ホテルで窓のない部屋に泊まってみる
オーストラリアの田舎を旅している時、小さな町で偶然見つけたホテルに泊まりました。1880年開業の古いホテルです。ちなみにその年はオーストラリアの無法者として知られるネッド・ケリー(Ned Kelly)が処刑された日です。クイーンズランド州のケアンズから車で1時間ほど行ったテーブルランド地方のハーバートン(Herberton)という町にそのホテルはありました。ホテル(Hotel)というのはもともとはパブを表す言葉だったので、創業以来パブとして営業してきましたが、宿泊用の部屋も2階数室用意されています。ちなみにテーブルランドではいちばん古いパブです。
建物はかなり年季が入っており、歩くとミシミシ音がします。造りも植民地時代の面影を残しています。宿泊した部屋は2階の廊下の先にありました。
左側の部屋です↓
部屋を見て驚きました。窓がひとつもなかったのです。壁は全面板張りで、天井の部分が一部吹き抜けになっており、ドアの上部が飾りのように一部くり抜かれている以外は外部の空気を取り入れる場所がないように見えます。一瞬「収監」されたような気分になりました。
出入りのためのドアも物置のドアのようで、鍵の開け閉めもスムーズにいきません。
ベッドが2つありましたがいずれも質素で病院のベッドのようでした。おしゃれとは程遠いです。でも寝心地はさおどど悪くありませんでした。
サイドテーブルはないので携帯電話などは壁に取り付けられた棚に置きました。
トイレとシャワーは部屋の外にあり、共用です。
部屋に貼られた避難経路図を見て納得しました、宿泊した部屋は外に面した部屋ではなかったのです。ベランダに面した部屋には窓があります。
避難経路図↓
2階のベランダです↓ 明かりのついている部屋はベランダ側の部屋。
ベランダから通りの向こう側が見えます↓
1階のパブは植民地時代の雰囲気です。ネッド・ケリー)が入ってきそうな気がしました。アメリカから来たご夫妻といっしょになりましたが、テキサスの田舎町にあるパブのようだと言っていました。
夕飯はオーストラリア風のワイルドな料理を食べました。見映えはともかく、味はまずまずでした。
ホテルの外観↓
地元紙に掲載されたホテルの歴史↓
窓のない部屋に泊まったのは初めてですが、意外と楽しかったです。普段できない体験をするのが旅の楽しみのひとつですし、「何でも楽しんでやろう」という気持ちが大事です。