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なんとも怪しい伊豆半島の旅(前編)


今まで、①「恋の病」を患う後輩、②「もやしっ子」後輩が登場してきたが、これから紹介するのは一番クセが強い大学時代の後輩である。
歌とダンスが上手いのに、辻政信のマネをして丸メガネをしており、書きなぐりのような「人権うさぎ」という酷い作品をコミケで完売した伝説の人物である。学生時代は「情操教育の失敗作」と畏れられていた。
彼が住む静岡県で久しぶりに会うことになった際、一緒に伊豆半島でも行ってみるかという話になった。


【三嶋大社で神鹿に会う】

三嶋大社は伊豆国一宮で格式の高い神社だ。
「みしま」とは伊豆諸島の尊称「御島」であり、島を開拓した神が御祭神として祀られている。

境内はかなり広い

大山祇命(おおやまつみのみこと)積羽八重事代主神(つみはやえことしろぬしのかみ)の二柱を総称して、「三嶋大明神」と称するとのこと。
大山祗命ご自身よりも、娘である木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)、磐長姫命(いわながひめのみこと)が瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の婚姻神話で有名。
事代主神は大国主命の御子神で国譲り神話にも登場する。その弟神が諏訪大社の建御名方命(たけみなかたのみこと)となる。
※国譲り神話については諏訪大社への旅をご参照。

綺麗な水で有名な三島市だけに、境内には水が湧出していた。
そして神鹿が40頭ほどいる。

餌のやりっぷりに必死感があって怖い

餌をあげるとよく食べるのだが、後輩の餌のやり方が慣れていない上に何だか必死感があって怖かった。

【ロックマンとラブライバーと目指す大瀬崎】

そこから後輩の車で沼津の大瀬崎(おせざき)に鎮座する大瀬(おせ)神社に連れて行ってもらう。なんでも「大瀬神社」は通称で正しくは「引手力命神社(ひきたぢからのみことじんじゃ)」と呼ぶらしい。

1時間ほどの道中

移動中は海沿いを走るので美しい景色が続く。
ただ、何故か車内で「ロックマンX(スーパーファミコン)」が流れ続ける。後輩のこだわりで「テンションあがりますよねー」とのことだけど、全く景色と合っていない。

海沿いの美しい景色

車内で流れるBGM(あってない)

ロックマンのおかげか、順調に移動していくと前にラブライブのラッピングバスが走っている。そういえば沼津が聖地だった。しかし車内の野郎ふたりともラブライブは存在を知っているだけで、内容は全然わからない。
どうやら同じ「大瀬崎」行きのようだ。

ラブライバーが乗っているのだろうか

【海の隣で淡水が出る不思議な大瀬神社へ】

海に突き出しているのに、淡水の池がある不思議

そんなこんなで大瀬崎に着いた。
上記の写真地図でおわかりかと思うが、海に突き出た半島の先に淡水の池が存在する不思議な場所なのだ。
周囲は海が綺麗でマリンスポーツ関係の店がたくさんあった。さすがに1月だったから、泳いでいる人は見なかった。

海は透明度が高くて綺麗
綺麗な海の隣を歩き神社へ

引手力命神社(ひきたぢからのみことじんじゃ)」という名前にも入っている御祭神は「引手力命(ひきたぢからのみこと)」
この神様を祀るのは全国でこの一社だけというから驚きだ。
え、手力男命(たぢからおのみこと)」って天の岩戸開きでも活躍した力持ちの神様じゃないの?って思われるかもしれないが、実は手力男命は山の神であり、それに対して「引手力命」は海の神であり、名前が似ているから一緒の神様とは言えないようだ。

神社の本殿にお参りする
趣ある案内板
奥に入っていく

奥に入っていくと割とすぐに神池が見えた

海のすぐ横の大瀬明神の神池

「大瀬明神の神池」は本当に海のすぐ横だった。
木々の間から覗くとすぐに海が見える。
海と池の距離は20~30メートルくらいだろうか。

神池からちょっと出るとすぐに海

うーん、不思議だ。
鯉が泳いでいるので淡水であることは確実だが、なんで水が湧いているのだ
ろうか。


ここでは鯉に餌をやることができ、モナカの中に小粒の餌が入っているものを購入できる。
よくわかっていない後輩は、「あれ一つしかないや」とモナカを丸ごと鯉に投げていた。
すると鯉が群がってすさまじい光景になった。
モナカが大きすぎて口に入らないので、鯉がパクパクしている。

モナカを丸ごとあげてしまった人

そのうちにモナカがふやけて、中から餌が出てきてようやく食べることができていた。
正直バチがあたるんじゃないかと思っていたから、鯉が問題なく食べることができてホッとした。

大瀬神池の説明板

淡水が湧く理由はよくわかっていないらしく、神池に入ったり、動植物をとったりすると祟りがあると伝わるので、調査もままならないらしい。わからないままの方が神域としては良い気がする。

周囲の植物も独特な感じである。


御神告をまじまじと見る後輩

御神告に「此処にゴミを捨てる者は罰せられこれを拾う者は救われる」と書いてあった。神域にゴミを捨てる人間がいるのだろうか・・・

大瀬崎から見る駿河湾

さて、長くなってきたので一旦ここで「前編」をとじます。
「何とも怪しい伊豆の旅 後編」に続きます。

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