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陰陽師に憧れて京都旅(その3)~悩む人達を救ってきた貴船の奥地へ~


【中宮、奥宮へ】


せっかくなので、本社だけでなく、中宮、奥宮へ行こうという話になり、

歩いていくと絶対に渡りたくない橋を見つける

丸太橋?
「立入禁止」って書いてあるけど、そもそも渡りたくない

さすがに立ち入り禁止と書いてあった。

中宮までは割とすぐで、和泉式部いずみしきぶの歌碑があった。

古来から多くの人が参拝してきたことがわかる。この山の中である。
何か真剣な願いや悩みを抱えてやって来たのだろう。

【抹茶と甘味で休憩】

ここまで歩いてきてさすがに疲れたと後輩が言い、「兵衛cafe」に入る。

そしてまず、出していただいた水があまりに美味しい。
「この水はどこのなんですか?」と伺うと、貴船の水源の水だと教えてくださった。
「那智の滝水」を思い出すほど美味しかった。力が湧いてくるような美味しい水だった。
そして和菓子の美しさをぜひ御覧いただきたい。

抹茶の色まで美しい

中でも酒粕最中は絶品。抹茶と合わせてみると、「甘露 甘露」と言いたくなる。
美味しい水をグビリ、酒粕最中をパクリ、抹茶をちびちび。
美味しい・・・・

懐石のようなものが真ん中にあるのが気になる

一層元気になりました。

ところが後輩が支払いで少し揉めていた。
「あれ、この店現金だけなんですか?」
・・・まさか・・・
「すいません・・・下山したら払いますんで、払ってもらえませんか」

そりゃ山中で現金以外の支払いは無い可能性があるでしょうよ・・・

雲行きが若干怪しい。

【圧倒される御神木】

奥宮まで来た時に、参道前の御神木を思わず見上げた。
そのあまりの大きさ、神々しさに呆気にとられて、二人共しばらく眺めていた。

連理の杉

神が宿っている、と現代人の私ですら思う。
生物として勝ち目が無いというか、器が違うと思うと、なんだか拝みたくなる。

相生の杉

【貴船の神と歌を交わした和泉式部】

参道入口にチョロリチョロリと流れる「思ひ川」がある。
夫婦関係が上手くいかず悩んだ和泉式部は貴船神社に願掛けにやって来た。
和泉式部が「物おもへば 沢の蛍も我が身より あくがれいづる 魂かとぞみる」(あれこれ思っていると、川を飛ぶ蛍が、まるで我が身から抜け出た魂のように見えてしまう)と歌うと、なんと貴船の社殿の中から返歌があった。
「おく山に たぎりて落つる瀧つ瀬の 玉ちるばかり 物なおもいそ」(奥山の滝の水が飛び散るほどに、深く思いつめたりしないでね)

和泉式部の願いは叶えられ、夫婦関係は円満となったという。

もともとこの川は、「御物忌川おものいみがわ」と言って、貴船神社に参拝する前に禊をして身を清める場所だったという。
和泉式部の一件もあり、次第にこの川は「おものいみがわ」から「おもひがわ(思ひ川)」と呼ばれるようになったという。

【奥宮の参道を進む】

鳥居をくぐれば上記した「思ひ川」がある。

巨木が並ぶ参道
重さ43トンあるという巨岩「つつみヶ岩」
横を見れば一面植物に覆われている
手水が自然に包まれている

参道の終わりには手水があるが、もはや自然と一体化しており、神様から直接水をいただいているような気持ちになる。

神門をくぐればそこに清められた空間が広がっていた
祠一社一社に額づく

神さびたこの地にある、祠一社、一社に額づかなければならない気持ちが湧いてくる。

【鉄輪伝説の立て札】


御本殿に参拝した後に、「鉄輪かなわ」伝説の立て札を見つける。

(その1)で説明させていただいた「鉄輪」伝説の立て札である。
丑の刻参りの際に頭に被る五徳のこと。

京都市内からここ貴船神社まで片道16キロあり、当時の山中は真っ暗で酷い道だったことだろう。往復32キロを毎晩走っていたら、それは力尽きるだろう。
でも身体の悲鳴を無視して、走る女性の無念を思うと胸が痛くなる。

【神の乗る黄船を覆うお船形岩】

この岩が積まれているように見えるところは「御船形岩」と呼ばれており、玉依姫尊の黄船を石で覆ったものだと言う。
写真が下手でそう見えないと思うがきちんと船の形をしていた。
神の座乗された船がここにあると思うと不思議だが、岩が積まれている風景は妙に神秘的で説得力があるように見える。
おそらく冷静に写真だけで見ると「そんなことあるかよ」と思われるかもしれないが、この地で見ると何でも信じれる気がするのだ。

もう少しだけ続きます
(その4)へ

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