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62 自主行動コースづくりのヒント:修学旅行4

京都での班別自主行動のコースづくりが始まりました。昨日はどの班もわいわい言いながら楽しそうにコースを考えていましたね。2年生の時に下調べをしましたが、まだ京都の町のことが十分には頭に入っていないようですね。知らない町ですから無理もありません。町の地理や交通機関についてはもう少し調べる必要がありそうです。コースは4月いっぱいかけて作ります。時間はまだありますので班で協力してよいコースを考えてください。

コースづくりのヒント

京都には数えきれない神社仏閣があり、どれも一見の価値があります。でも一日という限られた時間の中での行動ですからあれもこれもというわけにはいきません。鎌倉自主行動の時とは違って行動範囲はずっと広いので、コースづくりには工夫が必要です。乗り物を使うことも多いでしょうから移動時間も考慮しなければなりません。広大なお寺や神社もありますから見学時間も考える必要があります。移動ルートも工夫が必要です。以下のヒントを参考にしてコースをt作ってください。

①テーマを決めよう
鎌倉の時のようにテーマを決めて回りましょう。「室町幕府から明治維新へ」とか「豊臣秀吉を旅する」といった歴史テーマもいいですし、「東山を散策する」とか「京の名園巡り」「仏像を訪ねて」など自分たちの興味に合わせてテーマを決めるのもいいですね。「舞妓さんから作法を学ぶ」なんていう案が出ていた班がありました。悪くないテーマですが舞妓さんに実際に会うのは難しいですよ。

②見学地を選ぼう
テーマが決まったら資料を使ってテーマに関連のある見学地をピックアップしましょう。次に見どころや場所を調べ候補をいくつかに絞りましょう。行動範囲にもよりますが5~6か所が目安です。移動の距離が長かったり、見学時間を要する広い寺社や体験活動などを組み込んだら見学箇所は少なめにしましょう。見学地が狭い範囲に集まっていたら7か所くらいも可能かもしれません。もちろん小さいお寺だから短時間でよいとも限りません。小さいお寺でゆっくりすごすのだって悪くありません。

③見学の順番を決めよう
どんなん順番でまわるのがいいか考えましょう。ホテルを朝出発し、夕方戻って来る正味9時間のコースです。見学場所の位置、見学時間、移動の方法と所用時間、食事場所とその時間などを考えて決めましょう。道路も寺社も混んでいる可能性がありますから時間にゆとりを持って計画してください。時間に追われて京都の町を走るなんてことにはならないように。

④交通機関を選ぼう
京都の交通機関はJR、京福、阪急、京阪、地下鉄などの鉄道のほかバスがあります。タクシーもありますがみんなは原則として使いません。電車は時間は正確ですが本数が限られています。地下鉄は本数は多いですが外の景色が眺められませんね。人間ウォッチングはできますけどね。バスは京都の町を縦横無尽に走っていますが渋滞などで遅れることがよくあります。いちばん確実なのは歩くことですが、長い距離を歩くのは辛いですね。交通機関をうまく組み合わせて効率的に移動してください。

⑤予算について
2泊3日の修学旅行のためにおうちの方が積み立ててくだったお金は5万円(当時)です。知っていましたか? 家計の中から5万円支出するのは大変なんですよ。これ私の実感!積み立ての中には班別自主行動の費用は入っていません。お小遣いも別です。家庭の負担が大きくならないよう行動費用についても考えましょう。昼食に豪華な京懐石料理なんて食べたらそれこそ大変!

⑥その他
昼食は好きなところで食べてください。その場で見つけてもいいですが、なかなか見つからないこともあります。どのあたりで食べるかあらかじめ目星をつけておくといいですよ。どんなものを食べるかも。何を食べるかでもめたりしないように。

お土産を買う時間は3日目にとってあります。自主行動中は買っても小さなものにして荷物にならないものがおすすめです。

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この記事を書いていたらフリーアナウンサーの宇賀なつみさんが京都で中学時代の修学旅行を思い出すという記事を目にしました。↓

フリーアナウンサーの宇賀なつみさんは、じつは旅が大好き。見知らぬ街に身を置いて、移ろう心をありのままにつづる連載「わたしには旅をさせよ」をお届けします。京都で修学旅行生を見かけた宇賀さんは、中学時代の思い出がよみがえり……。

「ゆっくりおいで 京都」
出張先で時間ができたら、
その街をあてもなく散策するようにしている。

今回は、京都。
しかも、丸一日自由になった。

こんなことは滅多にない。
朝早く起きて、まずコーヒーを飲みに行った。

そのまま鴨川の方へ歩いていくと、
たくさんの修学旅行生とすれ違った。

そうだ、修学旅行を復習しよう。

もう20年以上経ってしまったけれど、
中学生の頃に巡ったコースを、
もう一度歩いてみたい気分になった。

まずは平安神宮でお参りをして、
哲学の道を歩き、銀閣寺を目指す。

京都で修学旅行を「復習」 宇賀なつみがつづる旅(39)
「金閣寺より銀閣寺の方が好きだった!」

自慢げに両親に話していたような記憶があるのに、
あれ以来、一度も訪れていなかった。

久しぶりの銀閣寺、正式名称・東山慈照寺は、
落ち着いた空間の中に、ひっそりと静かにたたずんでいた。

「あぁ、やっぱりいいなぁ」

眺めているだけで気分が落ち着く。
高台からの眺めも、素晴らしかった。

この後は確か、清水寺に行ったんだっけ。
清水へ向かう三年坂を歩くと、
こちらも修学旅行生と外国人観光客でにぎわっていた。

京都で修学旅行を「復習」 宇賀なつみがつづる旅(39)
すれ違う人との距離が、こんなに近いのは久しぶり。
和装をして歩く女子グループに、男子たちが声をかけていた。

「可愛いじゃん!」
「いつもと全然違うね!」

照れ臭そうに笑う女子たちが、うらやましくなった。
こんなことが、あっただろうか。
私たちの班は、八つ橋を作る体験をしたような気がする。

その後は、八坂神社に向かった。
境内にあり、お参りすると美しくなれるという、
美御前社(うつくしごぜんしゃ)に寄ったことを思い出したのだ。

京都で修学旅行を「復習」 宇賀なつみがつづる旅(39)
こんなにたくさんある観光地の中から、
この場所を選ぶなんて、なんとも思春期らしい。
あの頃は、ニキビに悩んで、
毎晩鏡とにらめっこをしていたっけ。

同じコースを歩くと、少しずつ当時の記憶がよみがえってきた。

乗り物酔いをしやすかったこと。
誰と同じ班になるかに、一喜一憂していたこと。
スカートの丈の長さや靴下の色まで決められ、
窮屈で仕方なかったこと。

全てがいとおしく思えた。

途中ですれ違った学生たちの、
まだ一度もカラーリングしたことがないであろう黒髪は、
つやがあって本当に美しかった。

急ぐ必要なんてなかったのに、
どうしてあんなに焦っていたんだろう。

どんなに立派になっても、若さを取り戻すことはできないのに。

暗くなると急に冷え込んできた。
京都市役所近くの銭湯・玉の湯へ逃げ込み、
ゆっくり温冷浴を堪能した。

10円玉を入れたドライヤーで髪を乾かし、外に出ると、
今度は夜風が気持ち良かった。
近くの和食屋のカウンターで軽く飲んで、ホテルへ戻った。

今はもう、いつどこで何をしてもいい。
なんて充実した1日だったのだろう。
明日からはまた仕事の日々だけれど、それもうれしかった。

不安定で傷つきやすかった、あの頃の私へ伝えたい。

ゆっくりおいで。
大人になってからの方が、京都は楽しいよ。

朝日新聞DIGITAL &Travel  京都で修学旅行を「復習」宇賀なつみがつづる旅(39)


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