「もやしっ子を御柱に!」ちょっとオカルトな中部の旅(その2)何も無いところでぶつかる万治の石仏
【前回までのあらすじ】
頭も顔も良いが、肝心な時に体調を崩しがちなもやしっ子を野性味あふれる聖地「諏訪大社」にて御柱(おんばしら)まで育て上げようと旅に出た。
諏訪大社「本宮(もとみや)」をお参りした後、春宮と万治の石仏を目指して移動開始した。
【逆流する台湾ラーメン】
中部地方出身のもやしっ子後輩が「台湾ラーメン」について語っている。
「ありゃ美味しいですよ。ぜひ1度食べてみてくださいよ」
「そんなに美味しいんだね」
「ええ、でも私が飲みすぎた時があって、その時食べた台湾ラーメンが全部出てきたことがありましてね」
「ええ・・・(ドン引き)」
「マスクをして外を出歩かなきゃいけない時期で、マスクの内側に嘔吐したせいで、そのまま下に降りていきましてね。襟から服の中に滝のように入ってきて・・ありゃあ気持ち悪かった」
「それ、どうしたの?」
「仕方ないので友人にコンビニで下着を買ってもらって、トイレで着替えさせてもらいました」
正月気分が吹き飛ぶような話だ。台湾ラーメンへの食欲も見事に減退した。
【諏訪大社下社春宮に到着】
そんなこんなで諏訪湖をぐるっとまわって「春宮」に到着。
周囲はもう真っ暗になってしまった。
おまけに猛烈に寒い。
境内に人はおらず、神職の方は忙しそうで、頒布品を見るわけにもいかなそうだった。
スマホのライトを駆使してなんとか参拝する。
【万治の石仏へ】
近くに首が伸びることで有名な「万治の石仏」がある。
江戸時代に造られたこの石仏は、破損した首の下の水が凍結して、首が上昇していたのだった。岡本太郎が全国に紹介した素朴な石仏である。
万治の石仏へは砥川(とがわ)を超えていかねばならない。
雪解け水なのか、ごぉぉぉぉごぉぉぉぉぉと急流の音がする。
暗くてよく見えないので、落ちないようにゆっくり進む。
簡易な赤い橋をわたり進んでいく。
その辺りから何か異様な雰囲気を感じていた。
なんだか背筋が寒いのだ。周囲の気温の低さとはまた違った寒さが・・・
万治の石仏のお参り方法は結構変わっている。立て札を見ながら、作法を頭に叩き込む。
【誰もいないのに、誰かにぶつかる謎】
お参りを果たして戻ろうとすると、後輩が何かに怯えだす。
「後ろ振り向いちゃだめですよ」
「え、なんで!(#^ω^)」
「何かいるからです」
めちゃくちゃ怖いこと言うな!
でも顔は冗談を言っている感じじゃないし、なんだか寒気がするのは本当だ。
でもここ聖地だし、仏様を拝んだばかりじゃないか。
自然と足早になっていく。もちろん、後ろは見ない。
「あ、痛っ!!!」
橋を渡り切った途端、誰かにぶつかった。
後輩だと思って「ぶつかっちゃった、ごめん、ごめん」と謝ると
「え?なんです??」
後輩は15メートルほど先にいて、怪訝そうな顔で振り返る。
周りには誰もいない・・・
え、今誰とぶつかったの?
・
・
謎は謎のまま。ただ、ここは諏訪の地、悪いものではないだろう。
【長野県まで来て丸源ラーメンを食す】
それにしても腹が減った。
宿のある松本町へ向かうついでに、食事場所を探すが、全然開いていない。
結局、後輩のリクエストに乗って丸源ラーメンを食べる。
チェーン店だと舐めていた・・・美味い・・・
【電流が強い おぶ~の湯】
もう気を取り直して一風呂浴びようと林檎の湯屋「おぶ~」にやってきた。
伏流水を使った銭湯施設で、風呂もバラエティに富んでいる。
電流風呂もあったので、寒さでカチカチになった体をほぐそうと近づいた。
そこにもやしっ子後輩が現れ、電流風呂に入る。
「アーッ!!!!!」
叫んで、飛び出してしまった。
「なにやってるの」
「いや、これ入ってみてください。
入ってみると
「アーッ!!!!!」
電流が強すぎるんじゃないだろうか。すごい刺激だ。
しばらくしたら慣れてきたが、やっぱり強すぎる気がする。
経験はないがデンキウナギにやられるようなイメージだ。
お風呂はバッチリで、元気を取り戻して宿泊する旅館「松風」へ移動し始めた。