袴田さんの無罪判決を聞いて
袴田巌さんの無罪が確定しました。半世紀近くも拘束され、58年経ってやっと無罪となった袴田さんと彼を支えた姉の秀子さんはどんな気持ちでいるでしょう。死刑執行の恐怖におびえながら長い年月を過ごしてきた袴田さんのことを思うと胸が痛みます。私の想像をはるかに超える辛い日々だったのではないかと思います。
袴田さんの無実を信じ、これまでずっと支え続けてきた秀子さんの以下のコメントが新聞に掲載されていました。
秀子さんのコメントはメディアに向けられたものですが、私は自分にも向けられているように感じました。メディアの報道を聞いていた私も袴田さんが有罪だと思っていた時期があったからです。冤罪ではないかと感じたことはあります。でも、多くの報道がそれを打ち消しました。有罪であるかのように伝える報道がほとんどだったように思います。そしてそれを私は無批判に受け入れていました。私も間接的に袴田さんの冤罪に加担していたことになります。報道への向き合い方について改めて自らを戒めました。