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「解剖劇場」のある大学:ウプサラ大学(スウェーデン)
これまで調査や研修、旅行などで訪れた海外の大学を私個人の視点でレポートしています。
同大学は2010年に学会発表で訪れました。
ウプサラ大学(Uppsala University)はスウェーデンの首都ストックホルムから電車で40分ほど北に行ったウプサラという町にあります。創設は1477年で北欧最古の大学です。キャンパスは10カ所以上にあり、4万人近い学生が在籍しています。町を歩くと学生の姿が多く見られ、いかにも学生の町といった感じがします。
学部は神学、人文学、言語学、法学、社会科学、医学、薬学、理工学、教育科学などがあり、多様なプログラムを提供しています。近年は特に栄養学、心理学、医学、人間科学などのプログラムの需要が高いようです。学際的かつ総合的なアプローチを基本原則とした研究が行われており、多様な視点がぶつかり合うことによってそれぞれが刺激され、進歩・発展するという理念が重視されています。
大学本部
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同大学はヨーロッパの中でも権威ある高等教育・研究機関の一つとして知られており、ノーベル賞受賞者も多数輩出しています。ウプサラ中央駅から徒歩15分のところにあるリンネ庭園は18世紀に活躍した植物学者カール・フォン・リンネ が研究に使用していた場所で、スウェーデン最古の植物園です。現在、植物園としての機能はウプサラ大学の植物園(リネアニウム)に移っていますが、リンネが居住した住居などは現在も残されています。また、図書館には卒業生でもある第二代国連事務総長ダグ・ハマーショルド名がつけられています。
「グスタヴィアヌム」という大学博物館にある「解剖劇場(anatomical theatre)」は圧巻です。医学教育としての解剖を公開する場所で、部屋はすりばち状の円形劇場のようになっていて、中央に解剖が行われるテーブルが置かれています。周りには見学者の席が設けられ、学生だけでなく一般市民も入場料を支払って見学できたそうです。博物館の建物は1620年代にウプサラ大聖堂の真向かいに建てられました。
大学博物館「グスタヴィアヌム」の外観
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「解剖劇場」の部屋。中央が解剖台、周囲は見学席です。
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博物館の向かいにあるウプサラ大聖堂
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学会が行われた教育学部のあるキャンパス
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受付の様子
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各セッションが行われた教室
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発表の準備をする参加者
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となりの棟が見えます
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リンネ植物園とは別の植物園「リネアニウム」
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学生生活紹介ビデオ(YouTubeより)
リネアニウムの向いにある小高い丘の上に「ウプサラ城」があります。建物の内部は現在「ウプサラ美術館」となっており、ミュージアムショップやカフェなどの施設も充実しています。
ウプサラ城↓
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ウプサラ城の内部↓
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城の前に立つ「グニラの鐘」
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ウプサラは小さな町ですが見どころはたくさんあり、散策も十分に楽しめます。