見知らぬ現実を夢にみた朝
見たくなかった映像が夢で上映された。
それは現実になっていそうな映像で、見ずに済んだものを創作してみせられた私は悲しい気持ちで目を覚ました。夢システムってバグじゃないの。
意識して行う空想と違って、夢の映像は話の展開をコントロールできない。自分の見たい空想を上映してくれたほうが幸福に生きられるのに、なぜ傷つくものを見せられてしまうのか。
無意識に沈んだ自己が、夜になると表に出てくる。でもその自己の欲求を、現実に生きる私は叶えてあげられないので、物語でも読んで聞かせるしかない。
代わりにこれを読んで涙を流してくれ。
代わりにこれを聞いて感動してくれ。
私が鈍くなったのは、そうしていないと耐えられないからで、できる限り目を逸らしていたい。むしろ私が無意識下に沈みこみたいよ。
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