【ベストアルバム】 2022年ベスト10アルバム
はじめに
先日の記事に書いた2022年に入手したアルバムから上位10枚のアルバムを選んでみました。10枚に漏れた中にも良い内容のアルバムが何枚もあり、上位拮抗という感じで絞り込むのは大変でしたが、エイヤで決めちゃいました。一応、順位も付けていますが、明日になれば変わっているかも知れません。
先日の記事はこちら
2022年ベスト10アルバム
それでは10枚のリストとそれぞれのアルバムについての簡単なコメントを。
10.Hyper-Dimensional Expansion Beam (The Comet Is Coming)
ジャズ、エレクトロニック、オルタナティブ等の多次元の軸で構成される音楽空間を自由自在に行き来する、文字通りハイパーディメンジョナルな音楽。微妙に表情を変え続ける楽曲群に共通して感じさせるスリリングさに痺れます。
9.Pray Pray Pray (Polly)
いわゆる「シューゲイザー」的なフォーマットですが、フロントのフィードバックノイズ/サウンドの厚みの制御が絶妙で、背後のメロディも端正でハイレベル。新味はないものの、甘過ぎないシンフォニックなサウンドはひたすら美しい。
8.Things Are Great (Band of Horses)
やや既聴感が強めなことは否めないものの、巧い具合に「隙」を作ったことで、メランコリックな旋律とザラついたギターが良い感じにマッチ。クレジット記載のDave Fridmann、Jason Lytle (Grandaddy)の名前にピンと来た方はご一聴を。
7.Two Ribbons (Let's Eat Grandma)
前半はサックスやギターを重ねることで脳天気なエレクトロポップに振り切らず、後半は音数とエレクトロニクスを控えめにした繊細な音作り。キュートなボーカルをコアに全体の統一感を保ちつつ、二面性を巧みに表現する手法は中々したたか。
6.Household Name (Momma)
メロディにしろ、アレンジにしろ、飛び抜けた武器がある訳でもなく、それぞれは中の上くらいなのに、リピートしてしまう不思議な作品。ちょっと古さを感じるザクッとしたギターによる人懐っこくて甘美過ぎないノスタルジーが心地良い。
5.Everything Was Beautiful (Spiritualized)
時間の経過と共に表面的には角が取れたものの、金太郎飴的かつ優しげな表情のサウンドの狭間から様々なサイケデリアの信管が見え隠れ。「ライブではここから爆発が起こるんだろうなあ」等と妄想していただけに、10月の来日中止は残念。
4.Wet Leg (Wet Leg)
ガレージをベースにクルクルと表情を変える楽曲群は、カラフルさには欠けるものの、本能的かつビビッドなデキ。12曲36分という腹八分目のボリューム感も、今の持ち玉を考えると全力疾走で駆け抜けられるちょうど良いコンパクトさ。
3.Sometimes, Forever (Soccer Mommy)
様々な音楽的アプローチをごちゃ混ぜにしているにも関わらず、とっ散らかった感はなく、明るさと陰鬱さ、軽さと重さなど、正反対の要素が同時に存在するアルバム。強烈さこそないものの、聴く度に引き込まれていく「共感力」の強さは抜群。
2.Chloë and the Next 20th Century (Father John Misty)
フォークやジャズをベースにしたクラシカルなサウンドは、楽曲毎に異なる映画のシーンをイメージさせる映像的な仕上がり。普段聴いている音楽とのギャップのせいで多少過大評価な気もするれど、是非ライブでこの音楽を体感してみたい。
1. Blue Rev (Alvvays)
ちょっと添加物多めで身体に悪そうな気がするものの、「まあ、そんなのどうでもいいか」と理性を屈服させるパワーを持ったアルバム。適度なザラつきを纏ったドリームポップは即効性・中毒性の両方を兼ね備えた文句なしのナンバーワン。
おわりに
何とか10枚選んでみましたが、これ以外にもAlex G、Angel Olsen、Beach House、Big Thief、Dry Cleaning、Florist、Jockstrap、Lambchop、Muna、Metafiveなどなど、ベスト10に入ってもおかしくない素晴らしいアルバムがたくさんありました。
今年選んだ10枚はイギリス4枚、アメリカ4枚、カナダ1枚、日本1枚と昔の自分からすると想像できないようなバランスの良さ。ま、これだけ様々な音楽に触れる機会があると、イギリスとかアメリカとか日本とか、産地の違いは関係なくなってきますね。女性ボーカルのバンドが5組と多かったのも我ながら意外でした。
そして、今年はArctic Monkeys、Belle & Sebastian、Bloc Party、Death Cab for Cutie、Foals、Interpol、Kasabian、Museといった、20代後半から30代前半の一番音楽を聞き込んだ時期に登場・活躍したバンドが新作を発表してくれたのも感慨深い。ただ、どのバンドの新作も個人的にはベストのレベルには達していないように感じました。単に想い出補正のせいで、「当時のアルバム最高」と思っているだけなのかも知れませんが。。。
来年も新旧色々なアーティストが素晴らしい作品をリリースし、素晴らしいパフォーマンスをしてくれることを期待しながら、今年最後の記事を終わりたいと思います。
来年もタラタラと音楽にまつわるクロニクルを垂れ流していきますが、どうぞよろしくお願いします。
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