Resoniteの1ユーザーから見たソーシャルVRの違いと考察
こんにちは、rickyです。
この記事はバーチャル美少女ねむさんの以下の企画に参加する記事になります。
1ユーザーとしてソーシャルVRの興味深かった点、また調査内容を読んで今後どうなるのかを考察する記事になります。
はじめに
執筆者である私の情報を記載しておきます。
ricky
VRCでは2019年頃から
Clusterは2021年頃から
NeosVRは2021年頃に
から遊んでいるユーザーになります。
現在は主にNeosVRから派生したソーシャルVRであるResoniteに顔を出しています。
遊び方の特徴はワールド探索とフレンドとの会話、LTの場としてや技術的な検証・実験を行うために利用しています。
こんな記事を書いたりすることもあります。
プレイ時間こそディープなユーザーには及びませんが、かなり長く遊んできたのでそれなりに1ユーザーとしてソーシャルVRの動きを見れてきたと思います。
本題
どこに注目したか
気になったのは3点になります。
・Neosの特徴は?
・経済圏は?
・ユーザーのVRに対する考え方は?
以上の3点に対して資料を抜粋しながら軽く考察をしていきます。
Neosの特徴
年代と目的の情報があったので抜き出して見てみます。
10代の数が多いようです。
一般的に若いプラットフォームは勢いがありますが反面細かな整備などは追いつかないこともしばしばあります。
実際NeosVRでもドキュメントの整備や情報の共有が比較的苦手な印象だったため実態に即していると思います。
目的を見るとNeosはワールドやアバター制作に特化しています。
よくVRCのユーザーからNeosはクリエイティブすぎるから敷居が高いといった内容を話されていることを耳にしたことがありますが、そういった面がグラフにきっちり現れた印象です。
これら2つの情報から特徴としてユーザーの年齢層が比較的若く、作ることに意欲的な人間が集まっているようです。
VRで作ることに対して意欲的な若者と話したいという場合にはNeosは大きな優位性がありそうです。
経済圏
経済圏は今後のソーシャルVRの行く末を考えるにあたって重要な要素の1つでしょう。
なぜならお金の発生しない環境は交流が乏しいということでもあるからです。
言うまでもないことですが、金銭で何もかも計算することを賛美しているのではなく、他人同士の物のやり取りにはお金の存在が必要不可欠であるため注目に値するということです。
お金の動きが活発でないということは物々交換や内輪の空気になってしまっているということであります。
そこでこれらの要素に着目してグラフを見ていきます。
年間の支出が5万までの方が半数、収入額はあっても10万円ほど。
正直年間の収入が10万程度ではかなり弱い経済圏という評価になってしまいます。
年間で10万ということは月1万いかない計算なのでこの収益だけで生活していくのは現状難しいでしょう。
これをいかに大きくしていくかがソーシャルVRが一般化するかの分かれ目になりそうです。
良い傾向としてソーシャルVRから物理の購買意欲を掻き立てているというのは重要なポイントでしょう。
ここから経済圏が大きくなる可能性を秘めているのでユーザーがソーシャルVR経由で何かを買う動きがより活発化すれば様々な企業がより参入してくるでしょう。
そうなればやり取りされるお金の量も増えるので経済圏が大きくなることでしょう。
ユーザーの考え方
ユーザー自体がVRで生きていくことについてどう考えているかも重要です。
ユーザーがいなくなれば経済圏どころの騒ぎではないので大前提としてVRで生きていきたいという人がどれだけいるのかを知っておくことは重要です。
意外と少ないという感想でした。
もちろん収入が安定している事例が少ないのが影響してる気はします。
主軸に生活していけるだけの収入、例えば日本なら年収の中央値である440万(※1)以上の年収が確保できる方が増えればこの数値はもっと上がる気はします。
総括
まだまだ小さい経済圏で中で見てきたVRの可能性は多くの方に伝わり切っていないという印象でした。
私はもうVRは当たり前に感じてHMDを大体みんな持っているくらいの感覚を抱いてましたが、それは私自身のズレた見方であったようです。
今後の動向
ここではこれまでの流れを振り返りつつねむさんの内容と併せて今後の動向を予想していきます。
ソーシャルVRにそれなりに長く遊んできたので当時の空気感や人が来てにぎわっていったのを間近で見てきました。
まず顕著な部分はモデルの精巧さの向上が挙げられます。
私が遊び始めた頃の2020頃はまだ粗さが目立ち情報の取得も不便だったためかX(旧Twitter)で技術的な質問や実装が飛び交う空気がありました。
またSFチックな物や不思議なもの、幻想的なものが多かったと記憶しています。
おそらくその頃はユーザーの毛色が技術愛好家やディープなゲーマー気質の方に支えられていたので現実の延長戦というよりファンタジーの世界を追いかけるというニュアンスが強かった気がします。
2021年頃からはLiDAR技術の浸透により現実をベースにしたモデルが比較的増えてきました。
かいつまんで説明するとLiDARとは現実空間の3Dモデルを比較的簡単に生み出せる技術のことであり、当時の最新機種のiPhoneを用いれば簡単に3Dモデルが生成できるものです。
iwamaさんという方の書かれた以下の記事が大きくヒットし、私もイベントなどで軽くお手伝いさせていただいた経験があります。
またこの頃になるとyoutubeでもblenderの無料動画の講座が増え、意欲のある方が時間さえかければそれなりの物を作り上げることができるようになりました。
誰でもモデルを作れるというのがより顕著になってきた印象です。
この頃になるとユーザーの毛色もテレビでVRCを知ったという方や大学の研究室で知ったという方が増えてきて現実の延長線上になるようなワールド
が増えていきました。
(国立情報学研究所の講演会でHMDを被ってVRChatの話がされている)
そして現在
Vketというバーチャル空間での展示会イベントとも言えるイベントはどんどん右肩上がりで協力企業の数を増やしています。
少し前ではただのゲームという見方さえされていたのに対して、現在ではもう企業の広告戦略として考える時期になってきたのかなという印象です。
また国連でねむさんが発表されるという快挙はソーシャルVRの大きな躍進につながったのではないでしょうか?
こういった動きから小さかったコミュニティがどんどん大きくなっている機運を感じています。
これからの予想
一般化すると考えています。
ソーシャルVRの活用で地方の人間であっても交流会やイベントに参加できるメリットは大きく、また空間をデザインすることで生まれる付加価値は大きく活用されていくことでしょう。
HMDの価格の安定化や始めるにあたっての情報が増えたことで今まで躊躇していた層がなだれ込んでくるでしょうし、まだまだ大胆な発想や創作意欲を受け入れられる場所であると思っています。
今後はどのアバターを着ればいいのかがある程度決まってくるでしょう。
初心者は『コレ!!』というように自分で選ぶのが苦手な方が選択できるファーストチョイスが整備されていくでしょう。
また現実のように格好に何かしらのマナーが付くことが増えるでしょう。
現代でも企業の面接にどんな格好でいけばいいのかがあるように。
大衆化するということはある程度マニュアルが整備されていくことでもあるのでその手の最適化は行われることでしょう。
セカンドライフの二の舞を避けるために色々な方がVRの周知と尽力があった気がします。
X上でもこれを出していいのだろうか?とか初心者の方にどう案内をしてあげるべきかが議論されたり洗練されてきました。
そういった各ユーザーの小さな努力や情熱が実を結び公的機関の情報サイトにVRCの情報が載ったり、国連にねむさんが参加するという快挙につながったのでしょう。
ここまでVRという言葉が社会に浸透したのでそう簡単にはなくなることはないでしょう。
それでも犯罪行為の温床になってしまったり、未成年者に被害が出たり、著作権絡みの問題が出てしまえばここまで築きあげられた文化や醸成された空気が損なわれかねないのではないかという危惧もしています。
最後に予想ではなく想いになりますが、VRの可能性は無限にあると信じています。
だからこそこの素晴らしい空間をもっと色々な方に味わってほしい。もっとVRで人と人がつながってすごいコンテンツが生まれてほしい。
そう思っています。
最後に
やや否定的に見える論調に感じられたかもしれません。
ここでは技術的な素晴らしさや発展性ではなく愚直にデータから見えてくる見方を書いたのでそうなってしまっています。
これは私がVRの世界を知って感じた素晴らしさ、楽しさが大勢の方に知られることで人と人のコミュニケーションがより広がり、さらに良いものになると信じているため、このデータ以上に活発化すると考えているためです。
まだまだVRの世界は拡張し多様なアイデアから素晴らしいものが生まれることでしょう。
私は初めてHMDを付けてVRCの世界を味わった時から未だに感動と可能性にワクワクしています。
そして何年後なのかはわかりませんが誰もがVRを利用できる社会が来るだろうと確信してます。
最後にここまで読んでくださった方へのお礼とVR技術を生み出した研究者の方、ソーシャルVRを作り上げた技術者の方、ソーシャルVRのことを肯定的にとらえて情報発信をしてくださった報道関係者の方、VR空間を愛して人助けをしたり、イベントを開いて盛り上げた方、そして何より積極的に情報発信を行い丁寧な調査を行ったねむさんへの感謝の言葉でこの記事を締め括りたいと思います。
ありがとうございました。
参考文献・資料
※1 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa21/dl/03.pdf