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キャラの魅力特化のアメコミ実写ドラマ『アンブレラアカデミー』感想&紹介


アンブレラアカデミーとは

『スパイダーマン』『キャプテンアメリカ』『アベンジャーズ』など実写化大ヒットのお陰もあり恐らく最も知名度の高いアメリカンコミックス作品を扱っている『マーベル』

『スーパーマン』『バットマン』の2台巨頭作品に加え『ワンダーウーマン』『アクアマン』など個の属性と神格化されているようなキャラが魅力的な作品を擁する『DCコミックス』
日本でも知名度が高いアメリカンコミックスの出版社といえばこの『マーベル』と『DCコミックス』でしょう。

しかし、ちょーっと待った!
日本でも様々な漫画を出版する出版社があるようにアメリカにもたくさん出版社があり、その中で実写化された作品も様々です。
その中でNetflixでシーズン3まで配信され、来年最終シーズンであるシーズン4の配信を控えている『アンブレラアカデミー』を紹介したいと思います。
ここまで、ずっとアメリカンコミックスの事を知っているかのような口ぶりですが最近アンブレラアカデミーのドラマを見てハマったので紹介したいだけなのでどうかお付き合いください。

アンブレラアカデミーはダークホースコミックスという出版社から出版された漫画で、規模としては『マーベル』や『DCコミックス』に次ぐ出版社でありアメリカでは知名度は高いみたいです。

物語はとある日に世界中にいる何十人の女性が同時にまったく妊娠を自覚していなかったのにも関わらず、突如としてお腹が膨れ上がり出産するという事件が起きます。

そんな事件の直後〈ハーグリーブズ郷〉という老人がその子供達を引き取り『アンブレラアカデミー』という宿舎の元で幼少期からヒーローにするべく育てあげます。

数奇な運命の元に産まれたその子ども達は異能持ちで、アンブレラアカデミーという宿舎はそのまま少年少女のヒーローチームとして知れ渡っていくのですがドラマはそのヒーロー達の活躍を描かず、チームが解散をして大人になった彼らがハーグリーブズ郷の死をきっかけで再び集結するところから物語は始まります。

そのためアンブレラアカデミーは、幼い頃から同じ宿舎で育てられ、ファミリーのような絆として繋がった家族の物語であり、それにアメコミ要素が加わった特殊な作品です。

この作品の特徴としてヒーロー作品には必ず出てくる敵対するヴィランポジションが出てきません。
厳密には敵対する組織は出てきますが悪役という立ち位置ではないような気がします。
アンブレラアカデミーが対峙するのは世界の終わり(アポカリプス)という概念的なもので、世界の終りの予言や予兆に対してどうアンブレラアカデミーのメンバーが立ち向かって回避するのかが描かれており、シーズンごとにアポカリプスの襲来は回避できますが、また別の理由で世界の危機に発展します。

正直王道ヒーロー物が好きな方は合わないかもしれません、私も見進めていても一向にヴィランが現れない事に驚きました。
そして、私の中で大事なことでストーリーに対しての感想ですが、マーベル映画やDC映画には正直及ばないです。

様々な危機に直面していくうちに、アンブレラアカデミー内で仲間割れが起きて分裂したり、だけど地球の危機を救うために結託したりみたいな展開は面白いんですがやっぱりヴィランがいなかったり、複雑なストーリーの割に最後あっさりとご都合的な感じで終わらせたりと盛り上がりに欠けるのが残念な所かなと思います。

ただ、設定が攻めていて今回はアンブレラアカデミーのキャラについて話したいので控えめにしますが、このドラマは2019年から始まったのにもかかわらず、過去に戻って再び地球の危機を救ったり、過去や現在を行き来する際に世界線が変わってマルチバース的な展開になったり、世界の歴史が変わるような人の死を救い過去を変えるか歴史を変えず大勢の命を救うべきかと命の天秤の問題など、ここ4・5年のアメコミ映画でよくみられる設定が盛り込まれていて先進的な作品だといえます。

魅力的なキャラクター性と音楽

アンブレラアカデミーの魅力はアンブレラアカデミーに属している7人のヒーローのキャラクター性と劇中で流れる音楽です。

もう私はこの7人がとんでもなく愛しくて、それぞれが悩んだり、怒ったり、笑ったり、楽しんだりしている姿を一緒に体感したいとドラマを見ているといっても過言ではありません。
それにドラマ中に流れる洋楽がとんでもなくセンス抜群で、やり方はガーディアンズオブギャラクシーシリーズと似ているんですが、これは完全に個人の感想でアンブレラアカデミーの方が選曲のセンスがいいです。

毎回ドラマで音楽が流れると、この曲ってなんだっけ?と一時停止して曲名をあらゆる手で調べてしまいます。
そんな個性的なキャラと音楽のマリアージュが完璧に融合したシーンがシーズン3の1話で、ケニーロギンスの名曲『フットルース』でダンスバトルするというシーンです。
その映像はYouTubeの公式PVにも上がっているので是非見て欲しいです。シーズン3ですが全く見たことがない人も絶対に楽しめて、気持ちが明るくなります。

アンブレラアカデミーのヒーロー達

1号 / ルーサー・ハーグリーブズ 


長男、アンブレラアカデミーのリーダー的存在
能力は怪力と強靭な肉体、とtheヒーローの能力と非常にシンプルで脳みそも筋肉で出来ていると思う程の単純ばか。

アンブレラアカデミーがチームでのヒーロー活動を終了しても彼だけはハーグリーブズの言う通りに任務をこなし、その結果体を壊します。
それでもハーグリーブズの命令で怪しい薬に手を出し能力を強化しますがその代わりに体が獣のようになったり、さらには月面探査活動に行けと命令されても忠実にハーグリーブズのいう事を聞いていました。

実はハーグリーブズは変人というかマッドサイエンティストなところがあり、薬を投与したのは実験で、月にいるルーサーがたびたび地球にいるハーグリーブズに報告書を送るんですが全く読んでなかったりと、ルーサーは見返りのない忠誠を誓っていただけとなんとも不遇なキャラです。

長男らしくアンブレラアカデミーをまとめるリーダーシップがありながらも誰かの元で従い、命令を待っていないと行動できない小心的な所もありそのギャップが魅力的です。
個人的に筋肉キャラの癖にアクションシーンがあんまりで他のキャラの方がアクションでも活躍していたのでルーサーの活躍ももっと見たかったです。
そんな彼がシーズン3では大事な恋人を見つけて自分の人生を進もうとするところは必見ですので見守ってやってください。

2号 / ディエゴ・ハーグリーブズ


次男である故に、兄に対して対抗意識を燃やしている男
能力は投げたナイフの軌道を変えられるという一見限定的に見えて非常に殺傷力の高い能力を持っています。
さらに格闘技を極めていることもありアサシン的な立ち位置かなと思いますが実はもっとアサシンに向いたキャラがいます。

兄と違って父親のハーグリーブズには反抗的な態度を見せていますが、実はハーグリーブズが兄ばっかり贔屓にしていると思い込み、自分も認められたいと嫉妬しているツンデレキャラです。

それと実は一番面倒見の良いキャラで、他の兄弟が勝手に行動しようとしているところに「しかたねえ」とちゃんと見届ける兄弟愛を兼ね備えています。シーズン2以降では運命の女性と出会うことで、恋する男やパパらしい一面も見せてくれる成長を楽しめるキャラとなっています。

3号 / アリソン・ハーグリーブズ


長女であり、時には兄さえもまとめる裏のリーダー的な存在。
能力は『噂を聞いたの、あなたは○○だと」と相手に囁くと相手がその通りに行動してしまう能力。
心理操作がメインですが「噂を聞いたのあなたはバラバラに崩れると」と唱えると突然聞いた人がバラバラになって〇ぬためにかなり殺傷力もあります。

アリソンは自分の能力でいくらでも人の人生を左右できることからそれに対して迷いを持っており、シーズンで一番かわいそうなのは誰かと問われるとアリソンだと思う程、同情したくなるキャラです。

アンブレラアカデミーを辞めた後は女優として活動して理想の夫を見つけ子供も生まれるのですが、実は夫を能力によって籠絡して、夫もそれに気がつき夫婦仲に亀裂が走ってしまいます。

その悩みから過去にタイムトラベルした際、自分の能力は使わないと誓い新しい人生を楽しもうとしますがその時代がまだ男尊女卑が明確に存在して、彼女自身黒人である1960年代だっため、能力がない黒人女性の力ではなにも変えられないと絶望してしまいます。
そんな葛藤がありながらも、能力を使わずに権利を主張して社会に対して戦う姿はとってもかっこいいです。

4号 / クラウス・ハーグリーブズ


3男、アンブレラアカデミーの中でもダントツの変わり者。
能力は死者と話すことが出来て、その死者の手を借りることが出来る。
さらには死者を自分の体に降ろすことで一時的に使わせるイタコのような能力やシーズン3ではとんでもない能力を開花させます。

アルコール中毒かつ薬物中毒、さらには同性愛者ともの凄い要素を兼ね備えたキャラで最初私は受け入れられませんでしたが、誰かを救う覚悟をして行動する姿はその駄目な人間性を見せてくる反動もありますがとってもかっこよく輝いています。

また、シーズン2では奇抜な見た目と死者と共鳴できる能力を生かして新興宗教のリーダーになり信者をまとめるのですが、信者が自分を敬う姿に困惑しながらも拠り所のない人に理解を示してカリスマ性を見せる件はめちゃくちゃ面白いです。

そして、理解しがたい性格であることを自分でも理解していると同時にアンブレラアカデミーの兄弟や他人を強く理解したいと思う優しい心があり純粋にハッピーなことが好きなだけなんだと私の中で受け入れた瞬間、とんでもなく好きなキャラになりました。

5号 / ファイブ


4男、能力は空間や時間をワープできる能力。
ワープで相手の懐に忍び込み攻撃した後、ワープして逃げることが出来るため暗殺向き。
画像を見てもらえれば分かりますが子どもです、しかし実年齢は53歳とアンブレラアカデミーで一番のおじさん。

なぜそうなったのかと言うと、時空をワープしすぎて体の年齢と実年齢にパラドクスが生じてしまいました。
詳しく説明すると彼は物語が始まる17年前に行方不明になっていましたが、彼は未来に飛んでいました。ワープした先の未来というのは地球の終わった後の世界。
それを知らせようと元にいた時間に戻ろうとしますが戻れなくなり、それからなんと40年間終わった世界で過ごしていましたが、時空を監視するタイムパトロールのような通称〈委員会〉に発見されてそこから〈委員会〉の命令に従いますが〈委員会〉は地球の終わりを黙認しているようでファイブは離反を起こして〈委員会〉に追われます。
やがてハーグリーブズの葬式の日にワープしてアンブレラアカデミーと再会しますが、みんなは大人になっているのに自分だけ子どもの姿という訳です。

つまりファイブがこの物語のキーマンであり、ほぼ主人公です。
ファイブは世界の終わりを見たとアンブレラアカデミーに説明して再び集結することを頼みますがまともにとりあってくれません。
そこで自分だけで未来を変えるために行動しますが、目的を達成するためならどんな行動もいとわないという冷徹なキャラでサイコパスな一面もあります。

ヒーロー作品として一番活躍している奴がそんなキャラでいいのかっていう意見もありますが、とにかくナンバーファイブがかっこいい。
見た目が10代ということで実際の子役が起用されました、俳優の名前はエイダン・ギャラガー、現在でも19歳でシーズン1の配信が2019年ですから当時は15歳撮影した時は14歳という若さで大抜擢されました。

子役でメインキャストは彼だけですが大人顔負けのクールさと狂気さを兼ね備えてこのドラマをきっかけに大ブレイクしているようです。
シーズン1で〈委員会〉が派遣した特殊部隊に1人で戦うシーンがあるのですがそのバトルシーンは音楽も相まって非常にかっこいいです。
それと、世界の終わりで一人放浪していて誰も話し相手がいないためボロボロのマネキンを恋人と思い込み大事にしている姿など変わっているけど愛おしい姿もあり演技力に驚かされます。
というか原作はアメコミ漫画ですが、もう彼のためにあてがきで生まれたキャラであり漫画であるととさえ錯覚します。

6号 / ベン・ハーグリーブズ


5男でありアンブレラアカデミーでの任務中に死亡したことにより生存している姿途中まで出てきません。
能力は腹から蛸のような触手を出して攻撃するという変わった能力。
最初能力を見た時はなかなかショッキングです。
生存する姿は出てきませんが、クラウスの死者と話せる能力でクラウスとだけ話をすることができます。
クラウスの話し相手となり行動することでベンの未練や死んでいてもアンブレラアカデミーを見守っていたいとシーズン2の終盤大活躍します。
さらにシーズン3では彼が生きている世界線にアンブレラアカデミーが漂流することで感動の再会となりますが、ベンはその世界線では別のヒーローチームのメンバーの一人であり衝突していきます。

7号 / ヴァーニャ(ヴィクター)・ハーグリーブズ


何故、名前が2つあるのかは後ほど説明します。次女でありアンブレラアカデミーとして皆が活動している頃は彼女だけが無能力者という立場で兄妹の仲では大事な場面では仲間外れになっていました。
しかし、実は彼女も能力を持っていてその能力が強すぎるあまり、アリソンの能力によって自分は無能力者であると自己暗示をかけられていました。

ヴァーニャの能力は音を操ることで周囲に衝撃波を出したり、サイコキネシスのようなことができます。ただ子どもの頃はその能力が制御できなく、ハーグリーブズが能力の危険性を察知して無能力者という扱いで育てます。

能力持ちの中で唯一の無能力者だと思い込んでいた彼女は、アンブレラアカデミーが実質的な解散になるとメンバーと疎遠になり、メンバーの秘密を綴った暴露本を出したりしていました。

それは家族が嫌いだからではなく、本当は自分のことをもっと知って欲しかった、仲間だと思って欲しかったというコンプレックスから生まれたもので誰かの役に立ちたいという気持ちは人一倍強い思いを持っています。
自分に能力があったと気がつき、さらに姉の様に慕っていたアリソンが能力で自分の能力を封印されたと知り、衝突する回は必見です。

ここで名前が変わったことについてですが、ヴァーニャを演じていたエリオット・ペイジという役者がトランスジェンダーを公表しました。
シーズン3撮影の際に自身の性自認を変えたことと合わせてドラマの役柄も女性から男性に変わったためヴィクターに変わりました。
この変更についてドラマでかなり珍しいことがあり、アンブレラアカデミーのストーリー中にヴァーニャがヴィクターに転換するシーンがありこの俳優をリスペクトして自由なスタイルで配信されているのもドラマの特徴であります。

おわりに

シーズン3の最期ではアンブレラアカデミーのみんながそれぞれ持っている能力が消えてしまうという展開で幕を閉じました。
シーズン4は最終シーズンという事もあり能力のなくなった彼らがどう行動するのかだけでなくこれまで残してきたハーグリーブズの謎や能力の秘密、そして、地球の危機はいつになったら完全回避できるのか、アンブレラアカデミーの行く先とはととても楽しみな展開が目白押しです。
今のうちに予習・復習忘れずに!













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