海外でホームステイを楽しむ:リタイアメント住宅での生活(オーストラリア~ケアンズ1)
大学院生だったとき、ケアンズにある大学で調査をする必要がありました。その大学に行くのは初めてだったので、知り合いの先生から教授を紹介してもらいました。オーストラリアの先住民教育で著名な教授です。さっそく彼にメールを送り、訪問したい旨を告げるとすぐに丁寧な返事が送られてきました。そして「よかったら私の家に滞在したらどうですか?」と言ってくださいました。私はびっくりしました。海外の、それも一大学院生に過ぎない私の初めてのメールにそのような親切を申し出てくれることが信じられませんでした。日本だったらおそらくないことでしょう。
私は教授の親切を有難く受け入れ、彼の家に2週間滞在させていただきました、彼は妻 と2人でリタイアメント・ビレッジで暮らしていました。お二人はまだ60代で、リタイアもしていませんでした。でも、年をとってきたので楽に生活したいから入居したと言います。
リタイアメントビレッジでのお二人との生活は私にとって非常に興味深いものでした。広々とした敷地の中に、自立して生活できる個別の住居と、介護を必要とする人たちが生活する介護棟が共存し、様々なサービスが提供されていました。プールや集会所もあり、住民の交流も盛んでした。
ビレッジの案内板
自立型住居
介護棟
ご夫妻が住む家。
居住者の交流は盛んで、私の滞在中もみんなで集まっていろいろな活動をしていました。中でも特に楽しかったのが「笑いのクラブ(laughing club)」の活動。お年寄りが集まってみんなで笑いながら身体を動かす活動で、世界的に行われるみたいです。
大学で調査する時には教授が車で送り迎えしてくださり、自宅でも研究についてご夫妻でご指導いただきました。私の研究に関わる場所にも連れて行ってくださいました。この時ほど充実した調査ができたことは後にも先にもありません。