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それぞれの事情

今日初めてクラスメートの一人に話しかけた。

授業終了後いつもモタモタしている私は大体、一番最後まで教室にいるのだが、今日はまだ一人机に座っていたので、声をかけてみた。

「この学校に来て長いの?」
「2年前から来てるわ」

「何の勉強をしているの?」
「化学。看護婦になりたくて。今、病院で働きながら、ここに来てるの。
でも子どもが2人いるし、毎日は来れないわ。」

「そうなんだ。私も子どもが3人いて、仕事もしてるから、朝の4時間だけ来ているんだけど。あなたも大変だね。」
「でもあと化学の試験を一つだけパスすれば、終わりなの。」

「そっか、がんばってね!」
「あなたも。」

長いドレッドヘアをところどころ赤く染めて、高いところでまとめている黒人の女性。何歳ぐらいだろうか。私より上かな、下かな。子どもはもう大きいって言ってたけど。

みんなそれぞれ事情があって、この学校に来ているんだなぁ。
全体的にみんな若そうだなと思ったけど、よく見ると働いている人や子どもがいる人も結構いるのかもしれない。

たまにトイレで女子がおしゃべりしているのを見ると、本当にまだ10代とかで、若くて、キラキラしているように見えるけど、なんらかの事情で高校を卒業していないのだから、それなりに色々と抱えていることもあるのかもしれない。

割と年齢が高そうな人たちは、移民が多そうだ。人によっては高校卒業資格がないので、資格をとって、セジェップ(大学前に入るカレッジ)や大学など、次のステップに進むために勉強しているのだろう。

私は1科目だけの受講なので、午前中だけなのだけど、ほとんどの人たちは、毎日8時30分から15時54分まで一週間みっちり授業がある。
この学校の中でほとんどの時間を過ごさなければならない。ランチを食べたり、休憩時間に話す友達もいるだろう。

この小さな学校の中で、様々な年齢の、様々な国籍の、様々な理由を持つ人たちが集まって、自分の目標のために勉強をしている。

勉強すること、勉強してテストに合格をすること、これだけが私たちの共通点。だけど普通の学校よりも、もっとずっとずっと真剣で切実だ。
遅刻してきても、机につっぷして眠っていても、先生たちが咎めることはない。みんなそれぞれの事情がある、ここには誰に強制されたわけでもなく、自分の意思できているのだから。

読んでくださり、ありがとうございました。
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