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さりげなく、優しい。
早朝4時のバスに揺られ、東京から飛行機と電車を乗り継いで大分県の竹田に向かう。
車窓から眺める景色が建造物から自然へと移り変わる中で、「寂しくなったらどうしよう」とか「地元の人と仲良くなれるかな」とか、竹田という田舎での“一人暮らし”に対しての不安も感じていた。
でも、それは竹田の皆さんと挨拶を交わすことで心地よさと胸の高鳴りに変わっていった。
竹田に来て心地よかったことが2つある。
まずは、街並みと自然にとても癒された。風情ある武家屋敷の街並みを散策したり、音楽を流して風を浴びながら田園風景をドライブをしたり、温泉でくつろいだり、鳥のさえずりで、はじめての朝を迎えた“ほしとたきのいえ”。
東京での生活に慣れた私にとって、自然と調和した街並みや、乱れのない田園風景や、透き通る湧き水などが、新鮮に感じられたし、満たされていく気がした。
そして、竹田の皆さんの距離感がとても心地よかった。大袈裟なくらい熱烈に歓迎するわけでもなく、かといって、よそ者を見る冷たい目でもない。それでも、挨拶を交わすと、どこか優しさを感じられる。そのくらいの距離感が私には心地よかったし、自然に溶け込めるような気がした。
それは竹田に移住者が多いことの影響なのかわからないけど、都会と田舎をやみくもに対峙させたり、外から来た人を部外者として見なかったり、そんな多様性が竹田にはあるのかなぁ、なんて思った。
もし、綺麗な自然だけなら竹田以外の地方にもいっぱいある。それでも、竹田に移住者が多い秘訣は、もしかしたら、“さりげない、優しさ”なのかもしれない。もっと竹田を知りたいと思う。
これから新しく始まる竹田生活を想像すると、私は笑顔になった。