夜の電話
夜の10時過ぎです。自宅の電話が鳴りました。今頃だれだろうと思いながら出るとクラスの男子でした。聞き慣れたゴローくんの声です。彼は技術家庭科の教科係です。翌日の連絡を担当の先生に聞けなかったので先生の電話番号を教えてほしいと言います。教科係は担当の先生からの連絡事項をクラスで伝えることになっています。そう言えば放課後先生を捜し歩いているゴローくんの姿がありました。きっと先生が見つからなかったのでしょう。
「大事な連絡があったらみんなに迷惑かけちゃうから先生に聞いて連絡網で回そうと思うのです」とゴローくん。「この時間に先生に電話するのは迷惑だし、これから連絡網で回すのもまずいわよ。先生がいらっしゃらなかったのだから仕方がないし、みんなもわかってくれるから大丈夫よ」と私は言いました。ゴローくんは納得しましたが、彼のまじめさを感じた出来事でした。
付記:当時はクラスごとに連絡網がつくられ、教師の自宅にも生徒や保護者から電話がかかることがよくありました。
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