雑記:上手に脱げない。
映画が見たい。
あなたの隣で、映画が見たい。
無防備な部屋着で、
肩に寄りかかって、
膝に寝転んで、
髪を優しく撫でられながら。
ドーナツをかじって、
ミルクを飲んで、
エンドロールを眺めながら微睡みたい。
守ってほしい。
甘えたい。
見ていてほしい。
優しくしてほしい。
欲しがってばかりでは
何も手に残らないことなんて、
よぉくよぉく分かってる。
求めるよりも与えよと、
それが人として正しい姿だと言うのなら、
じゃあどうして世の中には
傷つく人が絶えないのでしょうか。
与えてばかりでは苦しいことに、
気づいてしまったからではないでしょうか。
大切なものを守るためには
自分の悲鳴に耳を塞がなきゃいけない。
どうしたってそんな気分になってしまう。
だから鎧を纏う。
悲鳴をあげずに済むように。
剣を振りかざす。
誰もわたしに近づかないように。
苦しい。息ができない。苦しい。
本当は、もっと軽やかに生きたい。
賢く生きたい。
しなやかに生きたい。
人を受け入れて、
人から受け入れられて、
まぁるくて、あたたかい人間に!
なのに、上手くやれない。
人生を乗りこなすことは、
今の私には難しすぎる。
これは一生続くのか。
人生は面倒くさい。
失いたくないものが増えるほどに、
泣きたくなる日も増えていく。
だから、夢を見させてください。
この一瞬だけでも。
明日からまた頑張るから。
強く、優しく生きるために、
わたし頑張るから。
当たり前のように鎧が脱げる。
そんな世界の夢を、見させてください。