見出し画像

テングザルの鼻はなぜ大きい?

マレーシアに行ったとき、初めてテングザルを見ました。テングザルはボルネオ島のみに生息するオナガザルの仲間です。 海沿いのマングローブの林や川沿いの湿地林で生息しています。名前の通り天狗のような大きな鼻をしていました。

大きな鼻を持つのはオスだそうですが、なぜオスは鼻大きいのか不思議に思っていたところ、数年前にその謎の一部が解明されました。下記のナショナル・ジオグラフィックの記事にそのことが書かれています。

 テングザルという奇妙なサルがいる。東南アジア、ボルネオ島の一部にのみ生息する希少な絶滅危惧種(endangered)で、その名が示すとおり、オスは天狗のように大きな鼻をもつ。

 しかし、テングザルのオスがなぜ大きな鼻をもつようになったのかはこれまで大きな謎だった。その謎の一端を、中部大学、松田一希准教授らが解き明かし、2月22日付けの科学誌「Science Advances」に論文が掲載された。

 論文によると、テングザルでは鼻が大きなオスほど、肉体的に強く、繁殖力も高いという。さらに、1頭のオスと複数のメスからなるハーレムで、より多くのメスを保持していることが明らかになった。

 また、鼻が大きいほどある種の鳴き声が低くなることから、声の低さがオスの強さを示す手段になる可能性も示された。オスの大きな鼻は、見た目だけでなく、聴覚的にもメスを魅了する武器となっているのかもしれない。

 動物の世界でオスが派手になる現象は、メスをめぐるオスの競争によって起こると考えられている。こうした進化は「性選択」と呼ばれる。(参考記事:「地球の奇跡! 目を疑うほど色彩豊かな動物たち」

「私の調べているゴリラでも、オスの背中の毛の白さや頭頂部隆起に個体差があり、メスにどのように選ばれているか、この研究を参考に分析が進むことが期待される。現代人や人類の祖先の男女差にも関連付けられる、大きな発見だと思う」(参考記事:「ゴリラにみる「イクメンの起源」」


出典:https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/022000078/
2018.2.22


京都大学の記事↓

大きな鼻は「男らしさ」の象徴であり、雌を魅了するための道具になっているとは驚きでした。人間には当てはまらないのでしょうか?

ボルネオ島のサンクチュアリで出会ったテングザルたち↓


お土産にテングザルとオランウータンのぬいぐるみを買いました。

いいなと思ったら応援しよう!