刃物は歯なのだ。
先日、仕込みで嫁さんにゴーヤ切るのをお願いした。ゴーヤの個体によって大きさがまちまちで伝えるのに一苦労。
これくらいの大きさにと見本も切ってお願いしたのだけれど、見ているとどうも違う。ゴーヤは苦味が強い野菜で、大きさや厚さによっては苦味が不快に感じることもあるから神経質になる。
自分の感覚を多角的に言語化してみて、色々な伝え方を試しながら、ボクは野菜を切るときに口に入れて噛んだときをイメージしながら切ってるんだなと徐々にわかってきた。そんな事普段は意識したこともなかったけど、料理を得意とする人はきっと無意識にそんな風に料理をしているんだと思う。
ゴールが見えてなきゃ。
どう切るかは、どう食べるか。
その後に生で食べるのか、火を入れるならどんな火の入れ方をしてどう食べるかのイメージがないと切れない。
「切る」は料理のスタートの作業で、とても大切な作業だ。例えば人参をどう切るのか。薄くスライスなのか、サイの目にきるのか、千切りなのか乱切りなのか。それぞれ口に運んで噛むときに食感が違う。
レシピに乱切りと書いてあっても、どれくらいの大きさなのかで噛み応えも食感も違うし、火を入れるなら火入れの時間も変わってくる。
つまり料理をしながら、お皿に乗せて食卓で食べている時を想像するチカラが必要だと思う。
JUST DO IT!!
では、どうすればいいのか。
やるだけ。です。なにごとも上手になるにはチャレンジしてみて失敗を重ねて、出来るようになりますよね。自転車だって最初は乗れない。漕いで転んで、怪我して泣いて、やっと自転車に乗れるようになるんですから。やってみて、食べてみて「あっ次はこうしよう!」となって初めて身につきます。ときには失敗して「トホホ」な夜もあるでしょう。
そこが料理の楽しいところなんだけど、今そんな余裕がないという人。わかりますよ。ガッツリ働いて疲れて帰ってきて料理を楽しむ余裕なんてないと。そりゃそうです。
でも、毎日コンビニやほか弁、冷凍食品を食べてて嫌になってるでしょう。少しだけ、週に1回だけでも増やしてみませんか?土井義晴先生が薦めてる「一汁一菜」がいいです。まずはご飯を炊いて、味噌汁を。あとは買ったおかずでもいいじゃないですか。面白くなってきたらおかずにもチャレンジくらいの軽い感じで始めましょう。
味噌汁で具材を切ることを経験します。素材によって火の入り方も歯応えも違う。素材の個性を知ることが楽しくなってきたら自然と刃物が歯であることを知ることでしょう。
土鍋で炊くご飯(動画付き)
普通の鍋でも炊けます。もちろん電気炊飯器でもいいのですが。念のため貼っておきます。今度はお味噌汁も書きますね。