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【全てが許された一晩をどう過ごすか】

法律がなかったら、こんなことをしてみたい
というのは深層心理で考えてしまうものでは無いでしょうか?

全てが許された一晩を、皆さんはどのように過ごしますか?
今回は、そんな秩序が崩壊した世界を描く
映画『パージ』についてお話ししていきます。

概要

本作品は「パラノーマルアクティビティ」シリーズの
制作ジェイソン・ブラムと
「トランスフォーマー」シリーズのマイケル・ベイの
共同プロデュースである大ヒットスリラー作品

製作費は、かなりの低予算でありながら
世界興行収入は8000万ドルを超えるものとなりました。

人気そのままにシリーズ4作品が作られていますので
今回は第1作にフォーカスして話していきます。

※以下、ネタバレを含みますので、ご注意ください。

あらすじ

パージ

アメリカでは犯罪が急増し、刑務所は犯罪者で溢れかえる始末に。
人々の生活を裕福にするため、安全を維持するためという名目で
政府は1年に1回、12時間だけ殺人を含む全ての犯罪が
合法化される法律『パージ』を政策として定める。

警察は出勤せず、病院は医療活動を行わないといった
救急サービスは完全に停止、街は無法地帯と化す。

妻と二人の子供と安全に過ごすためにセキュリティ会社に勤める
主人公ジェームズは家族と共に完璧なセキュリティの家で過ごすことに。

しかし、パージ開始とともに訪れた一人の男を匿ってしまったことで
安全だったはずの一夜が悪夢と変わっていく...。

人の善意が崩壊する

世界観が非常に秀逸で、法律として普段の法律が適用されないという
矛盾した設定が見る人の意見を分ける作品の一つだと思います。

全てが許されるとしても、誰かに狙われるなら
黙って家でこもって一晩過ごしたいと思うのが普通の考えですが
登場する人物の大抵がスリルを求めて、街に駆り出しているのを見ると
もし、現実で適用されたならとも考えてしまいます。

普段は親しくしている隣人でも、実は何を考えているかが
わからないのが、この作品の面白いポイントでもあります。

正直、自分は何を考えているか分からない暴徒など恐怖でしか無いので
ガチガチに固めた家で映画を見て、一晩過ごしたいと思います。(悠長)

貧富の差を皮肉に表している

序盤に登場するホームレスは、この映画におけるキーパーソンなのですが
この男を追っている集団はパージ賛成の過激派であり
社会的弱者をつけねらうという描写が皮肉に表しているのではないかと
見た上で抱いた感想です。

貧しいものが減れば、社会は裕福になるという
利己的な思想の持ち主が多ければ多いほど
このパージという政策は賑わってしまうのではないかと
疑念すら抱いてしまうのが、この作品の恐ろしいとこでもあります。

裕福なものは、武装して己の欲望を満たそうとし
持たざる者は狙われるだけの立場であるという部分を
上手く表している部分も随所で見られるので
自分であればと、どのキャラクターに感情移入するかによって
見方も変わってくるので、どの立場でありたいかと考えてしまいます。

心に余裕があるか、ないか

このパージという政策においては、心の貧しいものほど順応し
自分よりも弱い立場であるものをターゲットにする
また、あるものは羨望の眼差しが悪意に変わり
それが行動として許されてしまえば、直接的な殺意に変わるのだろうかと
考えさせられる作品でした。

おそらく、このパージが実際に適用されたとすれば
社会は良い方向にも、悪い方向にもシフトしてしまう。
現実問題、ホームレスや生活保護受給者などの人たちに対して
厳しい意見を述べる風潮が昨今ではあるように見えるので
政策として行われていないだけで、もう起きている事なのかもしれない。

purge=浄化というような意味があるが、個人的な思想のもとに
身勝手な粛清を考えないように心に余裕は持っていたいと思える。


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