タンゴドレスのスリット事情
ドレスのスリットから流れ出るハイヒールの長い脚..…タンゴのイメージど真ん中😍 あの魅惑のスリットがどのようになっているか、ご存知ですか?
(タイトルイメージ from TangoBA)
バレエはチュチュ、フラメンコはファルダとくれば、アルゼンチンタンゴは長~いスリットが入ったドレス。……いつかは黒のキラキラのを着てやるぞ、とか、(レッスンはじめる前に)もう買っちゃったもんね、とか、着る方もなかなか平常心を保つのが難しい魔力をもつダンス・コスチュームですよね。
1本、2本、3本、それとももっと?
さて、このスリットには魅せる機能と踊りのための機能があります。魅せるほうは、言うまでもなく、ダンサーの美しさを際立たせるためのものですので、位置も長さも本数も、デザイン次第です。
踊るための機能は、足がスカートに妨げられず自由に動くようにするという事です。なので、サロンで踊る(動きが小さめ)、スカートの生地が伸縮する、スカート丈が短め、フレアスカートなどの時は、スリットがあってもなくてもほぼ問題はありません。
一方、ステージやデモなどで大きな動きをタイトなドレスを着て行う場合はスリットが必要になります。これもデザインや好み場所や本数はいろいろですが、1本目は右足前に入っている場合が多いです。これはアブラソがフォロワーの右側で開いているので、大きな動き(キックなど)はフォロワーの右脚ですることが多いからです。(図1左端)
2本目は後ろのセンターに入っている場合が多いです。長さは前のより短かめで、長くてもおしりが隠れる長さです(図1左から2番目)。このスリットがあるとリーダーのガンチョも裾に引っかかることがありません。また、シンプルな動きでも脚が見え隠れし、フォロワーの後ろ姿をより魅力的に見せてくれます。
この2本スリットの変形として、タキシード型というか、前のスリットを斜めに広げて、後ろをセミの羽根のようにしたものもあります。(図1左から3番目)タキシード型は前が大きく開いているので、裾の動き方も、前後2本型と印象がかなり違います(図2)。
3本目以降の位置は様々ですが、左足前にはいると右足前のと合わせて足が引っかかることはほぼないので、スプリッツだろうがヘリコプターリフトだろうがドーンとこい!です。(図1右端)
それでも時々コスチュームアクシデントはありますが、まあ人生いろいろあるさ。リスクを取らずしてゲイン無し(?)めげずにスリット入りドレスにチャレンジを続けましょう、タンゲーラス🌹
©2024 Rico Unno