見出し画像

「出世追求型」より「コスパ追求型」?会社員として目指すべき理想型

昨今の起業ブーム、副業ブーム、FIREブーム・・
どれも共通して「会社に縛られない生き方」がトレンドとなっている。
しかしそんな今だからこそ私は言いたい。

みんな、会社員をナメすぎていると。

起業してうまくいく想像はいくらでもできるのに、会社員としてうまくいく想像力が乏しすぎる。
そもそも会社員として享受している恩恵を忘れすぎている。

ここでは、ゴリゴリの会社員である私が会社員でいることのメリットとそのメリットを最大限活用するためのスタンスについて私見を繰り広げたい。

会社員としての理想型

まず、会社員を極めたものが辿り着く最終形態はふたつある。
基本的には会社員として「うまくいく」状態というのはこの二ついずれかの状態になることである。
例外はない。

出世追求型(昭和型)

まずは高度経済成長期からの王道、会社での出世を追求するパターンである。
とにかく昇給と上の役職を狙ってガン攻めし、最終的に目指すのは社長である。社長になれずとも役員や重要職に就くことでその高い報酬や社内外での待遇を受け尽くす。

なお、最初に入社した会社のみでこれを目指すのは完全な「昭和型」だが、発展形の「平成型」として転職を組み合わせるパターンもある。
より高い報酬が見込める企業への転職や、一気に別会社の上職へ転職してショートカットするなど、より高い報酬へより早い時間で到達するためのスキルが必要になる。

最終的に受けられる恩恵は安定した高い報酬に加えて社会的な地位も付随する。バックに会社の名前があるおかげで、自分一人ではなしえないチヤホヤのされ方をする。
マックスでも雇われ社長なので報酬自体は、成功したオーナー社長には及ばないが、そのチヤホヤのされ方たるやまさに酒池肉林であろう。

年収3000万円越えの上場企業役員あたりがこのモデルの最終理想形と言えるだろう。

一方でこのモデルは「コスパが良い」とはとても言えない。
出世までにはその時間やメンタルの大部分を犠牲にして会社に捧げる必要がある。
そのうえ必ず成功する保証もないという大きなリスクを伴う。
そこで昨今増殖しているのが次の「令和型」である

コスパ追求型(令和型)

出世という道を完全に捨てながら、最大コスパでその報酬を得ながら「会社員」というメリットを享受し尽くすのが令和型の会社員成功モデルである。

とにかく最小限の時間で、最小限のストレスで同じ給料がもらえるように工夫を凝らす。
あるいは、どうせ働くのであれば「自分の成長に役立つ仕事」「次のキャリアへ役立つ仕事」を選択し、出来るだけそのような有意義な仕事に自分の時間を費やせるように工夫や交渉を行う。

会社での出世を捨てているので会社員としての報酬はそれほど見込めないように見えるが、コスパ重視で転職や交渉をうまく使うことも多いため意外と給与水準は高い。
また、副業などで別の収入減を持っているケースも多い。

年収1000万円越え(+副業収入)の非管理職といったところが彼らの理想形だろう。

出世追求型とコスパ追求型は実は相性が良い

この2パターンは水と油の関係のようにも見えるが、論理的には相性が良いと言える。
なぜならお互い、利益相反が起きないからである。

出世追求型の敵:同じく出世を狙う同僚
出世追求型の味方:自分を評価する管理職と味方に付いてくれる同僚

コスパ追求型の敵:自分を管理する管理職
コスパ追求型の味方:面倒な仕事を引き受けてくれる同僚

このようにコスパ追求型は出世を譲る代わりに面倒な仕事をしたくないし、出世追求型は面倒な仕事を喜んで引き受ける代わりに自分を推薦してくれる味方を増やしたい。
完全に利害が一致するのである。

出世追求型をリーダーとして矢面に立たせ、その下に役割分担が得意なコスパ追求型の社員を複数付ける体制が仕事を推進するうえで理想形である。

現代社会で目指すべきは「コスパ追求型」

ここからは完全に独断と偏見まみれの意見だが、現代においては会社員全員が「コスパ追求型」を目指すべきである。
なぜならそちらのほうが人生の選択肢が多くなるからである。

例えばコスパ追求型であれば出世追求型がほぼ取れない次のようなオプションが使える
・疲れたから休む
・遊びたいから休む
・飽きたから転職する
・子供が生まれたから育休をとる

このようなオプションは従業員としての権利でありながら、実際には出世を放棄した自由な社員の特権と化している。
評価や見え方を気にしなくてよい、部下もいないので怠惰な姿を隠す必要もない、そんなコスパ追求型の社員はこういった人生に影響を与える選択肢を躊躇せずに行使できる。

そして会社員であることの最大のメリットは「これらのオプションを行使しながらお金がもらえる」ことにある。

有給で休んでいても給料がもらえるし、転職の際には有給消化で数ヶ月休めるし、育休中は育児休業給付金が国からもらえる。
起業や独立をしていてはこうはいかない。非常に恵まれたオプションである。
にもかかわらずこれらのほとんどを放棄する出世型は会社員であるにもかかわらずそのメリットを放棄している。

以上から、会社員としてのケタ違いのメリットをより享受するためには「コスパ追求型」がフィットしていると言わざるを得ないだろう。
知らんけど。

いいなと思ったら応援しよう!

Ricky
サポートいただいた場合は全額クリエイターとしての活動費に利用させていただきます。