ジェンダー問題の話をしようか
<この記事で話すこと>
・ジェンダー問題の根本は、女性のガラスの天井だ
・ガラスの天井の正体
・ガラスの天井を突き破るには
私は6歳からバスケットボールを始めました。
最初はボールが欲しくて欲しくて、ヘイヘイねぇちゃんと言われるほど、ずっとコートの中でボールを呼んでました。
4年生くらいになると私は夢ができました。
それは
6年生までにダンクをすること
できると思っていました。
スーパー行けば、釣り看板見つけて跳んでました。(母に怒られてました)
標識看板も届くんじゃないかと思って跳んでました。
ジャンプ力が上がると聞いて、つま先立ちをやってました。
あるときはつま先歩きで登下校していました。
とにかく跳びたかった。リング触りたかった。
背はあまり大きくはならず、中心メンバーの中で一番小さかったです。
小6で156cmでした。
いよいよ小学生のあいだにダンクの夢は叶わず、それ以降はダンクの興味はなくなりました。
大学までバスケは続けました。
162cmまでしか伸びず、苦労はしました。
大学の練習でランニングジャンプのトレーニングがあり、
その時には、ネットの真ん中を豪快にタッチできるくらいにはなっていました。
ところが、監督は、「ボードを触れ」と言います。
はて?
ボード??
触ろうとも思ったことがなかった私でしたが、
跳んでいるうちに、もしかしたらこれは届くのでは?と思い始めたのです。
170cm超えの後輩が、ボードの角につけられたパッド(写真の赤の部分)に届き始めたからです。
あいつより10cm高く翔べば届くやんな。
(単純計算すぎます。手の長さもその分差があったはずなので、恐らく15cmは高く跳ばなければいけなかったはず)
そう思ったらいける気がしたんです。
そうして、とうとう私も、届いたのです!
あの時の指が捉えたパッドの感触と新しい世界を見た興奮は今でも鮮明に思い出せます。
21歳の時でした。
さて、今、女子高生の指導をしています。
女子と言えば、ぜんぜん跳ばない。
レイアップシュート(庶民シュート)と言えば、
ですよね。
でもこれ、女子には通用しません。置いてくるってなんやねん。
置いてくる、ってやったら、ボールぽとって床に落ちるだけです。
いかんせん、跳ばないので。
で、ですね。
私はこの庶民シュートをまず、跳び方から指導しています。
知らないんですよね、跳ぶ動作を。
跳ぶ前には反動をつけるってことを。
走ってそのままちょっと浮く。これが女子ジャンプです。
でもね、女子だって本当は跳べますよ。
今日はまさに、ランニングジャンプトレーニングをやりました。
少し道具を使いながら、蹴り上がるという感覚を養い、ジャンプ動作につなげます。
で、ランニングジャンプをやらせたところ、まぁ、ネットを触ろうとはしないですね。
そこで。
集合かけて話をしました。
私が見ているチームの子達は非常に素直です。
ちょっと励ますと、本当によくチャレンジをする子達です。
この話をしたあとは、びっくりするほどジャンプが伸びました。
155cmくらいしかない女子が本気でネットを触ろうと、
少しでも長くネットが垂れているゴールを選び(笑)
何度も挑戦しました。そして、本当に、もう触ってるでしょ?というくらい跳んでいました。今月中には誰か触ると思います。
そしたら、次々に触れるようになるんだろう。
「私が一番最初に触るんだ!」
そういう気持ちになってくれる前向きな子達です。
練習の合間の小休止でも勝手に跳んでいました。
素晴らしい変化だと思うのですが。
さて。
この話から、私が言いたいのは、
女性につきまとう「ガラスの天井」についてです。
スポーツをやっていると、この「ガラスの天井」はまぁ本当に痛感するほどどこにでも現れます。
今の話で言うと、「ガラスの天井」は
女子には跳ぶロールモデルがいない故、無意識に跳ぶことを諦め、
跳ばなくてもいいことになっている。
「ガラスの天井」とはよく言ったもので、
一見そこに天井があることに気づけないのです。
気づけないから破らない。
女性が社会で生きていくなかで、
そこに「ガラスの天井」があることに気づけず、無意識のうちにいろんな選択肢を手放して生きている。
なぜ気づけないのかといえば、あまりそれで悔しい思いもしないし、困らないからです。ある意味日本は平和。
気づけないからこそ、日本は女性の社会躍進に遅れをとっているのでしょう。
結局この「ガラスの天井」の正体って何かというと、
女性自身が”できる”とすら思わないことなんだと思います。
女性自身の能力に気づいてないことなんだと思います。
ではこの「ガラスの天井」を破るためには。
それは、「励ます」ことです。
社会では、それを「女性のエンパワーメント」と言います。
私、このなんでもカタカナにするの、良くないなと思っています。
言葉を難しくして、インテリになったつもりで、
結局何をするのかぼやける。
シンプルにいきましょう。
みんなで励まし合う。できるよ。と伝える。信じる。
ただこれだけなんだと思います。
「絶対届くから」
この言葉を受け取ってくれた生徒たちは、本気でジャンプしました。
これが「ガラスの天井」を突き破るということです。
スポーツの力は、今の日本女性にとって、大きな価値があると私は思っています。
私が見ている子達は、「励まされる」経験をすることができます。
人は「励ましてもらう」と少しパワーが大きくなる、それを体験することができます。
「励ます」価値を知り、信じることを通して、現実創造する経験は、
そこに「天井」があると気づき、突き破るパワーとなる。
それを知っている女性が増えれば、社会は変わります。
人口の半分は女性です。
世の中はほとんど数で動く。
であれば、世の女性が目覚めれば、必ず変わる。
だって半数ですもん。
ということで、世の女子たちよ。
スポーツしよう!!
現実を創造する力をつけよう。
私たちは、なんでもできる。
そう思わせてくれて、PCに向かわせた生徒たちの姿に私は感謝しています。
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