神話と現代の境目へ(出雲旅その11)~稲佐の浜~うしはく国からしらす国へ~
【前回までのあらすじ】
令和6年元旦に起きた震災で心に期するところがあった野郎二人。出雲を目指して旅することになった。しかし、時間は1月4日の夕方から5日の夜まで、約24時間しかない。「24 -TWENTY FOUR-」のように緊迫した「中国大回転」旅が今始まる。
福山駅→米子駅前スーパーホテル→赤猪岩神社→清水井→境台場公園「美保関事件」慰霊塔→美保関灯台→美保神社→参道である青石畳通りと佛谷寺→「神仏の通い路」を通って島根半島を西へ横断→出雲に到着して八雲立つ下で出雲そばを食べる→出雲大社をお参りする→国譲りが行われた稲佐の浜へ←イマココ
【稲佐の浜へ】
稲佐の浜は出雲大社から結構近い。
【荒ぶる日本海】
稲佐の浜には強い波と風が打ち付けていた。
ビョォォォォォ ビョォォォォォォ
髪はぐしゃぐしゃになるし、潮が顔に吹き付けられる。
うわっ荒天だ!荒ぶる日本海の迫力がすごい!
大国主神と建御雷神の国譲りはこのような荒ぶる波の中で行われたのだろうか。
稲佐の浜とは、YESかNoかを問う「いなさ(否諾)」ではないかという地名語源説もある。
この国譲りを「服従を迫った」と解説している人が大勢いるが、「うしはく」から「しらす」統治への改革を迫ったことを大切に考えたい。
「しらす」は「服従を迫る」とは違う。それぞれがより良き生き方を志向するように祈り見守ることだ。
段々と雲間より光が差してきた。
現地に行けばわかっていただけると思うが本当に神々しい。
荒ぶる海も気にならない。
クレソン後輩も一生懸命決意を叫んでいた。
【神々をお迎えする神事】
神々が出雲へ向かう10月は全国的に「神無月(かんなづき)と言われ、神々が集まる出雲では「神在月(かみありづき)」となる。
神々はこの稲佐の浜から神迎神事によって出雲の地に入られるのだ。
今でもこうやってこの浜から神々は上陸される。
まるで「千と千尋の神隠し」の神々様が上陸してくるシーンのようではないか。
もちろん「神迎神事」はフィクションではない。今でも多くの人がこの神事によって、神々様に守られ生きている現実があるのだ。
ますます「神話」と「現実」に境目が無くなってきた。出雲では神話は現在も続いているのだろう。
神話と現代の境目へ(出雲旅その12)に続きます