品を提供できるよう諦めずに努力を続けてくれた関係する方全員にありがとうを伝えたい。

ひとりでも多くの人の心に届き、全員で全公演を無事に完走できることを願います。

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