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「うんこ」を連呼する子へ
先日あるクラスの前を通ったら、わらわらと子どもたちが出てきて取り囲まれました。
え?何なに?
リッケン先生、今日誕生日ですよね?
とハッピーバースデーを歌い始めました。
騒ぎを聞きつけた隣のクラスの子どもたちも合流しハッピーバースデーの大合唱。
廊下が幸せいっぱいの空気に包まれました。
何で知ってるの?
担任の先生が教えてくれたよ。
す、素敵すぎる〜😭
担任の先生は、私を喜びと感動に包み込んでくれました。近フルエンサーですね。
アラフィフ教務主任のリッケンです。
今日は、「うんこを連呼する子への対応」です。
先日、渡辺道治先生のvoicyの中で投げられていたテーマです。
担任の先生方ならば、「うんこ」の連呼、「ち○こ」の連呼など、集団の中での不適切な発言に頭を悩ませたことは1度や2度ではないでしょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1716984107553-V00W1Xe6Q7.png?width=1200)
若かりし頃の私は、
太郎:うんこ、うんこ。
T:こら!太郎くん!何言ってるの?みんなの前で言っていいことじゃないでしょう。やめなさい!
太郎:うんこ、うんこ、うんこー
T:😩😩😩
こんな感じでした。そして、さらに厳しく叱る、また「うんこ」の連呼・・・、という悪循環。
さて、一体どうしたらいいんでしょうか?
まずは、渡辺道治先生のvoicyの放送を聞いてみてください。
全ての行動には4つの機能がある。その行動によって子どもたちは何を手に入れたのか?そこを見ていくことが大切です。
今日は、4つの機能、そして、私のとっておきのユーモアを使った対処法について書いていきます。
行動の4つの機能について
全ての行動は、感覚 → 認知 → 行動の順で引き起こされます。感覚で捉えたものを認知し意味づけがされ、自分の持ちうる選択肢の中から行動を起こします。
そして、行動は、以下の4つに分類されます。
![](https://assets.st-note.com/img/1716714549087-euMEnushko.png?width=1200)
①逃避・回避
・嫌な活動や場から逃げたい
・目の前のことをやりたくない
②モノ・活動の要求
・ものが欲しい
・やりたい
・特権を手に入れたい
③注意喚起
・認められたい
・注目を浴びたい
・存在感を示したい
④自己刺激行動
・その行動が心地いい
・その行動をしていると落ち着く
①の逃避・回避は何かから「逃げたり避けたりしたい」、②〜④は「手に入れたい」と大きく分類することができます。
それでは、今回の「うんこ」の連呼について考えていきましょう。
うんこの連呼は?
「うんこ」と連呼したからといって、何かを避けられるわけではない。よって①逃避・回避ではないですね。
「うんこ」と連呼したからと言って、何かが手に入るわけではないので、②のモノ・活動要求でもない。
注意喚起。まさしくこれですね。授業中に「うんこ」と連呼すれば、間違いなく、周りの子どもたちは注目します。場合によっては、大笑いしたり、「太郎くんやめてよ〜」なんて反応してくれるかもしれません。当然教師も、若い頃の私のように「こら、太郎くんやめなさい!」と反応します。太郎くんにとっては、最高の注目。最高の報酬です。
「うんこ」と連呼するのが、気持ちがいい、これは、可能性として0ではないですね。④の自己刺激行動も候補の一つとしておきましょう。今後の観察が必要です。また、チック症状の一つに、汚言症というものもあります。それも頭の片隅におきながら、様子を見守ります。
ただ、「うんこ」の連呼が、いつも人がいるところで行われ、その後に注目を浴びているならば、③の注意喚起行動に間違いないと思います。「うんこ」の連呼の大部分がこれだと思います。
では、どう対処したらよいのでしょうか。
注意喚起に対する対応
先ほどの行動の4つの機能に対しては、それぞれ対処方法があります。
![](https://assets.st-note.com/img/1716981476521-6Sgm2WjJ0s.png?width=1200)
注意喚起の場合、不適切な行動に対してはポジティブノーリアクションを使って低刺激で、そして望ましい行動に対しては褒めて強刺激で対応することが必要になってきます。そうすることで、不適切な行動を減らし、望ましい行動を増やしていくことができます。
ただし、初回から低刺激でいくのは得策ではないと私は考えました。その子が、集団の中で、「うんこ」と連呼することは不適切であるということを知らない可能性もあるからです。ですから、初回は、望ましい行動を教えることが必要です。
でも、相手は「うんこ」を連呼する子です。一筋縄ではいきません。真正面から言葉を届けても受け取ってもらえない可能性が高い。そこで、ユーモアを使って対応をします。それでは、とっておきの声かけ、いってみましょう!
お口からうんこが漏れてるよ
ちょっと汚いやり取りですが、ぜひ、想像しながらお楽しみ下さい。
![](https://assets.st-note.com/img/1716984140400-3Q1ImG9cNo.png?width=1200)
太郎:うんこ、うんこ。
T:太郎くん、それ言わないよ。
太郎:うんこ、うんこ、うんこー!
T:(大袈裟にびっくりした顔をして、手で口を押さえながら)太郎くん大変だ。お口からうんこが漏れてる。とてつもなくお口臭い子になっちゃってるよ。
太郎:・・・
この指導をすると2回目以降、「うんこ」と言う子は、「とてつもなくお口臭い子」と周りから見られるようになります。ユーモアを使った声かけで正しい行動を教えるとともに、一定の抑止力にもなります。
それでも続く場合は、「うんこ」の連呼に対してはポジティブノーリアクションを、望ましい行動には褒めて強刺激で対応します。
詳しくは、渡辺道治先生の、下のvoicyの放送をお聞きください。
まとめ
・「うんこ」の連呼は注意喚起行動の可能性が高い
・初回は、望ましい行動を伝える
・ユーモアを使うと言葉が届きやすくなる
・不適切行動に対しては低刺激で
・望ましい行動に対しては強刺激で
ユーモアを使った声かけができるようになると、子どもの不適切な行動に対する心の準備ができます。楽しみにすらなってきます。みなさんも、子どもたちの「うんこ」の連呼が楽しみになってきていませんか?もし、「うんこ」の連呼に出合ったらぜひ試してみて下さいね。感想を聞かせていただけるとうれしいです。
今日は、人生で一番「うんこ」という文字を打ちました(笑)。何だか不思議な気持ちです。
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